グラビアを愛してやまない各界の著名人たちが、自身のグラビア観を語るとともに、お気に入りのデジタル写真集5作品を挙げてもらうインタビューシリーズ、『俺のグラビア愛』。

8月18日(火)まで開催している『週刊プレイボーイ』公式デジタルコンテンツサイト『週プレ グラジャパ!』の「夏の6周年記念キャンペーン」スペシャルコンテンツとして、全4回を定期配信中だ。

第4回は、雑誌『SPA!』の人気連載コラム『グラビアン魂』で、リリー・フランキーさんとともにグラビアのプロデュースも行なっているみうらじゅんさん 。彼がピックアップした5作品とは?

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――いろんな方々に「グラジャパ!」からオススメの写真集を選んでいただいています。みうらさんは、リリー・フランキーさんとの『グラビアン魂』を長年続けるなど、雑誌業界では1番のグラビア好き=グラビアンとして知られています。

みうら 俺、この企画はね、絶対受けなきゃと思ったんですよ。というのも、その『グラビアン魂』ってもう15年もやってるんですけど、実を言うと初期の頃は女のコのネタ元は、ほぼほぼ週プレだったんですよ。まず週プレを読むでしょ。それから気になった女のコを切り抜いてスクラップに貼る。で、担当編集がそれを見て決める、みたいな(笑)。

最近はリリーさんがネットで拾ってきた女のコから選ぶこともあるけど、いやぁ、これまでどれだけ週プレにはお世話になったかって感じです。

――そうなんですね。週プレのグラビアは最近、デジタル写真集化されることが増えましたけど、みうらさんはデジタル写真集をご覧になります?

みうら デジタルは週プレに限らず一度もないですね。俺、パソコンを使えないし、ネットも見ないんで。スマホもエロ画像をあくまで資料としてね(笑)。ただ『グラビアン〜』の編集者からDVDも写真集も出てない女のコを、たまにデジタル写真集で見せてもらうことはあるんですけど。

――見るのはやはり紙の写真集ですか。

みうら そうですね。そっちのは、卒業アルバムみたく無駄に紙質はいいし、豪華じゃないですか。それが気分を盛り上げてくれていいんですよね。普段は二ヶ月に一度は神田のエロ本街へ出かけて、大体2万円以上の大人買いをしてますから。

――2万円って、結構な金額ですよね。

みうら だから買うときは必死ですよ。写真集は高価ですからね。表紙と帯の裏にある小窓の数カットを手掛かりに、目を皿にようにしてひたすら中身を透視してます(笑)。今回の5冊も同じ「買う目線」で、表紙だけをしっかり見て選ばせてもらいました。

――表紙だけって、女のコは選択の基準にはならないんですか?

みうら もちろん顔とか体つきとかの好みはありますけど、女のコはいまや誰もが可愛いですから! そもそも「巨乳なのに腰がクビれている」女のコなんて、俺の若い頃にはSFだったし(笑)。だからやはり見るのは表紙だけです。

――表紙で一体、どんな風に選ぶんですか?

みうら 例えば神部美咲さんの『深緑のコミュニケーション』って森が写ってますよね。チェックするのはその「森」になります。そもそも森の中で水着とか下着って、実はものすごく不自然かつ異常なシチュエーションじゃないですか。キレイに撮れてるから意識しないけど、それって「投稿写真」のテイストでしょ(笑)。でも、そこに妄想が膨らむわけで。

――森で女のコに水着を着せて、よからぬことをしてるのではと。

みうら ま、脳内天国ではそうなりますね(笑)。逆に、スタジオの白ホリで撮った写真が表紙のは買わないです。そこには妄想の「も」の字もないですもん。それに周りにスタッフの影がちらつく。第三者の匂いを感じて萎えちゃうんですよね。

――スタジオだとライトが明るくてキレイだし、胸の形とかはっきりキレイに見えますよね。それはそれでよくないですか?

みうら いや、普通はそんなライトで女のコを見ることなんてないから、その分気持ちが遠のいちゃいますよね。でも、「森」は勇気と相手の承諾があれば連れ出して、女のコを見られる可能性は十分にあるわけでしょう。どちらが妄想につながるかといえば当然、後者ですよね。

――なるほど。では表紙に続いて、ページを開いた後、みうらさんが好きになる写真集はどんなものなんですか?

みうら やっぱりストーリー性があるものですね。水着姿がたくさん載ってるとか、ヌードよりもね。それは代用できるものがたくさんあるし、それこそ最近は洋服を着ている写真がたくさん載ってるほうがいやらしいと思ったりもするし。ただ脱いでるだけのものは妄想が膨らまないですから。その意味でいえば、写真集には無駄カットってのがあるでしょ。意外とあれ、効くんですよね。

――無駄カット?

