【第1位】日産 GT‐R 発売:2007年 価格:1082万8400〜1463万6600円 値引き:10万円 リセール:A+ 2007年のデビューから日産が大事に大事に進化させてきた超高性能マシン。アクセルをグッと踏み込むと、血の気が引く加速を味わえる
【第1位】日産 GT‐R 発売:2007年 価格:1082万8400〜1463万6600円 値引き:10万円 リセール:A+ 2007年のデビューから日産が大事に大事に進化させてきた超高性能マシン。アクセルをグッと踏み込むと、血の気が引く加速を味わえる

世界的な環境規制の強化で、絶滅危惧種状態なのが、純ガソリン車だ。だが、国産車には男がシビれる乗り味の純ガソリン車がたくさんある。おなじみ、モータージャーナリストの小沢コージが独断と偏見のみで絶対に乗っておきたいクルマを選んだ!

* * *

■男なら死ぬまでにGT−Rを味わえ!

小沢 つくづくトンデモない時代になってきたなぁ! テスラのEV(電気自動車)が世界中でバカ売れし、VW(フォルクスワーゲン)も電動化に舵(かじ)を切り、GM(ゼネラルモーターズ)も2035年にすべての新車を電動化すると宣言。

そして、ついにホンダが2040年に全車EVかFCV(燃料電池車)にするとブチ上げちまった。要するに100%電動化宣言をしたわけよ!

――ホンダは本気でガソリンエンジンを捨てるんですかね? 正直、そこらへんの温度感ってどうなんスか?

小沢 三部(みべ)新社長が就任会見で脱・純ガソリン車宣言をしたわけだが、会見後の質疑では「あまり特定の技術には決め打ちしない。いろいろな技術に対しても可能性を残しておくべき」とも語っているから流動的な部分はあると思うが......この宣言の威力はマジでハンパない!

――世界的にEVシフトが急加速している背景には何が?

小沢 アメリカのバイデン政権が脱炭素戦略を掲げたのはマジで大きい。実際、パリ協定にも復帰したしね。それにアメリカは、EVの覇権を狙う中国と並ぶ巨大自動車市場を持っている国だから。

――なるほど。

小沢 でも、冗談抜きにこれから先は、「俺たちはいつまでガソリンエンジンを楽しめるか?」とか「人生最後、乗らずに死ねない最高のガソリンエンジン車はどれか?」なんて考えなきゃいけなくなった。

ガソリンエンジン好きにとっては余命宣告が始まったも同然(涙)。国産車には刺激的なガソリンエンジンがたくさんあるってのに!

スカイラインGT‐R時代から続く伝統の丸形テールランプ。最新モデルはLED化されている
スカイラインGT‐R時代から続く伝統の丸形テールランプ。最新モデルはLED化されている

スピードメーターの目盛りは340キロまで刻まれている。アクセルペダルなどはアルミ製だ
スピードメーターの目盛りは340キロまで刻まれている。アクセルペダルなどはアルミ製だ

――ズバリ、今乗っておくべき、国産ガソリンエンジンはどれスか?

小沢 1位は歴代の国産車でも最強のスポーツカーである日産GT−Rよ! "究極のドライビングプレジャーの追求"を旗印に2007年にデビュー。一時は世界で最も過酷なドイツのサーキット場「ニュルブルクリンク」でポルシェ911ターボをブチ抜き、市販車世界最速になったことも! 以降、ほぼ毎年熟成を重ねてきた逸品だ。

リアにギアボックスを搭載する珍しいトランスアクスル方式のスーパー4WDスポーツで、先日も最新モデルに乗ったが、コイツはやっぱしスゲーよ! 乗り心地がさらに良くなり、ハンドリングの一体感もハンパない。しかも最新の排ガス&衝突安全もクリアしているのもポイントが高い!

エンジン出力は熟成に熟成を重ね、デビュー時は480馬力だったが、現在570馬力までアップ!
エンジン出力は熟成に熟成を重ね、デビュー時は480馬力だったが、現在570馬力までアップ!

――エンジンはどうスか?

小沢 文句ナシに最高! わずか3.8リットルのV6ツインターボで、たった6気筒のエンジンだけど職人が手組み。この燃え上がるような回転フィールはV8も顔負け。

しかも、エンジンの出力は570馬力まで進化しており、スペック的には3000万円級のスーパーカーにも匹敵するレベル。こんなガソリンエンジンは二度と出ん! 男なら死ぬまでに一度は味わうべきクルマなんだってば!

【第2位】レクサス RC F 発売:2014年 価格:1042万〜1432万円 値引き:3万円(付属品の無料サービス) リセール:A 2019年に敢行されたビッグマイチェンでスポット溶接を増やしてボディ剛性を強化。写真はカーボン製のボンネットなどを装着。パフォーマンスパッケージ専用品だ
【第2位】レクサス RC F 発売:2014年 価格:1042万〜1432万円 値引き:3万円(付属品の無料サービス) リセール:A 2019年に敢行されたビッグマイチェンでスポット溶接を増やしてボディ剛性を強化。写真はカーボン製のボンネットなどを装着。パフォーマンスパッケージ専用品だ

リアには目立ちすぎにも程があるカーボン製の固定式リアウイングがギンギンにそそり立つ!
リアには目立ちすぎにも程があるカーボン製の固定式リアウイングがギンギンにそそり立つ!

――続いて2位は?

