登場人物たちの思惑が複雑に絡み合い、本能寺の変で終盤を迎えた大河ドラマ『麒麟がくる』。「光秀の人生と戦いの舞台を歩く」では、ドラマの主人公である明智光秀の生涯や参戦した合戦の軌跡をたどり、出来事の背景や舞台となった城を紹介します。最終回は、光秀の人生におけるクライマックスとなった、本能寺の変と山崎の戦いにまつわる城が登場。(※2021年2月3日初回公開)

謎に包まれている謀反の動機
2020年・2021年放送のNHK大河ドラマ『麒麟がくる』。本作では、主君の織田信長を裏切った謀反人とされる明智光秀を、誠実で心優しい人物に描いて注目を浴びてきました。しかし、光秀が信長を本能寺の変で討ち果たしたことは事実。最終回直近では、周囲の言葉や秀吉の暗躍によって、光秀と信長の溝が広がっていきました。

実際の本能寺の変は、当時のさまざまな記録に残っているため、どのような展開だったのかは大体わかっています。ところが、光秀がどのような動機で変を起こしたのかはよくわかっていません。このため、信長に虐げられた復讐とか、幕府を復活させるためだったなど多くの説があり、黒幕に朝廷がいたとか、同僚の豊臣秀吉がいたなどともいわれています。

いずれにしても、丹波攻めを成功させて信長から丹波を与えられ、近畿圏に大きな影響力を持った光秀が決意したのですから、大きな理由があったことは想像に難くありません。光秀はその理由を胸に抱き、中国地方を攻略中の秀吉の援軍として与えられた1万3千ともいわれる兵を京都の本能寺に向かわせました。そしてわずか100人ほどの手勢しかいない信長を急襲し、滅ぼしたのです。