『週刊プレイボーイ』のグラビアに登場するタレント、女優、アイドルなど、各分野で活躍する女性たち。彼女たちの記念すべき「初グラビア」にフォーカスし、撮影にまつわるエピソードや当時の想いをつづる連載シリーズ『初グラビア物語 〜My First Gravure Story〜』。

今回は女優・森 日菜美さんが登場。彼女は『週刊ヤングジャンプ』2020年29号に令和の"国民的妹"とのキャッチフレーズで初登場。白や青などの水着で、そのフレッシュな姿を披露してくれました。

中学2年生のとき、東宝芸能の「創立50周年記念オーディション」合格をきっかけに芸能界入り。スーパー戦隊シリーズ『機界戦隊ゼンカイジャー』ではフリント・ゴールドツイカー役で出演し、大きな話題に。女優としてのさらなる活躍を大いに期待される彼女。本人に初グラビアに至った経緯を聞いた。

『週刊ヤングジャンプ』2020年29号(撮影/中山雅文)より
『週刊ヤングジャンプ』2020年29号(撮影/中山雅文)より
――森さんは、2014年に開催された東宝芸能の「創立50周年記念オーディション」に合格し、中学2年生で女優として芸能界入りを果たしました。もともとオーディションを受けようと思ったきっかけは何だったんですか?

森 中学に入ったばかりの頃、ドラマ『1リットルの涙』を再放送で見たことですね。ものすごく感動してDVDも手に入れ、毎日見ていました。そうしているうち主演の沢尻エリカさんのように、自分も人を感動させる側に立ちたいと思うようになったんです。お母さんに話したところ、東宝芸能のオーディションを探し出してくれました。

――それまで芸能事務所からスカウトをされたことはなかったんですか?

森 原宿などでされたことはあります。でも正直、ピンとこなくて。本当に女優になるのなら、自分でちゃんと応募して、勝ち取りたいと思ったんです。

――すごくまっすぐな性格なんですね。オーディションはどんな感じでしたか?

森 書類選考があって、その後、確か面接を2回受けたのかな? 面接では人一倍、大きな声を意識して元気と愛嬌をアピールしました。普段は割と引っ込み思案なんですけど、いざというときは物おじしないタイプなんです。とにかく聞かれた以上のことまでなんでも話しまくりました。しゃべり過ぎかなってくらい。

数日後にお電話がかかってきて、合格をいただきました。事務所に所属する際は当時の社長に「あなたは輝く存在だから、しっかりね」と言っていただいて。嬉しくて、思わず泣いちゃいましたね。

――そのときの合格者は女性では森さんだけ。大きな期待がかけられていたわけですよね。そして翌年には映画『校庭に東風が吹いて』(2015年)に出演。晴れてデビューを果たしました。

森 まだ右も左もわからない私にお芝居の場をいただけて本当にありがたかったというか。でもそこからが大変でした。

――というと?

森 なかなか次のお仕事が決まらないんです。当時はレッスンを受けながら、たまに単発のお仕事をする程度。オーディションに行ってもまるで受からない。それが4年近く続きました。

――4年! それはじつに長いというか。

森 やっぱり努力が足りなかったし、オーディションに行っても自分を出せなかったんだと思いますけど、それにしてもまったく結果が出ない。

お仕事を始めた頃は、同じ事務所の「東宝シンデレラ」(東宝と東宝芸能が不定期で実施する新人オーディション)出身のコたちと一緒にレッスンを受けてたんですけど、そのうちの一人、また一人とテレビや映画で見かけることが増えていって。取り残される中で、「自分は一体、何をやってるんだろう」ってだんだん塞いだ気持ちになっていきました。

――その間も学校は通っていたんですよね。

森 普通の高校に通っていました。芸能活動するコは珍しく、友達もあまりいなくて。みんなで遊びに行くとか、ディズニーランドに出かけるみたいな、いわゆる女子高生らしい生活は送っていなかったです。体育祭など学校行事の思い出はありますけど、授業が終わればすぐ帰宅。ドラマの再放送を見たりして、なんとなく日々を過ごしていました。

――希望いっぱいに芸能界に飛び込んだのに、実際は思うようにいかない。一方で学校生活も楽しくなかったと。

森 芸能のお仕事はもうやめて、別の道に進もうかなと真剣に考えたこともあります。ただそんな私にもファンの方はいて。中でもSNSで私の応援アカウントを作ってくれている年下の女のコには励まされました。インスタグラムで時々メッセージを送ってくれるんです。それに元気をもらって「もう少し頑張ろう」「自分はまだやれる」って言いきかせていました。

――そんな辛い日々が続く中、風向きが変わったのは?

