生粋の城ファンや城を生業とする方々にご登場いただく城びとの連載「マイ お城 Life」。『武田家滅亡』や『天地雷動』など、戦国時代の東国を緻密な歴史考証の元、リアルに書き上げる歴史作家・伊東潤さんの特別インタビューをお届けします。オススメの山城や城歩きの注意点など、城めぐりをはじめたいと思っている読者へのアドバイスをうかがいました。

杉山城は訓練のために造られた城なのかもしれません
山中城(静岡県)との出会いをきっかけに、歴史作家への道を歩みはじめた伊東潤さんの作品には城が多数登場する。伊東さん自身も城好きで、執筆活動の傍ら訪れた城は600城以上にのぼり、その多くは関東圏の山城だという。関東の山城の魅力とはいったい何なのか、伊東さんにうかがってみた。

(伊東)
関東に限りませんが、山城には国人の城が多くあります。国人は財力も労働力も限られているので、その中で工夫しなければなりませんでした。山城では、その苦闘の痕跡が見られます。中でも「半造作(ぞうさ)」と呼ばれる普請を途中で放棄した城があります。

どうしてそうなったのか、その原因を想像するだけでも楽しくなりますね。そうした築城者の息づかいを感じられるのが、山城の最大の魅力ですね。

また東国には、北条氏や武田氏といた城造りに特徴のある大名の城が多く残るのも魅力です。北条氏なら、小田原城を中心とした支城ネットワーク、武田氏なら、後詰め(援軍)が来られなくても敵を撃退できる攻撃的な縄張など、その家の防衛思想が反映されています。

山城めぐりをする際は城主(築城主体)による縄張の違いを意識してみると、新たな発見ができて楽しいです。