3月1日警視庁に摘発された“渋谷で一番シャンパンが開く店”として有名だったホストクラブ。オーナーと共に逮捕されたのはドラマやCM出演経験のあるタレントだった。店には多くの女性客が来店していたが、周囲からの評判は悪かったという――。

店の壁には300本くらい高級シャンパンが飾られていた


「許可をとると1時まで営業できなくなる」

無許可で男性従業員に客の接待をさせた疑いで、警視庁は3月1日、渋谷区道玄坂のホストクラブ「Oneness」の経営者、神川友宏容疑者(30)と店長の平岡大誉容疑者(26)を逮捕した。

「店は、シャンパンを注文すると店員とカラオケのデュエットができるシステムなどもあった。風営法では、許可をとらず席の横に座ったり、デュエットするなどの接待行為は禁止されており、営業時間にも厳しい規制がある。神川容疑者らは利益を得るために無許可で接待行為を繰り返していた」(社会部記者)


シャンパンを開ける神川容疑者(本人インスタグラムより)


“渋谷で一番シャンパンが開く店”を自負し、年間1億円以上の利益があったとみられる「Oneness」。シャンパン1本35万円と高額提供していたという。

「店ができたのはちょうど2年ほど前。2月の上旬に2周年イベントをしてたので間違いないです。スタッフがイベント衣装の真っ赤なスウェットを着て撮影とかしてハシャいでいましたよ。毎回朝までうるさかった。地下にある黒い扉の店でインターフォンを押さないと扉を開けてくれない。店に入るとすぐ目に付くのは、高級シャンパン、アルマンドゴールドの壁です。300本くらい飾られていた」(近隣の店舗)

店内にはカウンターとボックス席が7〜8卓。常に7,8人のアルバイト店員が接客していたという。

「カウンターを使っているのは見たことない。スタッフは席に座って営業しています。スーツとかを着るわけでなく、私服でタメ口で接客としてはイマイチの“なんちゃってホスト”でした。報道でもあったようにシャンパンを入れるとデュエットもできますが、1番のウリはそこじゃなく、ペンライトと笛を使ったシャンパンコールと、全員でダンスをやってくれるんです。これがインスタグラムやTikTokで結構ウケてるみたいで、それを見て店に来る人もいた。

あとは生誕(誕生会)のときはシャンパンタワーもありました。客層はそういうSNS映えがウケてるだけあって、若いですね。20代前半の女の子ばかりで、みんなピンク、白、黒が好きな地雷系や量産型って感じの少しイタイ服装の女の子。渋谷の中では売り上げは圧倒的だったと思います」(近隣のバー店員)


摘発後のホストクラブ「Oneness」(撮影/集英社オンライン)


元アイドルやティックトッカー、インフルエンサーも来店


“自称ホスト”たちの営業スタイルは“色恋営業”。神川容疑者や平岡容疑者は歯の浮くセリフを並べた接客を繰り返し、神川容疑者の売り上げは月に1000万を超えていたという。

「平岡は別の芸名で芸能事務所に所属しており、ゴールデン枠のドラマに出演経験があり、舞台では主演もつとめている。今もWEB上でコンタクトレンズのCMに出演している。副店長は最近Abemaの人気恋愛リアリティショーに出演しているインフルエンサー。他にも芸能界をかじった店員が多く、固定ファンは勿論、元アイドルやティックトッカー、インフルエンサーもお客でたくさん来ていました。店にブランド力があったんだと思います。
そんな若手俳優を束ねる神川さんのことを従業員達はすごく尊敬していて『売り上げも実力もあるしかっこいい』って…。従業員は寮に入れられて高くない給料で雇われて、ちょっと洗脳に近い状態で可哀想でした。

金を使う太客は“彼女”と呼ばれ舞い上がっていた。“彼女“は頑張って貢ぐから破滅する女の子も結構いて、風俗やパパ活に手を染めた子もかなり多かった。渋谷の他のバー従業員達はずっと『あそこの店は雰囲気違うよね』『やり方がエグいよね』と付き合いを避けていました」(別のバー店員)


平岡容疑者(本人フェイスブックより)


許可をとらず朝7時まで営業していた「Oneness」は、近隣店舗にも頻繁に迷惑をかけていたという。

「朝7時になってもカラオケが聞こえて、店前にはタバコや缶や軽食のゴミがしばしば散乱、吐瀉物もそのままで掃除もしなかった。酔っ払った女性は転がっているし、近隣のお店は迷惑していました。1番驚いたのはうちのお店の前に大きいゴミ袋が置かれていたことですね。店のスタッフに問い詰めたら『間違えて置いちゃいました』と言っていましたが、どんな間違いでしょうか…」

平岡容疑者の所属事務所に確認すると「渋谷のバーでアルバイトをしているとは聞いていたが店長とは知りませんでした。事件を起こしていたとは知りませんでした」「詳細を確認次第対応します」と回答した。


渋谷警察署(撮影/集英社オンライン)


20年以上渋谷で店舗をかまえるバー店主は嘆く。

「渋谷や六本木はこれまでも多くの“芸能人の卵”が夜の世界で働いてきた。芸能の仕事は売れるまでなかなか食べていけないし、シフト管理が緩くて、業界人とも繋がれる夜のバイトがやりやすい。平岡のことも知っているが、最近は芸能の仕事よりバーの経営ばかり考えていた」

芸能界に平岡容疑者やスタッフたちの席はまだ残されているのだろうか…。


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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班