森 いまのマネージャーさんが就いてくれたことですね。比較的、年齢が近いんですよ。それまでずっと鬱々としていたんですけど、なんでも話せるので気持ちがすっきりして。すごく前向きになりました。

ふたりで作戦会議をしたんですけど、そのときマネージャーさんから出たアイデアのひとつが「水着ってどう?」。一瞬、ぽかんとしたけど、すぐ前向きに受け止めました。

――グラビアは見たことがあったんですか?

森 はい。吉岡里帆さん、今田美桜さんから綾瀬はるかさんまで、たくさんの女優さんがグラビアをやっていたじゃないですか。そう考えたらこれはいろんな人に自分を知ってもらうチャンスかもしれないって。あと私はアンダースローの投手になろうって決めて。

――アンダースロー? どういう意味ですか?

森 野球好きのマネージャーさんとよく話をするんですけど、野球のチームには150キロの豪速球を投げる右投手だけでなく左投げ、変化球投手、アンダースローとかいろいろなタイプがいますよね。私は東宝シンデレラたちのような正統派なやり方では結果を出せなかった。だったら別の形で自分を生かして、認めてもらおうと思ったんです。

――でも森さんの事務所って、まさにその正統派の方が多いイメージ。水着グラビアをされていた方は......いました? 要はあまり前例がないというか。そんな中で不安はなかったんですか?

森 なかったです。やるしかない。それだけでした。でも確かに上の方からは心配もされました。マネージャーさんと一緒に「絶対に結果を出します! やらせてください!」って。それでオーケーをもらいました。

――初グラビアは『週刊ヤングジャンプ』2020年29号でした。それはどんな経緯で?

森 カメラマンの中山雅文さんのおかげです。中山さんはマネージャーさんの友人を介して宣材の写真を撮っていただいたり、いろいろなアドバイスをもらいました。ヤンジャン(ヤングジャンプ)さんも中山さんに紹介してもらったんです。

――そうだったんですね。ヤンジャンの編集部へ顔見せに行かれたと思うんですが、そのときの心境は?

森 このときも人一倍、大きな声を意識して、元気と愛嬌をアピールしようって。思い切りハキハキと話しました。もちろん緊張はしましたけど、それなりに自分をアピールできた気がします。その後、正式にオファーを頂いたときは嬉しかったですね。

――まさしく森さんの芸能人生で、大きな分岐点になったというか。

森 そうですね。ただ......正直にいうと、いざ決まったらやっぱり不安はありました。それまで自分が水着になって、写真を撮られるなんて考えたことはなかったので。「私なんかが出ていいんだろうか」「みんな、どんな反応をするだろう」。いろんなことを考えてしまって。

でもその度に吉岡さんや今田さんのグラビアを何度も見返しました。「絶対に大丈夫。自分も結果を出すんだ」って。そうしたらいつの間にか覚悟が決まって、やるからには絶対いい写真にしようって思えるようになりました。撮影当日、もう迷いはなかったです。

●森 日菜美(Hinami MORI)
2001年3月30日生まれ 東京都出身
身長163㎝ 血液型=B型
趣味=水泳、スポーツ観戦
○2014年、東宝芸能創立50周年記念オーディションに合格。ドラマ、ラジオ、バラエティ、映画などに幅広く出演中。2月まで放送されていた『機界戦隊ゼンカイジャー』では、ヒロインのフリント・ゴールドツイカー役を務めた。
6月17日(金)公開予定の映画『恋は光』に春役で出演。1st写真集『もりだくさん。』(講談社)が発売中。
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取材・文/大野智己 撮影/山上徳幸