人の死は不意に訪れる。年老いた両親ならなおさらだ。その死を悲しむ間もなく直面するのが、相続問題だ。

直接的に金銭が絡むため泥沼化することも 。〝リアルガチ〟な相続トラブルを専門家の解説と共に見ていこう。

【トラブルケース】祖父名義の土地で損する羽目に!

父親の死後、父のものだと思っていた土地が、実は死んだ祖父の名義だったと判明。

父には亡くなっている弟もおり、その奥さんを探す羽目に。結局、労力や費用など考えて、その土地の相続は諦めた。

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「地方の農家など、土地の相続手続きをせず、そのままになっていることはよくあります」と話すのは、『トラブル事例で学ぶ 失敗しない相続対策』(近代セールス社)の著者・吉澤諭氏。

そして、その土地を相続する場合、やっかいなことになるそう。

「その場合、関係する人全員の了承を得て実印をもらわない限り手続きが進みません。そのためだけに海外にまで飛んだ人もいます」

土地に関しては空き家対策でできた「相続登記の義務化」が2024年に施行されるため、今後のトラブルは減る可能性があるが......。

「問題なのは、あまりにも親の資産を知らない人が多いこと。実家の一軒家の土地が借地だということすら、相続で知ったという人もいます。

土地以外でも故人の預金口座が相続後に見つかれば、その相続の話し合いも必要ですし、修正申告の手間もある。株などは発覚までに元本割れしてしまい損することもあります」

個人間の借金など、債務の存在を後から知ることもあるが、遺産の名義変更を行なったり、使ってしまった後の相続放棄は原則的に認められていないため注意が必要だ。

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取材・文/鯨井隆正