原作ファン&ドラマファン待望の映画化!

© 2023「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」製作委員会 © LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社
シリーズ累計発行部数1億2千万部を超える荒木飛呂彦氏の大人気コミック『ジョジョの奇妙な冒険』から生まれたスピンオフ『岸辺露伴は動かない』。特殊能力を持つ人気漫画家・岸辺露伴が、奇怪な事件に立ち向かう作品だ。
2020年末には高橋一生主演で実写ドラマ化し大反響を呼んだが、そのスタッフが再集結し、待望の劇場長編映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』(2023)が製作された。

© 2023「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」製作委員会 © LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社
──長尾さんが演じられたのは、主人公・岸辺露伴の青年期。撮影を振り返ってみて、いかがでしたか?
好きな作品のキャラクターの実写版を演じられることは、俳優の仕事をする上で、確率的にすごく低い出来事だと思います。それが実現できたこと、そして演じさせていただけたことは、僕にとってすごく光栄でした。
露伴先生の衣裳を着て、髪型も寄せた自分を見たときは、「あ、おはようございます」みたいな感じで、恐れ多い気持ちになりましたし、すごく新鮮な感覚でした(笑)。
──原作は漫画なので明確なビジュアルもあり、さらに高橋一生さんがドラマですでに露伴像を作り上げられています。長尾さん自身は、露伴をどんなイメージで捉えていましたか?
一生さんが演じられているような、少し尖っている、我を貫くような方だと感じていました。実際にいたらやばい人ですよね(笑)。でも、荒木(飛呂彦)さんの描く世界観に露伴がいることが、すごくかっこいいなと思いますし、唯一無二の存在だと感じました。
──露伴は自分を貫く強さを持っていますが、長尾さんにはありますか?
自分もけっこう頑固なんです。こだわり出したら止まらない人ではあるんですけど、露伴先生までは到底至らないですね(笑)。
──お話を聞いていると、“露伴先生”と呼んでいるところに、すごく役に対しての思い入れが強く、また尊敬されているんだなと感じます。
露伴先生はもちろん、生み出した荒木先生も両方リスペクトしています! 作品を読んで勉強したことも多いですし、これまでのグループ活動やそれ以外の活動にも少しずつ反映させてきました。今の自分の力になってきたと思いますね。

© LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社
──どんなところが勉強になったのですか?
僕はなにわ男子の衣装をプロデュースしているんですけど、目立ってナンボだと思いますし、いろんな衣装を作っていきたいという願望があります。今はどちらかというと、いい意味でジャニーズらしい衣装をプロデュースしていますが、いずれはこれまでのジャニーズにないようなものを作りたい。
そう考えると、荒木さんのようにまったく新しいものを作り出すことに憧れがあります。荒木さんの描く人物はクセが強くて、これまでの漫画にないものだと思うんです。
そういった新しい道を切り拓かれた方という点で、荒木さんの作品はすごく勉強になりますね。物語はもちろん素晴らしいですが、特に色使いがすごく面白いと思っていて。
たいていは読者が見やすいようにと、固定概念に縛られて作ることがほとんどだと思うんですけど、荒木先生の作品は空や道が意味がわからへん色をしてるときがある(笑)。「この色で描くんや、すげえ!」と感動しますし、「荒木さんの目にはこう見えてるのかな?」と考えるのも刺激になります。
人間観察が好き。特に人の足元をよく見ます
──なにわ男子のメンバーも、全員俳優としても活動されてます。メンバーと出演する作品などの話はしますか?
しないですね。メンバーも僕が映画に出るというような大枠しか、たぶん知らないと思います。岸辺露伴というキャラクターのスピンオフドラマが映画になったということ以上の、詳しいことは知らないと思いますね(笑)。
特にメンバーに反応してほしいともあまり望んではないです。僕自身も他のメンバーの作品にあまり深くは反応しないですし、感想も「よかった〜」ぐらいしか言わないです。もちろん、時間があったら見るようにはしてますけどね。

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──同じ露伴を演じられている高橋一生さんとのエピソードを教えてください。
一生さんとは、試写の時や取材日の時にお会いしていますが、やっぱり会うと緊張します(笑)。
撮影現場でも一度だけお会いしました。福島に滞在している期間があったんですけど、僕がオフだったちょうどその日に、一生さんが福島で撮影されるということだったので、見学に行かせていただきました。
演技を生で見てすごく勉強になりましたし、青年期を演じるモチベーションも上がりました。あと、「実際の一生さん、背が高いんだ!」って感じましたね(笑)。