小沢 レクサスRC Fで決まり! コイツは2014年デビューのスポーツクーペRCがベース。全長が4.7m台の扱いやすいボディに、今後の電動化時代には絶対に生まれない恐竜的な5リットルのV8DOHCを搭載! パワー&トルクは481PSに535Nmとマジで強烈。

トランスミッションは8速AT。エンジンは自然吸気の5リットルV8エンジン。481馬力を誇る
トランスミッションは8速AT。エンジンは自然吸気の5リットルV8エンジン。481馬力を誇る

このスポーツシートはパフォーマンスパッケージの専用品。表皮にはアルカンターラなどを採用
このスポーツシートはパフォーマンスパッケージの専用品。表皮にはアルカンターラなどを採用

ターボやスーパーチャージャーを使わない大排気量V8エンジンの伸びの良さは絶妙で、特に低回転から7000回転までドラマチックに伸びる。まさしく"走る大河ドラマ"よ! このエンジンを味わうためだけにRC Fを買ってもいいぞ!

【第3位】日産 フェアレディZ 発売:2008年 価格:397万9800〜651万9700円 値引き:20万円 リセール:A 50年という日本で最も長い歴史を持つスポーツカーがフェアレディZだ。FRレイアウトで、今では貴重なマニュアルミッションが選べるのもうれしい限り
【第3位】日産 フェアレディZ 発売:2008年 価格:397万9800〜651万9700円 値引き:20万円 リセール:A 50年という日本で最も長い歴史を持つスポーツカーがフェアレディZだ。FRレイアウトで、今では貴重なマニュアルミッションが選べるのもうれしい限り

――そして3位は?

小沢 日産フェアレディZ! どんなに遅くとも来年の春前には7代目が出そうだが、実は現行6代目のほうがお買い得かもしれん! 

VQ37VHR型V6エンジンは自然吸気の3.7リットルを搭載。最高出力は336馬力。加速は実に豪快
VQ37VHR型V6エンジンは自然吸気の3.7リットルを搭載。最高出力は336馬力。加速は実に豪快

ダッシュボードの中央には左からデジタル時計、電圧計、油温計の3連メーターが鎮座する
ダッシュボードの中央には左からデジタル時計、電圧計、油温計の3連メーターが鎮座する

――えっ、どういうことですか?

小沢 パワフルで伸びのある3.7リットルのV6搭載で、これまた珍しいノンターボエンジン。ターボラグのない加速はGT−R顔負けだし、それでいて397万円スタートの価格は大いに魅力。新型は間違いなく500万円前後になるだろうし、現行型はマジで買いだよ。

新型トヨタ GR86 発売:2021年秋 トヨタは4月5日、2代目となる新型GR86を世界初公開して大きな話題を呼んだ。兄弟車のBRZとは走りの味つけが異なるという
新型トヨタ GR86 発売:2021年秋 トヨタは4月5日、2代目となる新型GR86を世界初公開して大きな話題を呼んだ。兄弟車のBRZとは走りの味つけが異なるという

――次点は?

小沢 4月に世界初公開されて大きな話題を呼んだトヨタのGR86と、スバルBRZは次点としてオススメしたい。予想価格は300万円前後とバーゲンプライスになりそう。付け加えると先進安全&環境性能が充実しているのもいい。

初代は2リットルだったが、新型は2.4リットル水平対向エンジンとなり、最高出力は235馬力に
初代は2リットルだったが、新型は2.4リットル水平対向エンジンとなり、最高出力は235馬力に

メーターは7インチのTFT液晶。ボタンやスイッチ類は操作性にこだわったという
メーターは7インチのTFT液晶。ボタンやスイッチ類は操作性にこだわったという

――実車はチェック済み?

小沢 もちろん! 見た目はかなりカッコよくなっており、質感も全体的に上がっている。複数の関係者を取材したら、走りがスゴくよくなっていると。

――走りがよくなった理由は?

小沢 エンジンが2リットルから2.4リットルに排気量アップしてパワフルになっているし、骨格のプラットフォームはキャリーオーバーだが、新技術のスバルインナーフレーム構造で剛性は先代の5割増し。コレが大きいと思う。

スバル BRZ 発売:2021年夏 初代同様、トヨタとスバルが共同で開発したFRスポーツカー。スバル版のBRZは「究極のFRピュアスポーツカー」を目指している
スバル BRZ 発売:2021年夏 初代同様、トヨタとスバルが共同で開発したFRスポーツカー。スバル版のBRZは「究極のFRピュアスポーツカー」を目指している

フロントフェンダー、ルーフなどにアルミを採用するなど軽量化に取り組んだ。空力効果も追求したそうだ
フロントフェンダー、ルーフなどにアルミを採用するなど軽量化に取り組んだ。空力効果も追求したそうだ

――ほかにも理由が?

小沢 急速に進む世界的な環境規制を考えると、スバル自慢の水平対向エンジンだって、いつまで味わえるかわからんよ。そういう意味も含め、この2代目GR86&BRZは絶対乗って損ナシ!

●小沢コージ 
自動車ジャーナリスト。TBSラジオ『週刊自動車批評 小沢コージのCARグルメ』(毎週土曜17時50分〜)。YouTubeチャンネル『KozziTV』。著書に共著『最高の顧客が集まるブランド戦略』(幻冬舎)など。日本&世界カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

撮影/本田雄士 三浦孝明