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吉田太一 ◎プロフィール
よしだ・たいち●1964年、大阪府生まれ。運送会社に勤務後、28歳で引っ越し運送業者を始め、日本初の「ひっこしやさんのリサイクルショップ」を開業、メディアの反響を呼ぶ。2002年、日本初の遺品整理専門会社キーパーズを設立。本業以外にも、孤立死を防ぐための講演活動なども精力的に行っている。著書に『遺品整理屋は見た!』(扶桑社)、『私の遺品お願いします』(幻冬舎)などがある。

質の高いサービス追求する遺品整理業のパイオニア

清潔感のある短髪に気さくな人柄、常に笑いをとろうとするサービス精神――人間の死と残された家族をめぐるさまざまなドラマを目の当たりにしてきた人物とは一見思えないが、キーパーズの吉田太一社長は、紛うことなき遺品整理のパイオニアである。  

「遺品整理は、場合によっては葬式よりも骨の折れるもの。当社は、葬儀の後に遺族がしなければならないことすべてを代行することで売り上げを伸ばしてきました」  

亡くなった方の家財道具一式の貴重品チェックからはじまり、ときには遺族によって「不要」と判断されていたものからプロの目で形見分けの品を見つけ出して「形見として残されてはどうですか」と提案する。また本当に不要なものは分別して一般廃棄物業者の手配を行い、空っぽになった部屋を最後はきれいに清掃する――これらの作業はこれまで故人の親族が行ってきたが、核家族化の進行や一人住まい世帯の増加で状況が一変。単身者が亡くなり発見が遅れた場合などは身内ですべてその後の整理を済ませることは難しく、そのような遺族が遺品整理を同社に依頼するケースが増えているのだという。費用は数十万円からと決して安くはないが、そもそも同社へ遺品整理を頼むのは「自分たちだけではとても手に負えないが、廃棄物業者にゴミの片づけとして依頼するのもしのびない。専門性の高いキーパーズにお願いしよう」という心ある遺族。言い換えれば安さよりサービスの質を求めている顧客からの支持を受けているということで、価格競争に巻き込まれることなく年間1500〜1600件の遺品整理を手がけている。遺品整理に対する需要は減少が予測されているものの、吉田社長は「付加価値の高いサービスを追求している当社の方針がより多くの人に伝われば、現在の2〜3倍は伸びしろがある」と話す。