「中の段」に立つ現存建造物
本丸唯一の現存建築物である月見櫓が、中の段の北西隅に立っています。1・2重目とも唐破風出窓や出窓格子を採用し、城内に数あった櫓の中でもひときわ優美な姿をしていたと考えられています。岡山城の裏口を守備する役割を担い、江戸時代初期の岡山城主・池田忠雄によって建てられたもの。鬼瓦には池田家の家紋、アゲハチョウがあしらわれています。

月見櫓の東には、廊下門が復元されています。本丸内の3つ(本段・中の段・下の段)の御殿は、それぞれ高さが異なる区画に築かれているため、移動を楽にするために渡り廊下が造られました。おかげで藩主は天候に関係なく、また藩士に出会うことなく御殿の私邸部分を移動できたのです。

岡山城に運ばれた名産地・犬島の石
廊下門をくぐって外に出ると、大きく蛇行する旭川にぶつかります。天然の堀代わりの旭川の対面には、岡山藩2代藩主・池田綱政(つなまさ)が築いた大庭園、後楽園が広がっていますので、岡山城とともにぜひ足を運んでみたいですね。

後楽園へ通じる月見橋から、旭川に沿って西に約250m歩くと、石川公園にたどり着きます。平成9年(1997)、史実に基づいて石を運んだ修羅と筏によって犬島(岡山県岡山市)から運んだ石が、石川公園に展示されています。

岡山城築城に際し、岡山城から南東約20㎞に浮かぶ犬島の石を使用しました。犬島は石の名産地で、大阪(坂)城の巨石にも使われたとされ、現在も大阪城の石垣の修復には犬島の石が切り出されています。そして石山公園は、戦国時代に宇喜多直家が築城した時代の岡山城(石山城)があった場所に当たります。宇喜多親子の足跡をたどりながら、岡山城のスケールの大きさを体感してみてはいかがでしょうか。

岡山城
住所:岡山県岡山市北区丸の内2-3-1
電話:086-225-2096
アクセス:市電「城下」電停から徒歩10分

お城情報WEBメディア「城びと」
2021年3月初出の記事を再編・再掲載