みうら そう。海だけとか、山だけみたいな、女のコの写っていないカット。例えばタイトルに「OL」とか「愛人」とか書いてあっても、大概そんなの嘘に決まってるじゃないですか(笑)。でも、そこに説得力持たせて、いかに妄想につなげられるか。それは無駄カットがあるかないかで決まるんです。雑誌だとページ数が限られてるからあまり載せられないけど、写真集は高価で余裕があるから無駄カットは必要ですね。

――そう言えば以前、週プレである人気タレントをアフリカで撮影して写真集を作ったところ、現地の動物のカットを入れたら、ネットで「バカにするな」って怒られたことがありましたね。

みうら キリンやゾウでは、妄想につながらないですからね(笑)。せめてドーベルマンくらいでしょう。

――やはり目には見えない女のコの物語を、いかに妄想させてくれるかが大事だと。

みうら うん。そこに尽きますよね。結局、「このコと付き合えるのかよ?」と言われたら、そんなことは絶対にないわけで(笑)。それでも付き合う人の気持ちになって、自分と女のコの世界を増幅させてくれるのがグラビアの面白さなんだと思うんですよね。

――ちなみに、『グラビアン魂』の撮影現場に、みうらさんは立ち会うんですか?

みうら 今まで一度もないですね。被写体が男性の『グラビアン魂 オム』の時は、出てくれるのがほとんど友達なので行きますけど(笑)。普段はエスキース(下絵)を描いてシチュエーションを指示するだけ。たまに「アヘ顔みたいな表情が欲しいから、足つねって撮影してみて」って注釈を入れることはあるけど。

――女のコに会ってみたいとは思わない?

みうら そのコが自分の妄想のイメージと違った時のことを考えると、困りますよね、やっぱり......。それにいきなり「撮影現場に来た松本清張」みたいに思われないかなって(笑)。この先もずっと、妄想重視でいきたいですね。

【みうらじゅんが選ぶ「俺のデジタル! ベスト5」】


【デジタル限定】神部美咲『深緑のコミュニケーション』
撮影/小塚毅之
苔(コケ)の匂いがムワッと漂ってきそうな深い森の中での水着姿。その二人きりの「投稿写真」を連想させる表紙が、何といっても素晴らしい。中身はさらにそこから「発展」したと思われる草むらやベッドでの水着や下着カットもいっぱい。プライベートな雰囲気が漂っていていいですよね。


[週プレnet Extra]瀬山しろ『モナリザ』
撮影/薮下剛士
人生の酸いも甘いも噛み分けたようないい意味で「熟女」な目を持つナイスバディなお姉さんの写真集。特にピチピチのレオタードを着て、ふすまの前で物憂げにたたずむカットにグッときます。落ち着いた旅館なのになんだか不穏な雰囲気を漂わせる。一体、彼女は何者で、一体どんな事情があってここにいるのか。妄想をかき立ててくれますよね。


[週プレnet Extra]伊織いお『おっぱい真っ向勝負!』
撮影/西條彰仁
ものすごい巨乳のお姉さんによる一冊。胸を強調する変形水着を着たり、大きく胸の開いたワンピースを着たり。彼女は『グラビアン魂』にも出てもらったことがあって、その時、リリーさんと盛り上がったのは、果たしてこういう胸の大きな人の「乳輪」は一体どこらへんにあるのか。上か下か。サイズは大か小か。話は尽きませんでしたね。


【デジタル限定】古河由衣『愛人と海』
撮影/小塚毅之
某誌の「愛人にしたいキャラ総選挙」で一位になったというグラドルによる、不倫旅行を思わせる写真集。悩ましさ満点。ベッドで横たわってるカットとか、こんな方とおつき合いしてると今後、大変なことになるんだろうなって妄想してドキドキします。ただ、実はもっとドキドキしたのはタイトルですね。『老人と海』を思わせる文学オヤジギャグはいかがなものかと(笑)。


【デジタル限定 YJ PHOTO BOOK】真島なおみ「不思議な少女の秘密の花園」
撮影/桑島智輝
俺、ツインテールが好きなんです。ツインテールって自主的にしてる人もいるけど、「そうしてくれ」と頼んでる男の姿が裏に見え隠れしますよね。つい手が出てしまいました。あとこのコ、聞けば小さい頃からタレントやってたんですってね。まだ22歳らしいけど、いい意味でいろんなことを見てきた目をしてますよね。オヤジでも通じ合えそうな気がしてうれしくなるでしょう。

■みうらじゅん
1958年京都府生まれ イラストレーターなど。1997年「マイブーム」で新語・流行語大賞、近著に『ぐっとくる仏像 ご当地仏真正面!』(枻出版社)など多数。

取材・文/大野智己