暑い夏がようやく終わり、これから秋の気配が深まっていきます。秋といえば気候が涼しく紅葉が見ごろを迎えるなど、お城めぐりにもってこいのシーズンです。そこで今回は、大のお城好きである気象予報士の久保井朝美さんにオススメのお城をピックアップしてもらい、晩秋ならではの見どころを解説していただきます。

お城はいつ訪れても楽しく、胸が高鳴る場所ですが、季節ごとの魅力もあります。訪れる季節によって違う顔を見せてくれます。お城好きな気象予報士の視点から、深まる秋にオススメのお城をご紹介します。

日本のマチュピチュと称される「天空の城」竹田城
まずは、兵庫県の竹田城です。

室町時代の永享3年(1431)に山名宗全が築城したとされている山城。天正8年(1580)に豊臣秀吉の中国攻めで落城し、最後の城主である赤松広秀(斎村政広)が完成させた巨大な石垣が、400年以上経った現在も遺っています。石垣の遺構としては、日本最大級といわれます。

山に石垣が連なる姿はとてもカッコ良いです。石垣の中でも特に野面積みが大好きな私にはたまりませんでした。

標高353.7mの古城山山頂にあり、美しい景色を望むことができます。

天守から眺める賑かな城下町も良いですが、広々としたのどかな風景も一興です。私が訪れた2013年は城内を自由に見てまわることができましたが、人気が出て訪れる人が増えたため、現在は保存の観点から順路制限されています。

このお城の人気が急上昇し、全国的に知られるようになった理由はこちらでしょう。

雲に浮かぶ「天空の城」として話題になりました。その姿は『天空の城ラピュタ』のモデルになったといわれるペルーのマチュピチュ遺跡のようでもあり、「日本のマチュピチュ」ともいわれています。私はアニメ好きでもあるので、心に刺さる愛称です。雲の上に浮いているように見えるお城は、とても幻想的ですね。