
福岡県の大野城。『日本書紀』によると、古代山城のなかでは最も早い天智天皇4年(665)に築かれた。総延長約8kmの城壁で囲まれた巨大な城だ
(城びと)
金田城は、浅茅湾(あそうわん)に突き出た半島の北端に位置し、ぐるっと一周するように石塁をめぐらせた城です。城壁の総延長は約2.2km! 石英斑岩(せきえいはんがん)を使った石塁の残存箇所の延長は最長でなんと49.3mと、見学できる古代山城のなかでもトップクラスの石塁が楽しめます。
城壁は急な斜面をめぐるように築かれているため、石塁の上を歩くような散策は危険です! また、遺構を壊してしまいかねないので、整備された散策ルートを歩いて見学しましょう。
大パノラマが広がる「山頂コース」
散策コースは大きくわけて3つあります!
まず「山頂コース」では、立派な石塁が残る東南角石塁や南西部石塁を通過して、標高276mの城山山頂まで約40分の道のりを登っていきます。山頂部は道も狭く険しくなるので要注意! ですが、そこを通過したら絶景を望む大パノラマが待っています。
千年以上も前の人々が、この場所で船の行き来を監視していたのかと思うと感慨深いですね。
山頂付近には、日露戦争に備え明治34年(1901)に「城山砲台(じょうやまほうだい)」が置かれ、現在も二十八糎榴弾砲の砲座や弾薬庫、観測所、井戸の跡が残っています。実は、山頂へと続く整備された道は、当時、軍道として使われていたもの。金田城は、古代から近代までの歴史が詰まった場所なのですね!