YouTube登録者数は326万人(9月11日時点)超え。“ぽきさん”の愛称で親しまれ、Z世代から社会人まで幅広いファンを持つゲーム実況者・ポッキーさん。近年ではeスポーツ大会にも参戦したり、この春にはエッセイ本『エンディングにはまだはやい』(KADOKAWA)を上梓したりと、YouTube界だけに留まらない活躍を見せている。7月にはゲーム実況グループ「ぽみそしる」を旗揚げしたポッキーさんに、これまでの軌跡とゲーム実況の展望について聞いた。

実況って面白そうだなと思った


――ポッキーさんがゲーム実況を始めたのには、どんなきっかけだったんでしょうか。

最初は僕もイチ視聴者でした。2011年くらいのことで、友達は誰も見ていなくて、まだYouTubeのUIも完全に日本語対応してない初期も初期。そのなかで数少ないゲーム実況を上げてる人がいたんですけど、見ているうちに段々そのゲームがやりたくなってきて、実況って面白そうだなと思うように。それで自分でもやってみたのが最初です。まだ「YouTuber」っていう言葉もなかった頃ですね。



――じゃあそこから機材を集めだして。

住んでたのが田舎だったので、どこにも機材なんて売ってないから、初めてAmazonで買い物しました。マイクとかキャプチャとか、少しずつ揃えて。最初はカメラとテレビを直接繋げられなかったんで、テレビの前にカメラを置いて画面を直撮りしてました。それで、2011年にチャンネルを公開したんです。今とは違う、ひとつ前のチャンネルですね。

――最初にアップした動画は何のゲームだったんですか?

プレステ3の『モンスターハンター』です。とにかく声を出すのがめちゃくちゃ恥ずかしくて、ひたすら無言でプレイした動画を上げました。

――そうなると実況じゃなく……。

そうですね、プレイ動画です(笑)。でも当時はすごく多かったんですよ。そもそも実況文化がまだ根付いてなかったので。ゲームを始めたら録画を開始して、やめるまでの動画をただ上げる、そういうチャンネルが多かったです。



――もともとゲーム実況の動画を見るくらいですし、ゲーム自体はお好きだったんですよね。どんなゲームをやられてこられたんですか?

最初に買ってもらったのが、ゲームボーイアドバンスSPの『マリオVSドンキーコング』で、めちゃくちゃやりました。そのゲームがやりたかったというより、“マリオのゲーム”が欲しくて、ちょうど出ていた新作を買ってもらった感じですね。小学校くらいまではやっぱり任天堂のゲームが多くなりますね。ゲームキューブで『大乱闘スマッシュブラザーズ』をやったりして。

――物心がついてから『モンハン』になったんですね。

そうですね、中学生くらいからですかね。素材を集めて武器を強化していくのが楽しくて、やりこんでましたね。『モンハン』っていろんなタイトルが出るので、PSPでもやって、wiiでもやって。

――ゲーム好きで、そこから実況を見始めるようにもなって。チャンネルを初めてからは運営はスムーズでした?

声を入れるのだけはマジで恥ずかしかったですね。普段一人でゲームをしていたら、絶対喋らないじゃないですか。だから、憧れて始めてはみたもののなかなか慣れなくて、ずっと無言で……。ちょっとずつリアクションを取りながら、徐々に喋れるようになった感じです。



――登録者数はどんな感じだったんでしょう。

1万人もいなかったと思います。でも、当時のゲーム実況界隈なら、最多登録者数を誇るチャンネルでも確か3万人くらい。YouTubeのユーザ数が今よりもうんと少ない時代なので、仮に5000人でもすごいとされていたんですよね。

――そこから一度、チャンネルを辞められるんですよね。

はい。学生だったんで、このまま実況をしていていいんだろうかっていうのがあって。わりと忙しくて、学校に行って、帰って、実況動画を上げるというのも難しくなってきたんです。それで一回消しました。でも、ゲーム自体は好きだから、普通に家でプレイしていて。その間に色々考えて、やっぱりもう一回、今度はちゃんとやろうと。それで2013年に今の『ポッキー』を開設しました。

――心境の変化はありました?

それまでは『モンハン』みたいに好きなゲームを1本ずーっとやってたんです。でも休んでる間にいろんなゲームを遊ぶようになったので、ちょっとスタイルを変えてみようと。もともと最初に好きだった実況者さんは、自分で掲示板を作ってリクエストを募集していたんです。それを真似してみようと思って、視聴者さんからの「こういうゲームやってほしい」という声に応えるようになりました。

――今のポッキーさんのスタイルになっていったわけですね。

そうですね。コメントが来るっていうのがめちゃくちゃ楽しくて。コメントが欲しくてリクエストを募集してるところもありました。



――今でも、Twitterなんかを見ていてもリプライがすごく多いですもんね。距離感の近さを感じます。

ありがたいことに、僕がつぶやきを投稿してなくても、「今日は○○しました」ってレスをくださる方がいるんですよね。すごく嬉しいです。


開設から9年、実績で掴んだゲームタイトル


――開設から9年が経って、今では様々なゲームが楽しめるのがポッキーさんのチャンネルの魅力だと思います。選ぶゲームは今もリクエストが多いですか?

それはもちろんですが、最近は自分で探すことも多いかもしれないです。僕、新作以外に旧作も遊ぶんですよ。意外と昔のゲームって誰もYouTubeに上げていないので、そういうタイトルは自分で選んでます。



――昔のゲーム以外だと、ホラー系はポッキーさんの代名詞という感じもありますよね。

ものすごくホラーが好きだったわけじゃないんですよ。でも、ホラーゲームってリアクション込みで面白い部分があるじゃないですか。実況のジャンルとしても人気だったので、最初は抵抗あったんですけど、やってみたら面白くて。今では結構な頻度でやるようになりました。



――あと海外のパソコン移植系の、ちょっと粗っぽいゲームも多いですね。

大作ゲームには世界観があるから、なかなかそれを壊してまでプレイするって難しい気がして。めちゃくちゃなゲームだと、僕もめちゃくちゃにできるんでいいかなって(笑)。概ね海外のシュミレーションゲームが自由度が高くていいんですよね。ニンテンドースイッチの発売日一覧とか、Steamの新作リスト、海外サイトなんかを毎日のように見て、気になるゲームをチェックしています。視聴者の反応が高いのはコンビニ運営とかキッチンで料理を作るようなゲームですね。最近だとスーパーマーケットを経営する『TRADER LIFE SIMULATOR』が面白かったです。



――「これをやろう!」と思うゲーム選びの決め手はありますか?

今までの傾向から「人気が出そうだな」っていうのはありますね。あとは紹介映像を見て、サムネイルとタイトルが浮かぶものは絶対やるべきだと思ってます。まず最初にサムネを考えるかもしれないですね。



(後編へ続く)


インタビュー後編「Z世代から愛される、YouTuberポッキー。eスポーツへの挑戦と大会運営、静かなプライベート」はこちら

取材・文/飯田ネオ 編集/星山江里可 撮影/コザイリサ ヘアメイク/小宮四海