(左から)興津和幸、杉田智和、小野大輔、小野友樹、小野賢章
(左から)興津和幸、杉田智和、小野大輔、小野友樹、小野賢章

歴代の"ジョジョ"を演じた声優陣が集結したイベント「ジョジョの奇妙な冒険 The Animation Special Event 〜ジョースター 受け継がれる魂〜」が4月4日に有料配信され、興津和幸(おきつ・かずゆき)、杉田智和、小野大輔、小野友樹、小野賢章(けんしょう)が登壇した。

荒木飛呂彦原作の『ジョジョの奇妙な冒険』は、1986年から現在まで連載が続く長寿作品。これまで原作第5部「黄金の風」までが、2012年より4シーズンにわたりTVアニメ化されている。

イベント当日の4月4日はジョナサン・ジョースターの誕生日という話題から、同役を演じた興津の呼びかけにより登壇した5人が息を合わせて「山吹色の波紋疾走(サンライトイエローオーバードライブ)」を披露。そして「ジョースタートーク」と題し、第1部「ファントムブラッド」から第5部「黄金の風」までの物語を振り返りつつクロストークが行なわれた。

「データで見るジョースター家その歴史ッ!」のコーナーでは、TVアニメで積み重ねられてきた数字にまつわるエピソードが展開。TVアニメプロジェクト発足からイベント当日まで3309日と10年近い年月が経っているが、特に声優陣を驚かせたのは、アフレコ台本に記載された「ッ」の数で、なんと9979個だったという。

原作で印象的な言葉尻の「ッ」をどう表現するのか、演じていく中でアニメスタッフの高い熱量により、追加で「ッ」を加えて雰囲気を出してほしいと要求されていたエピソードが、それぞれから語られていった。

「ジョジョに聞きたいこと」のコーナーでは、ジョセフ・ジョースター役の杉田から「小野さんへ。どの小野さんへの質問か当てて下さい」というジョーク質問が飛び出す場面も。空条承太郎(くうじょう・じょうたろう)役の小野大輔、東方仗助(ひがしかた・じょうすけ)役の小野友樹、ジョルノ・ジョバァーナ役の小野賢章と小野姓が多いことはファンも周知。小野賢章は、小野友樹が東方役に決まったと知った時にプレッシャーを感じていたと、当時の心境を吐露する場面も。

続いて歴代主人公5人のベストシーンをファン投票によって3つ選出し、1位となったシーンをステージ上で生アフレコするコーナーに。ステージ上のJOJOモニュメントに格納された黄金のアフレコ台本を手に取り、それぞれが順に演じつつ、シーンに関する思い出などを語っていった。

歴代のジョジョと宿敵であるディオの因縁が始まった第1部「ファントムブラッド」の1位は、ジョナサンの最期のシーン。ディオを抱くように死んでいったジョースターの優しさを賞賛するファンからのコメントも紹介された。

改めて演じた興津は感想を求められると、「そこに居る赤ん坊のことを想って(エリナに)一緒に逃げろと言う......、美しすぎますね。いい男ですよね、ジョナサンって」と回答し、ジョナサンの最期を想うしんみりとした雰囲気に。

そのジョナサンの孫となるジョセフ・ジョースターが活躍する第2部「戦闘潮流」からは、ジョセフの盟友であるシーザー・A・ツェペリの最期のシーンが1位に選ばれた。シリーズ屈指の名シーンが、杉田の迫真の演技によって再演されると、友を想うジョセフの叫びが会場のパシフィコ横浜 国立大ホールに震え伝わった。

ジョースター家の運命以外に、それぞれのキャラクターにも運命があると気付かされたとファンからのコメントが告げられると、瞳に光るものを浮かべつつ「ジョセフもシーザーも、初めはこんなヤツが意志を受け継いだヤツなのかと思われていたけれど、人のために自らの命をかけたのは同じだった。シャボン玉のように消えてしまったが消えないものもある」と回答。

第1部に続いてしんみりとした雰囲気となるも、最後はさながらジョセフ・ジョースターのように冗談で会場を笑いを生み出していた。

作品を象徴する能力「スタンド」が登場し、旅の要素が加わった第3部「スターダストクルセイダース」からは、宿敵・ディオとの最終決戦が1位となった。単純な力のぶつかり合いではなく、時を止め合うという頭脳戦がファンからの支持を集めることに。

小野大輔は、ジョジョの血統が集まった今回のイベント会場で演じたことで「これまでにつながってきたもの、因縁を終わらせる役目を担っていたと思えた。これからも演じる度に、成長して超えられるようにしていきたい」と語った。

架空の町・杜王町(もりおうちょう)を舞台にして物語の毛色も大幅に変わった第4部「ダイヤモンドは砕けない」からは、吉良吉影(きら・よしかげ)との最後の戦いのシーンが選ばれる。何でもない朝に住宅街の道端で学生服とスーツ姿の人が戦う最終戦があったかと、これまでのシリーズと比べても異色の展開が印象的だったというファンのコメントが発表。

演じた小野友樹も「ふと我に帰ると本当にそうですよね。ひとつの街を舞台にしたからこそ描くことができた、日常に潜む不気味さやメッセージ性を感じます」と振り返った。

ギャングスターを目指すジョルノと仲間たちを描いた第5部「黄金の風」は、チームプレイでの戦いが印象的。1位にはジョルノとチームメイトのミスタが共闘したギアッチョ戦が選ばれたが、「覚悟とは!!暗闇の荒野に!!進むべき道を切り開くことだッ!」という名言が印象的なエピソードだ。

演じた小野賢章もその名言に触れつつ「この回は名言だらけで、(原作を)読んでいる時も自分がジョルノに応援されているような勇気をもらえるセリフだと思い、覚悟が決まっている人間のカッコよさを感じました」と語っていた。

第1部から第5部を通じて、人間賛歌が描かれた『ジョジョの奇妙な冒険』。イベントの終盤、もうひとり、意志を受け継ぐものがいるとして第6部「ストーンオーシャン」のTVアニメ化が発表された。

そしてスペシャルゲストとして第6部主人公・空条徐倫(じょりーん)役のファイルーズあいが登場。5人のジョジョに迎えられてジョースター家入りを果たした。

声優を志したきっかけでもある空条徐倫を演じることになり、6つ目の黄金のアフレコ台本を手にしたファイルーズは「徐倫役が決まった時は、スタンドも月にブッ飛ぶこの衝撃っていう思いです。人生辛い時も徐倫に勇気をもらっていたので、役者として自分なりの徐倫を演じさせていただきました。その想いが伝わるとうれしいです」と涙ながらにジョジョ愛を込めて語った。

イベントでは荒木飛呂彦先生の特別メッセージ映像も披露され、富永TOMMY弘明の生歌唱による『ジョジョ〜その血の運命(さだめ)〜』によってフィナーレへ。登壇者たちの「ジョジョ立ち」によって、締めくくられた。

(©荒木飛呂彦&LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社・ジョジョの奇妙な冒険THE ANIMATION PROJECT ©LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社・ジョジョの奇妙な冒険SO製作委員会)

取材・文/加藤真大