雑誌広告、屋外看板、デジタルサイネージなどのオフライン広告を検索から発注までワンストップで行えるプラットフォームサービスが話題を呼んでいる。手がけたのは創業からわずか2年のビズパだ。同社を率いる石井俊之CEOにサービスの詳細を聞いた。

 ビズパはオフライン広告マッチングプラットフォーム「BIZPA(ビズパ)」を手がけるITベンチャー。2019年11月にサービスを開始して以降、1年間で商品数3万点以上、媒体数1200点超を達成するなど目覚ましい成果を挙げている。地域密着型のタウン情報誌、大衆向けの週刊誌、公共交通機関のドアステッカー、幹線道路沿いの野立て看板など商品のラインアップも多彩だ。
 そんなBIZPAの概要について、石井CEOは「最適な人に最適な広告を届けるためのプラットフォーム。特に中小企業やベンチャー、スタートアップなどオフライン広告を出稿することに二の足を踏みがちな企業でも気兼ねなく利用できるつくりになっています」と説明する。実際にBIZPAを活用して広告を出稿したユーザーのうち、半数以上が従業員100人未満の会社で業種や商圏も多岐にわたる。10万円以下の商品が8割を占めるなど、リーズナブルな広告を多く掲載しているところも特徴的である。

「探しやすさ」を重視
 オフライン広告はインターネット上に出稿するオンライン広告とは異なり、いまだにアナログな商習慣が根強く残っていると石井CEOは指摘する。読者層や広告料金などの媒体情報が集約されておらず、出稿を検討するには媒体社のホームページをひとつひとつチェックしなければならない。やりとりももっぱら電話やファクス。従って、オフライン広告を出稿する際にはあらかじめ媒体の候補をいくつかピックアップし、1社ずつ広告枠の空き状況や費用などを問い合わせた上で申し込むのが慣例である。
 一方、BIZPAによる検索・発注の流れはいたってシンプルだ。その仕組みを石井CEOに解説してもらおう。
 「広告主がBIZPAに掲載されている商品から宣伝内容にふさわしい媒体に目星を付け、ウェブ上から問い合わせや申し込みを行います。その後、当社で企業審査、枠の空き状況や掲載条件の確認などを行い、広告主と媒体社の双方が合意すると取引が成立。デザインの入稿、掲載、代金の支払いへと進んでいきます。最初の問い合わせから掲載が完了するまで当社のスタッフが間に入ってフォローするので、オフライン広告の出稿が初めてでも安心して利用することができます」
 同社のサポートは広告主にとって心強いようで、「売り切って終わりという姿勢ではなく、相談や質問対応など親身になって取り組んでくれたのでとても頼もしかった」と評判も上々だ。
 検索機能も充実している。媒体の種類を表す「カテゴリー」に加え、年代や性別、媒体の特徴を絞り込む「タグ」検索機能を搭載。これらを活用することで広告の訴求ポイントに合致したメディアを瞬時に検索できる。
 「BIZPAには20種類以上のカテゴリーを設けており、とりわけ数が多いフリーペーパーでは『タウン誌』『ターゲット誌・会員誌』、雑誌では『総合月刊誌・週刊誌』『業界・技術専門誌』『趣味・情報誌』といったように細かく分類しています。一方、タグはカテゴリー以上に細分化しており、その数100種類超。読者層やメディアのジャンルなどすべての媒体に共通するタグもあれば、媒体をさらに絞り込むために用いられるタグもあります。例えば、フリーペーパーであれば『ポスティング』『新聞折り込み』、趣味・情報誌であれば『週刊』『隔週』『月刊』など。いかんせん商品の数が多いので、宣伝効果が発揮できる媒体に確実にたどり着けるよう、カテゴリーやタグの種類を増やすなど検索機能をさらに充実させていきたいと考えています」

オフライン広告を身近に
 一般的にオフライン広告は単価が高く、一度掲載するだけでも多額の出費を余儀なくされる。中小、ベンチャー企業の場合、大企業と比べて広報・PRに費やせる予算が潤沢ではないため、広告代理店に仲介を依頼すること自体もハードルが高い。従って、オフライン広告を活用した広報・PR戦略を積極的に打ち出せているのは、現状では大企業がほとんど。石井CEOはこのような慣習を打ち崩し、地域や企業規模にかかわらず、オフライン広告を気兼ねなく出稿できる文化を根づかせたいと力強く話す。
 「前職でBtoBのマーケットプレイス事業を手がけていましたが、オフライン広告を活用したPR活動には常日頃から頭を悩ませていました。単価が高いことはもちろん、媒体の数が多く探すのが面倒、出稿までに手間や時間がかかる、費用対効果が検証できない……など、あらゆる問題に直面し、広告の予算を有効活用できなかったことも一度や二度ではありませんでした。BIZPAの根底にあるのはこのような課題を解消し、『すべての企業が手軽にオフライン広告を出稿できる世の中をつくる』という思い。リリースからわずか1年で多くのユーザーを獲得できたのも、同じような問題意識を抱く人が多数存在していたからだと考えています」

遠隔地とのマッチングも
 ユーザーが全国各地に点在していることから、最近では地域の垣根を超えた成約事例も相次いでいる。とりわけ増加傾向にあるのが、地方の中小企業が首都圏の媒体に広告を出稿するケース。石井CEOはこのような流れは今後さらに進んでいくと予測する。
 「数多くの地方企業や地場産業、観光業者がBIZPAを使って販路の拡大を実現しています。これまでは首都圏近郊の広告事情が分からず、出稿を諦める地方企業も多かったようですが、BIZPAを活用することで見知らぬ地域のメディアに広告を出しやすくなりました。この動きはより一層加速することでしょう」
 今後は検索機能の拡充はもちろん、広告デザインの作成、広告主の要望に合わせて媒体をレコメンドする機能の搭載など、ユーザーの声に耳を傾けながらサービスをブラッシュアップしていきたいと石井CEOは続ける。広告業界にさらなるブレークスルーが起こる日はそう遠くなさそうだ。

COMPANY DATA
株式会社ビズパ
設 立 2018年12月
所在地 東京都中央区日本橋人形町2-16-3 人形町Vビル2F
社員数 約10名