ある時はバイクのように動き、ある時は自転車のように立ち回る「ペダル付電動自転車」と「電動キックボード」などの超小型モビリティ。だが最近では信号無視や、突然の急カーブ、車道から歩道に減速せずに突っ込むなど、その節度のない運転に歩行者やドライバーは翻弄される事案が急増中。私たちは、この新しい乗り物にどう接すればいいのか?

注意しようにも、正解が分からない


歩行者だけでなく、クルマやオードバイを運転していると、一度は、車道を走る超小型モビリティにヒヤッとさせられたことがあるだろう。歩行者やドライバーからすれば怖くてしょうがない存在だ。


そもそも「ペダル付電動自転車」と「電動キックボード」などの超小型モビリティは、「自転車なのか、バイクなのか?」。交通ルール分かりづらいので、安全のために声掛けしようにも正解が分からず躊躇してしまう。

本稿では「ホントに道路を走っていい乗り物なのかどうか?」をはっきりさせ、交通ルールを遵守する市民への一助としたい。

目視で即判断できるチェックポイント!

表にまとめると下記のようになる



レンタル用電動キックボードには、ややこしい例外がある!



「電動キックボード」は結論から言うと、出力に応じて原付や自動二輪と同じ扱いとなる。つまり、バイク扱いで、自転車よりも厳しいルールが当てはめられる。

当然、免許とナンバーが必要で、ヘルメットの着用義務がある。ウインカー、ミラーも同様。自賠責保険への加入が義務づけられている。歩道は走れないので、車道から歩道への走行はもちろん違法だ。


国土交通省も、公道を走るためには、自賠責保険の加入が必要だと広めている様子


ただし例外がある。

「レンタル用の電動キックボート」の場合、ヘルメットをかぶらなくてもよい。つまり、ヘルメットをかぶっていないからという理由で、違反者だと判断することができないのだ。これが、歩行者やドライバーが「注意しようにも正解が分からず躊躇してしまう」の一因となっている。

このような事態になっているのは、経済産業省が、気軽に乗れる超小型モビリティを、将来広めるために、「レンタル用の電動キックボート」を使って、実証実験を行っているからだ。

あくまでも特例的に、限られたエリアでノーヘルでの走行を認めている。具体的には、国の実証実験をおこなう特定事業者として、シェアリングサービス「LUUP」(2022年9月現在、東京、大阪、横浜、京都、仙台で展開)や「mobby」(福岡市で展開)などがある。


※この実証実験で「レンタル用の電動キックボート」は、法規的には、あまり聞きなれない「小型特殊自動車」に区分された。普通自動車や自動二輪の免許があれば運転できる。フォークリフトや、魚市場で見かけるターレ、畑で使うトラクターと同じという扱い。ゆえにヘルメットの着用が任意となっている。


ちなみに、今回の実証実験が終わると、超小型モビリティを有効活用したいという国の思惑の元、「電動キックボード」は、ゆくゆくは自転車のように気軽に乗れるようになりそうだ。

改正された道路交通法は、2024年4月までに施行される予定になっており、16歳以上は、運転免許は不要となり、ヘルメットの着用は努力義務となる。

とはいえ運転免許が不要というのは実に危ない。地域交番の警察官も「免許不要になれば、車両の感覚なしに簡単に乗ってしまい、事故が増えるのではないかなと思います」と不安視していた。


ペダル付電動自転車は、自転車じゃなくて、バイク扱い!


次は「ペダル付電動自転車」についてだ。この乗り物は、ペダルをこがなくても電動で自走することができるので、法規上は出力に応じて、原付あるいは自動二輪に区分される。

つまりこちらもバイク扱いなのだ(こいでいてもバイク扱い)。ゆえに、運転免許証、ナンバープレート、ウインカー、ミラー、ヘルメットが必要で、自転車のように歩道は走れない。自賠責保険への加入が義務づけられている。



ただ、ややこしいのは、「ペダル付電動自転車」(バイク扱い)は、見た目が「電動アシスト自転車」(自転車)に似ていることだ。思わず勘違いしてしまう。

ゆえに「ペダル付電動自転車」の運転者は、ペダルが付いているから、ときに「電動アシスト自転車」を装って、歩道走り、信号無視する場合もある(もちろん自転車でも違反だが、多々横行している現状がある)。


「ペダル付電動自転車」の販売店では、「公道は走れない」と注意書きがある。


「ナンバープレートがついている、ついていないで、見分けるしかないのですが、違法でナンバープレートをつけていない場合はわからないですね。結局、止めて確認するしかないです。こがずに進むか進まないかを確かめるんです」と地域交番の警察官は語っていた。

個人的な見解だが、「ペダル付電動自転車」は、海外メーカーの際立ったデザインの車体が多いので、慣れれば見分けるのは容易かもしれない。

とはいえ、結局、見極めは難しいので、乱暴な運転をする超小型モビリティを見つけたら、こちらが気を配って近寄らないことが、安全のためには何よりだと言えそうだ。

取材・文/ヴィンセント秋山