上海証券取引所科創板への新規上場を目指す蘇州東微半導体股フェン(東微半導、688261/上海)は、1月24日より新規公開(IPO)に向けた公募を行う。1684万株を発行予定で、公募価格は20日に決定する。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。

 同社は2008年設立。高性能なパワーデバイスの研究開発を主業務とする半導体企業で、工業や自動車関連の中型、大型パワーデバイス向けMOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)製品に特化している。中国では特許取得から大量生産までの経験を持つ数少ないパワーデバイス設計企業の一つで、製品は新エネルギー車の充電設備、5G通信基地局の通信電源、データセンターサーバー電源、工業用照明電源、コンピューター電源、アダプター、テレビの電源ボード、携帯電話急速充電器など、工業、コンシューマーエレクトロニクスの広い分野で利用されている。

 同社が開発したEV向け高電圧MOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)製品のGreenMOSは世界先進レベルの性能を持ち、海外企業による同分野製品の独占状態を打破して、電気自動車(EV)の普及を急速に進める中国国内において充電スポットの設置コスト低減、部品の国産置き換え推進に貢献した。2020年の世界の高圧スーパージャンクションMOSFET製品市場シェアは3.8%、中国におけるシェアは8.6%。中低圧MOSFET市場シェアは世界で0.2%、中国国内で0.4%。

 世界のパワーデバイス向け半導体市場規模は2020年に新型コロナの影響で縮小したものの、2021年には再び拡大に転じ、2024年までは年平均4〜5%の成長が見込まれている。また、世界最大の消費国である中国の市場規模も同様に拡大し、2024年には206億米ドルに達する見込みだ。MOSFETをはじめ、この分野では海外製品の比率が依然として高く、国が重要部品の国産品への置き換えを奨励する中国国内企業にとっては大きな商機が見込める状況で、同社も高性能品を中心とする幅広い製品ラインナップと高い技術力でシェア拡大を目指す。

 一方で、会社が若く世界的なブランドに比べて知名度が低い、資金調達力が低い、規模拡大に見合うハイレベル人材の不足、経営規模が小さく業界における価格決定力が弱いといったネックを抱えている。また、材料となるシリコンウエハの供給不足や、売上をほぼすべてMOSFETに依存しているというリスクもある。

 2020年12月期の売上高は3億878万元(前期比57.5%増)、純利益は2768万元(同203.9%増)2021年1〜9月期の売上高は5億5919万元(前年同期比183.11%増)、純利益は9276万元(同504.34%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)