「FLYMEe」は、500以上のブランドを取り扱い、2万点以上の品ぞろえを誇る国内最大規模の家具・インテリア通販サイトである。幅広い価格帯とテイストから、ソファやチェア、テーブル、照明など国内外の高感度なブランド家具をはじめ、ラグや食器、時計などのインテリア雑貨まで品ぞろえの豊富さは他社の追随を許さない。運営するフライミーの坂本如矢社長は、同社サイトのユーザー層についてこう語る。
 「当社のお客さまには、生活に必要な衣食住のうち『住』へのこだわりがあり、感度が高い人、つまり自分なりの審美眼があり、感覚でモノを買える人が多いと感じています。近年日本では、人を家に招待する文化が浸透し始めたことや、SNSの普及で自分のライフスタイルを他の人に見てもらう機会が増えたことで、『住』対する価値が見直されています。ファッションだけでなく、部屋のインテリアなども自己表現につながるようになってきており、そうした『住』に投資する人たちにも数多く利用していただいています」
 さまざまなブランドやショップが共同体的に参加しているのも大きな特徴だ。参加ブランドの数はなんと500以上。しかもそのうち4割のブランドがECサイトでは「FLYMEe」のみで展開しているというからすごい。家具業界全体を巻き込んだ販売プラットフォームになりつつある状況に坂本社長は胸を張る。
 「業界の商流の特殊性や物流、商品仕入れの難しさから、『FLYMEe』のようなサービスは実現不可能と言われてきましたが、地道な交渉の結果ここまでサイトが成長しました。誰もが生活で必要とする商材を扱いながら、類似サービスがないこと、簡単に参入できないサービス構造になっていることが大きな強みになっています。また創業時より、システム開発やカスタマーサポートを完全内製で行っており、SEO対策やWEBマーケティングの技術的なノウハウが高い点も強みです」 
 元々BtoCのサービスとしてスタートした「FLYMEe」だが、あらゆるブランドの商品を一括で注文できる利便性の高さから、飲食店やオフィスなどの施設を手掛けている設計事務所、内装会社、コーディネーターといった企業からの利用も多い。BtoB市場では耐久性が重要視され一定以上のレベルの商品しか使えないが、そうしたプロユースにも対応できるハイクオリティーの商品が豊富にラインアップされているからである。
 「プロ仕様の高品質商品が他社サイトに比べて圧倒的に充実していることや、プロも知らないような商材の品ぞろえなどが評価されています。またそれに加えて付随する提案や納品などのサービスを便利に感じているお客さまも多く、高い支持につながっています」
 なかには同社サイトをカタログ代わりに使っているケースも多くあるという人気ぶりである。法人向けの2020年度売上高は前年比3〜4倍ペースで伸びているという。 

巣ごもり消費拡大が追い風に
 坂本社長の出身は宮城県仙台市である。東日本大震災で家族が被災するなか、「物質的なものははかない。世の中に価値あるサービスを作りたい」との思いから、震災の10日後、3月21日に創業。2011年8月1日にフライミーを設立、12年2月にECサイトを立ち上げた。
 「もともと20代の頃から、生活空間にこだわりがあり、いろいろな家具やインテリアを購入していたのですが、実店舗・オンライン共に『どこで何を売っているかわからないから買いづらい』という、不便さを顧客体験として感じていました。そこで、『自分ならこういうサイトを利用したい』と思うサービスの提供を目指したのです」
 広大な家具店に足を運んでもお目当てのものがなく、結局カタログを開いて注文する経験がある人は少なくないだろう。一つの商品で売り場スペースを大きくとる家具は商品の展示数に限界があるし、広大な店舗を歩いて商品を比較検討するのは一苦労だ。坂本社長は続ける。
 「家具・インテリアを買う上で一番の問題は、大半の商品が実際に展示されている場所が少なく、埋もれて市場に出ていないため、『どこにどんな商品があるか分からないこと』です。しかし実店舗は展示面積に限界があり、消費者が常に求めるものに出会える場所を作らなければ、こうした不便は解消されません。そこを解決できるのはECサイトのほかにないと考えました」
 こうして坂本社長は、自らの購買経験をもとにブランド各社を訪問し、同社のビジョンや実現したいこと、サービスやサイトデザインに対する考え方などを伝え続けた。その熱意と地道な交渉が多くのメーカー・ブランドの共感を獲得し、「家具業界のゾゾタウン」とも評されるサイトの実現に至ったのである。
 「もともと家具は、服のようにシルエットが体に合うかどうか試す必要がなく、サイズなどある程度スペックが分かれば2次元の写真1枚で買える商材」という坂本社長の読みは見事に的中した。さらに最近では「自粛社会」の長期化で巣ごもり消費が拡大しており、家具・インテリアの販売は大きく伸長。とくにここ数カ月は在宅ワークの普及が追い風になり、広めのダイニングテーブルやデスク、オフィスチェアの需要が高まっているという。「もともと家具・インテリアはEC化のスピードが速いジャンルでしたが、今回の在宅ワーク等の普及でその速度が一気に上がっている」と話す坂本社長は、さらなる事業拡大を追い求めている。坂本社長は言う。
 「『どういう空間で時間を過ごすか』ということは、人々の幸福やクリエイティビティーに大きく影響します。それは、自宅などのプライベート空間に限らず、オフィスやカフェ、レストランやホテルといったあらゆる空間で、家具やインテリアが重要な役割をはたし、空間における体験の価値を高めたり、人生をより豊かにしてくれたりする力を持っているからです。より多くの人が『住』に投資することで生活の質が上がる体験をしてもらうため、さらなるサービスの拡張と充実を通じ、『家具やインテリアを探すなら、まずは「FLYMEe」を見てみよう』と思ってもらえるような存在を目指したいですね。一般顧客か法人かを問わず、あらゆる空間を創造するときに欠かせないサービスとして、ECの枠を超えた社会インフラの構築を目指します」

COMPANY DATA
株式会社フライミー
設 立 2011年8月
所在地 東京都武蔵野市中町1-19-18 武蔵野センタービル4F
社員数 約50名