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──劇中では、木村文乃さん演じる謎多き女性・奈々瀬との忘れない出会いがあります。奈々瀬のようなミステリアスな女性と出会ったら、長尾さん自身は興味を持つタイプなのか、警戒するのか、どちらですか?
すごく興味を持つと思います! 興味を持ってから、警戒するか決めるかもしれない。その人がどんな人なのか分からないので、「どんな方なんやろう?」って気になって、絶対一回はお話をさせていただくと思います。
普段から人間観察はよくしてるんですよね。それこそ友達と待ち合わせをした場所に早く着いたら、知らない人を見て、「あの人どんなことを考えてるのかな?」と観察します。
僕、スニーカーが大好きなんですけど、人の足元をすごく見るんです(笑)。どんな靴を履いてるかも見てるんですけど、それとは別に、「この人は靴が汚れていても履くんや〜」とか「この人はちゃんと手入れしてるな〜」とか、「この人はこうやって靴紐を結ぶんだ」とか、細かいところまで見ちゃいますね。
特殊能力が使えたらファンの本当の感情を見てみたい

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──岸辺露伴は、相手を本にして生い立ちや秘密を読み、指示を書き込むこともできる特殊能力“ヘブンズ・ドアー”を持っています。その能力についてはどう思いますか?
“ヘブンズ・ドアー”に関しては解釈が難しいなあって思います。
持っている能力だけど、見るか見ないかは自分の意思じゃないですか。見たくないものを見てしまう可能性もあるんですよね。
ネタバレになるので詳しく言えないんですけど、僕と文乃さんとのシーンにも、“ヘブンズ・ドアー”がどう関わってくるか注目してもらえたら嬉しいです。
でも、一度は経験してみたい特殊能力ではあります。身近な人がどう感じているのかも気になりますし、僕が知らない一般の方の中身も好奇心で見てみたいです。
こういった特殊能力を考える荒木さんってすごいですよね。だって、本にして、その人の人生や記憶を読むっていうアイデアって、そう出てこないじゃないですか。その荒木さんの能力もすごいなと思います。
──こんな特殊能力があったらいいなって思うものはありますか?
僕、ジョルノ・ジョバァーナ(『ジョジョの奇妙な冒険』第5部の主人公)が好きなんです。“ゴールド・エクスペリエンス”という、いろんな物に生命を与える特殊能力があるんですけど、てんとう虫がモデルになってるかっこいいキャラクターで。この特殊能力を使って、生命がないものがどんな感情を持ってるのか、見たり聞いたりしてみたいですね。
でも……自分が手に入れるなら、やっぱり露伴先生のヘブンズ・ドアーは使ってみたいなと思います。たとえばライブを見てくれるファンの皆さんが、「ほんまに嬉しいんかな?」とか「ほんまに楽しんでくれてるのかな?」とかが気になるので。どう思ってるかを見てみたいです(笑)。











取材・文/宮平なつき
長尾謙杜
2002 年 8 月 15 日生まれ。大阪府出身。アイドルグループ「なにわ男子」のメンバー。2021年にCDデビュー。俳優活動は、ドラマ『俺のスカート、どこ行った?』(2019)出演以降、様々な映画やドラマに出演。主な出演作に、ドラマ『メンズ校』(2020)、『となりのチカラ』(2022)、『パパとムスメの 7 日間』(2022)、映画『HOMESTAY(ホームステイ)』(2022)などがある。現在、ドラマ『王様に捧ぐ薬指』、NHK大河ドラマ『どうなる家康』に出演中。
『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』(2023) 上映時間:1時間59分 日本

出演:高橋一生 飯豊まりえ / 長尾謙杜 安藤政信 美波 / 木村文乃
原作:荒木飛呂彦「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」(集英社 ウルトラジャンプ愛蔵版コミックス 刊)
監督:渡辺一貴
脚本:小林靖子
音楽:菊地成孔/新音楽制作工房
人物デザイン監修・衣裳デザイン:柘植伊佐夫
特殊能力を持つ、漫画家・岸辺露伴(高橋一生)は、青年時代に淡い思いを抱いた女性・奈々瀬(木村文乃)からこの世で「最も黒い絵」の噂を聞く。それは最も黒く、そしてこの世で最も邪悪な絵だった。時は経ち、新作執筆の過程で、その絵がルーヴル美術館に所蔵されていることを知った露伴は、取材とかつての微かな慕情のために、担当編集・泉京香(飯豊まりえ)とフランスを訪れる。しかし、不思議なことに美術館職員すら「黒い絵」の存在を知らず、データベースでヒットした保管場所は、今はもう使われていないはずの地下倉庫「Z-13倉庫」だった。そこで露伴は「黒い絵」が引き起こす恐ろしい出来事に対峙することとなる……。
© 2023「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」製作委員会 © LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社
製作:『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』 製作委員会
制作プロダクション:アスミック・エース、NHKエンタープライズ、P.I.C.S.
配給:アスミック・エース
2023年5月26日(金)より、全国ロードショー
公式サイト:kishiberohan-movie.asmik-ace.co.jp