ウィメンズは高弾道で大きく飛ばせるというスペック
エンジョイゴルファーにもいろいろなタイプがおり、新モデルが出るたびに中古クラブ屋さんに走り、ギアをチェンジする人もいれば、「このドライバー? もう10年使ってるかなー」なんて人もいる。
自分はといえばその中間で、おそらくいちばんのボリュームゾーンではないかと思われる。
技術の進化がもっとも反映されるというドライバーは2〜3年に1回、アイアンは4〜5年に1回、パターはあまり変えない……そんな感じのローテーションだ。
そもそも女性のギアは絶対数が少ないため、中古市場の規模は男性に比べると全然小さい。だからおいそれとホイホイ買い替えはできないのだ。
それでもこのところの女子ゴルフブームでずいぶんと恵まれた状況にはなっている。かつてはゴルフウェアだって、種類は全然なくて、デザインにいたっては「……」なものがほとんどだったのだから。
で、ステルス 2である。
初代ステルスが出たときも、たいそう話題になったが、こちらも結構な前評判。いやがうえにも期待は高まる。

ステルスのドライバーといえば、テーラーメイド鳴り物入りのカーボンフェイスの導入でおなじみ。
ステルス 2 HD ドライバーももちろんカーボンフェイスだ。それもより進化させたシロモノだ。
そのウリといえば、球のつかまりと飛距離、ウィメンズはさらに「高弾道」と「大きく飛ばす」ことに注力しているという。
ゴルフにおいて、飛距離はすごく大事なものであるけど、球を高く上げるというのは、とくに女性においてはなかなか難しい。
以前受けたレッスンでの忘れられない一言。
「球を高く上げるのにまず必要なのはパワーです」
そう、男性の打つ、空に刺さるような弾道は女子にはなかなか難しいのだ。

ミスヒットのダメージがものすごく少ないんだけど!
諸事情により、いきなりコースデビューとなってしまった私のステルス 2。
舞台は富士山のきれいな河口湖カントリークラブ。バンカーが108個あるという難関コースだ。
クラブは構えたときに当たりそうな気がする、というイメージもすごく大事だという。
そういう意味ではこいつはすごく当たりそうな気がする。
まずヘッドがかなり軽いのに、容積はしっかりあって、ちょっぴりフェースが見える角度もいい。
なんというか安心感がある。
あと、赤ってやっぱり気持ちをアゲてくれる色だ。

まさに富士山に向かって豪打!な状態である。

で、記念すべきコース最初のティーショットは、思いきりハーフトップしてしまった。
私はそもそもフッカーで、ミスするときはたいていトップかチーピンショット。スライス?何それ、どうやって打つの?なゴルファーだ。
ダフリ、テンプラに曲がりなしとは言うけれど、トップ球はバウンドによるロスが痛い……はずが、そこそこ転がっていってくれたようだ。まあ、かなり強めの球足だったし。
そして2番ホール、ティーショット。
(やば…!)
あせって打ち急いでフェースが開いておりてきてる…明らかに右プッシュの予感…と覚悟して強引に振り切ってみたら、あれ? 思ったよりまっすぐ飛んでいった…。
やや右めには出たものの、フェアウェイはキープ。言うなら軽くドローぽい弾道で、そこそこのとこまでいっている。
(これが球がつかまりやすいということか……!)
ステルス 2、ドライバーのミスが致命的な大ミスにならないのだ。
日本人ゴルファーはどちらかというとスライサーが多いと言われているけれど、この球のつかまりのよさは、かなりのスライス減になるのではないか。
そして、典型的なアウトサイドインのスイングでフッカーの私は、ラウンド中に受けた「思いきり肩を回して振り切れ!」という同伴プレーヤーのアドバイスを実践してみたら、しっかりミートでき、高い弾道のランのある球を打つことができた!
いわゆる「素性のいい球筋」ってやつだ。うれしい。

カーボンフェイスが苦手という人も
ところでチタンに比べて、カーボンフェイスというのは一長一短、まだまだ好き嫌いが分かれるところ。
カーボンが苦手という人の多くは
「なーんか、音がイマイチなんだよなー」
「芯食ってるかどうかが微妙にわかりづらくない?」
ということを言っていたかと記憶している。確かにそれは言える。
ただ、この2点に関してはステルス 2はかなり改善されたと言っていいだろう。
打感もしっかり感じられるし、ボールを弾き返す感触も気持ちいい。音もかなり高音域になっている。

ただ、このクラブ、純正のシャフトはそれなりにハードスペック。
だからこその高弾道とランだと思えるのだけど、ふだんはAの私ですが、試打で打ち比べてLをチョイス。それがいい結果につながったので、シャフトってやっぱり大事だなーと改めて痛感。
もう少し体鍛えて、Aにトライして……という色気はしばし封じておきます。
ちなみにステルス 2はアイアンがかなり個性的。
こちらもじっくりトライしていくつもり。
写真・文/志沢直子