『仮面ライダーアマゾンズ』で女性隊員・高井望を演じてから5年…ド派手なアクションとともに9月から放送されている『仮面ライダーガッチャード』でシリーズに帰ってきた宮原華音。幼少期からハマっていたという仮面ライダーへの熱い愛と、ヒール(悪役)を演じる面白さを語ってくれた。

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高畑淳子や馬場ふみか、浅倉唯など、仮面ライダーの悪役(ヒール)がブレイクポイントとなったタレントは多い。そんな仮面ライダーシリーズの最新作である、『仮面ライダーガッチャード』に出演している注目俳優が宮原華音だ。

錬金術を悪用して暗躍する謎の集団〈冥黒の三姉妹〉の次女、クロトー役として抜擢された彼女は、実は配信シリーズ『仮面ライダーアマゾンズ』にも出演していた。数々の仮面ライダーシリーズで監督を務めた田﨑竜太監督との縁や、ガッチャードの撮影秘話を語る。


田﨑監督は怖かった!


――Amazon Prime Videoでシーズン1、2を配信、その後劇場公開もされた『仮面ライダーアマゾンズ』以来、実に5年ぶりとなる仮面ライダーシリーズへの復帰です。

小さいころから仮面ライダーが大好きだったので、ライダーシリーズに戻ってくることができて本当にうれしいです。

――宮原さんの記憶に残っているライダーはいますか?

私が見はじめたのは、『クウガ』(2000年)、『アギト』(01年)の頃からですが、一番印象に残っているのは、佐藤健さん主演で田﨑竜太さんが監督を務められた『電王』です。母が言うには、レンタルビデオ店でビデオを借りて、真剣に見入っていたそうです。

――今回の『ガッチャード』も監督は『電王』の田﨑竜太さんです。

そうなんです! 『アマゾンズ』のヒロインオーデションを受けた当時、私は19歳。記念受験に近い気持ちでオーディションを受けにいったんですけど…。



――特殊部隊である駆除班員役として合格されました。

オーデションでは、「空手やってたわりにはなんか、強そうに見えないなぁ」と言われて、この人とは絶対に仕事をしたくない! と思ってしまいました(笑)。

――その後、監督とは?

撮影が始まって1ヶ月は、監督が怖くてビビってました(笑)。あるとき、どうしてもOKが出ないシーンがあって現場で泣いちゃったんです。そこではじめて監督ときちんと向き合って、いろんな話をさせていただいて。そこからですね、一気に距離が縮まったのは。


高畑淳子、馬場ふみかに続け


――1年を通しての連続ドラマは、NHKの大河と同じテレビ朝日の戦隊シリーズ、そして、仮面ライダーシリーズの3本だけ。その分撮影スケジュールも過酷だとうかがいましたが。

『アマゾンズ』のときは本当に過酷でした。朝6時集合で終わりは25時とかになることもありましたね。今回も覚悟していましたが、今のところスケジュールが緩やかです。

――プロレスラーの蝶野正洋選手が、「ヒールは面白い。一度やったらやめられないよ」と話していたことがありますが、実際演じてみてどうですか。

面白いです。年齢的にももうキラキラしたヒロインが似合わないというのもあるんですけど、むしろヒールでよかったという気持ちです(笑)。

私たちヒールが悪ければ悪いほど、ヒーローはカッコよくヒロインは可愛く映るし、ヒーロー&ヒロインがそうやって輝けば、私たちヒールももっと輝けると思うので、強くて憎たらしい、最凶のヒロインを演じたいと思っています。

――仮面ライダーシリーズで悪のヒロインといえば、『BLACK RX』(88年)で、悪の四大隊長のひとり、マリバロンを演じた高畑淳子さんがいます。

馬場ふみかさんも、竹内涼真さんが主人公を務めた『ドライブ』(14年)で悪のヒロイン、メディックを演じてそこからブレイクされたんですよね。



――そうやって考えると、ヒールはおいしい役ですよね。

高畑淳子さん、馬場ふみかさんの後に続けじゃないですけど、私なりにしっかりと爪痕は残したいと思っていますし、ヒールを演じることで、演技の幅を広げられるようになりたいとは思っています。

――そのために気をつけているのはどんなことですか。

セリフひとつで相手をビビらせたり、現場でも思わず共演者が避けたくなるようなオーラは出したいと思っています。いまのところみんなと仲はいいんですけど、現場でオラオラした結果嫌われることになっても、それはそれでいいかなと思っています(笑)。

――子どもたちからも嫌われそうです(笑)。

それがそうでもなくて。私が演じるクロトーは、衣装もメイクも派手で普段とはまるで違うので、街を歩いていても気づかれないと思います。

『生誕50周年記念 THE仮面ライダー展』では、子どもたちの輪に交じって『ガッチャード』のオープニング映像を見たり、『ガッチャード』のパネルの横で写真を撮ったりしてきましたから(笑)。


変身願望はありません


――監督との関係は良好ですか。

以前は周りについて行くのに必死で、言われたことしかできませんでしたが、今は私の引き出しも増えましたし、台本を読み込んだり世界観を理解したりと準備ができるようになったので、監督とのコミュニケーションもバッチリです。

――怒られることは減りました?

今はあまりないですね(笑)。このセリフはヒステリックに叫んだほうがいいですか、それとも、冷めた感じのほうがいいですかと、私から提案させていただいて。じゃあ、両方やってみようか、という会話ができるようになったので撮影がすごく楽しいです。

――一年の長丁場になりますが、気をつけていることはなんでしょう。

まずは体調管理ですね。クロトーの衣装は露出が多めなので、肌のお手入れにも気を配っています。この先ドラマがどう展開していくのかわかりませんが、クロトーが途中退場することなく、視聴者の方から、“クロトーのスピンオフが見たい!”と言っていただけるようになれたら最高です。



――仮面ライダーといえばやっぱり“変身”です。そういう願望は?

ないです! ゼロとは言いませんが、私は私のまま戦えるクロトーのほうが好きだし、合っていると思っています。

当たり前ですけど、変身すると顔が見えなくなるじゃないですか。でもクロトーは私のままで戦える。大好きなアクションも、私の顔で演じることができるんです。私は私のままで、1年間、魅力あふれるヒールを演じ切ります。

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格闘能力が高いキャラを演じている宮原さん、実はキックボクシングの選手として、リングデビューも果たしているのだ。プロ格闘家としての素顔に迫った後編はこちらから。



取材・文/工藤晋 撮影/松木宏祐


後編 格闘家としての宮原華音 はこちらから