お城のガイドや解説本はもちろん、小説から写真集まで、お城に関連する書籍を幅広くピックアップする「お城ライブラリー」。今回は、各県ごとに順位付けした、『日本の名城 都道府県別ベスト10』をご紹介。

各都道府県ランキングの第2位に注目!
某アイドルグループの総選挙の盛り上がりに象徴されるように、日本人は格付けやランキングが大好き。江戸時代にはすでに「温泉番付」や「有名人番付」などが流行しており、「トップ10」や「トップ100」は今も雑誌やテレビの定番企画だ。お城ジャンルも例外に漏れず、人気ランキングや登城者数ランキングを頻繁に見かける。

そんな中、本書が際立っているのは「都道府県別」という点と、専門家の方々が一定の評価基準に基づいて順位付けしているという点。巻頭インタビューで編者の中井均氏が真っ先に述べているが、戦国時代に戦いを想定して築かれた山城(中世城郭)と、江戸時代の藩庁になったような石垣の城(近世城郭)を、同じ基準で横並びに選定するというのはそもそも無理がある。築かれた目的も、城の構造や構成要素も違うのだから(中世の山城には天守がない!)。でもそんな無理は百も承知で、本書では「歴史的知名度」「遺構の残存度」「縄張の完成度」「地域のシンボル度」「交通アクセス」「登城難易度」の6つの基準を設けてポイント化することで、戦国の城と近世の城を同じ土俵で選出することに成功している。「地域のシンボル度」や「交通アクセス」では江戸時代に政治の中心地となった近世城郭に分がある一方、山城の特性でもある「遺構の残存度」や登山がたいへんなほど点数の高い「登城難易度」を入れてバランスをとっているところがミソである(登城が困難なほど点数が高いのはやや??だが)。

そうした基準で選出されたベスト10は、一般の人気ランキングとは趣きの異なる順位に。例えば、石川県では加賀百万石の居城・金沢城が3位となり、1位・七尾城、2位・鳥越城と、山城がワンツーとなった。同様の事態は島根県にも起こっており、国宝天守を有する松江城は3位で、1位2位は月山富田城・津和野城と山城が占める。