お城のガイドや解説本はもちろん、小説から写真集まで、お城に関連する書籍を幅広くピックアップする「お城ライブラリー」。今回は、手書きのイラストで建築としてのお城の魅力を学ぶ『日本の名城 解剖図鑑』をご紹介します。

建築としてのお城の魅力を豊富なイラストで楽しむ
ライトなタッチのイラストを豊富に使用して、さまざまなものの魅力を完全図解する「解剖図鑑」シリーズ。建築分野では日本最大手のエクスナレッジの発刊とあって、『建築デザインの解剖図鑑』『住まいの解剖図鑑』など建築関連の題材が多いが、なかには『仏像とお寺の解剖図鑑』『片づけの解剖図鑑』など別ジャンルを建築分野の視点で紹介しておりおもしろい。

本書はそんな人気シリーズの『日本の名城 解剖図鑑』だ。5章構成でお城の変遷や天守の役割などの基本知識から、姫路城や安土城など全32城の解剖まで、主に近世城郭の建物の魅力がたっぷり詰まったビギナー向けの一冊。解説本文の文字量は少なく簡潔だが、イラストに付属する詳細説明が膨大で、隅から隅まで眺めているとその情報量の多さに時間を忘れて読みふけってしまう。

監修者の中川武氏は建築史を専門とし、日本建築学会賞(業績賞)を受賞している早稲田大学教授、著者の米澤貴紀氏は日本建築史、建築技術史を専攻する研究員と、建築のエキスパートが「建築」という視点で捉えたお城のカタチが満載だ。お城の魅力について筆者は「『一国一城の主』という言葉があるくらい日本人にとって城には特別な思い、夢、そしてこだわりがあるようです。そして一つひとつの城には、建てた人=成功者のこだわりが詰まっているからこそ、人びとを引き付ける魅力を今も放っているのです」と答えている。