【注目1】トヨタ プリウス トヨタは、22年11月16日に7年ぶりにフルチェンした5代目プリウスを世界初公開。今後は日本を皮切りに、順次グローバル展開していくという
【注目1】トヨタ プリウス トヨタは、22年11月16日に7年ぶりにフルチェンした5代目プリウスを世界初公開。今後は日本を皮切りに、順次グローバル展開していくという

国産&輸入車の中で、今年注目を集めるクルマとは? そして、気になる新車の納期はどうなる? カーライフジャーナリストの渡辺陽一郎(わたなべ・よういちろう)氏が足で稼ぎまくった鮮度抜群の情報を基に、ギガ盛り解説する!!

* * *

■5代目プリウスの全貌に迫る

――今回は今年話題を集めそうな新車の情報を中心にお届けしようと思います。ズバリ、目玉はどれ?

渡辺 7年ぶりの刷新で5代目となったトヨタのプリウスでしょうね。2022年12月末からHEV(ハイブリッド)の先行予約がスタートし、今年1月10日に発売となりました。価格は275万〜392万円。ちなみにPHEV(プラグインハイブリッド)は今年春の発売予定です。

――それにしても新型プリウスは見た目が激変しました。

渡辺 世界的にも評価が高いデザインに磨き上げられましたよね。歴代のプリウスはずんぐりむっくりした見た目でしたが、5代目は非常に洗練された印象です。

――激変のワケは?

渡辺 初代モデルは1997年に世界初の量販HEVとして発売されました。プリウスは世界累計約505万台を誇りますが、近年はトヨタ車の大半にHEVが用意されたため、HEV専用車であるプリウスは売り上げを減らしました。

21年のプリウスの新車販売は月平均4000台でした。最盛期だった年は月平均で2万6000台を売っていましたから、単純に6分の1以下にまで落ち込んだ。まぁ、プリウスの役目はHEVの普及ですから、トヨタ車の大半にHEVが設定された今、その使命を終えたとも言えますね。

――ふむふむ。

渡辺 とはいえ、プリウスはトヨタ自慢の世界戦略車で、車名の認知度も高い。そこで今後も存続させる判断を下しました。

HEVは燃費や環境性能が魅力ですが、一方でモーター駆動なので瞬発力もある。そこで新型プリウスは燃費の向上だけでなく、HEVならではの滑らかでスポーティな走りを徹底追求しています。

5ドアクーペ風の見た目も、HEVが備えるエコとは違うスポーティさや先進性を表現したのでしょう。いずれにせよ、一世を風靡(ふうび)したプリウスが最盛期の販売台数を取り戻せるのか見ものです。

――新型プリウスの納期は?

渡辺 販売店に聞くと、現段階では「未定」とのことですが、「すでに新型の購入を希望するお客さまは多く、納期が1年を超え、早々に受注停止に至る可能性も」と危惧する声が飛んでいます。またPHEVは今年3月頃に受注を開始するという話もあり、購入を考えている人は早めに商談を開始すべきかと。

――今年のクルマ業界全体の納期を予想すると?

渡辺 モデルにもよりますが、短くても4ヵ月から6ヵ月、長いと1年以上です。今年も半導体を含む各種パーツの入荷遅延が一気に解消するという声は、どの自動車メーカーからも聞こえてきません。

――納期を早める秘策は?

渡辺 車種によっては、オプション装備のカーナビが、クルマ以上の生産遅延に陥っていることがあります。このような〝ナビ待ち〟が起きている場合は、先にクルマを納車し、ナビを後から装着すると納期を短縮できます。

――ほかにも納期に関する耳よりな情報があるとか?

渡辺 これも車種によりますが、半導体の採用数が少ないこともあり、軽自動車の納期は3ヵ月から6ヵ月程度と短め。一部モデルには在庫車も。ただ、直近では遅延する傾向も強まっているようで、購入時は販売店に要確認です。

■EV、SUV、軽自動車の注目は?

――22年は〝ニッポンEV元年〟と呼ばれていました。

渡辺 そんな22年の日本カー・オブ・ザ・イヤーに輝いたのが、日産と三菱が共同開発した軽EVのサクラとeKクロスEVです。22年6月発売ながらこの2台は合計で4万台以上を売りました。

サクラは10月に受注を停止していましたが、年末に受注が再開し、さらに補助金も延長になったので今年は受注が殺到するかもしれません。

【注目2】アウディ Q4 e-tron 22年11月17日に日本で発売となった、アウディ初となるコンパクトSUVタイプのEV。すでに受注数は2000台を突破。価格599万〜689万円
【注目2】アウディ Q4 e-tron 22年11月17日に日本で発売となった、アウディ初となるコンパクトSUVタイプのEV。すでに受注数は2000台を突破。価格599万〜689万円

――今年のEVの売れ行きはどうなりそう?

渡辺 実は日本市場における輸入EVの販売が絶好調なんです。22年11月17日にアウディのQ4 e-tron(イートロン)が日本で販売を開始しましたが、けっこうなお値段にもかかわらず受注が殺到しています。ちなみにこのモデルはEV専用のプラットフォームを採用する、アウディ初のコンパクトサイズのEVです。

また、1月31日には中国BYDがATTO3(アツトスリー)を発売します。今年もEVからは目が離せませんよ。

【注目3】ダイハツ タントカスタム 22年10月にダイハツは軽スーパーハイトワゴンのタントを大幅に改良。特に手を加えられたのがタントカスタムの顔面。イカチー
【注目3】ダイハツ タントカスタム 22年10月にダイハツは軽スーパーハイトワゴンのタントを大幅に改良。特に手を加えられたのがタントカスタムの顔面。イカチー

――ちなみに現在、日本市場での売れ筋は軽自動車とSUVです。注目車は?

渡辺 軽自動車は、22年10月にマイナーチェンジしたダイハツのタントですね。発売から1ヵ月で月販目標の4倍となる約5万台の受注を達成し、絶対王者として新車販売のトップに君臨するホンダのN-BOXに肉薄中です。

販売好調の理由をダイハツの商品企画担当者に聞くと、マイチェン前は外観、特にフロントマスクのアピールが弱かったと。

インテリアはブラックを基調としながら深みのあるブルーも配色するなど磨き込まれた。タントカスタムの価格は178万2000〜199万1000円
インテリアはブラックを基調としながら深みのあるブルーも配色するなど磨き込まれた。タントカスタムの価格は178万2000〜199万1000円

――ほおほお。

渡辺 そこで、今回のマイチェンで、販売の55%を占めるタントカスタムのフロントマスクを上質かつ高級感のある押し出しの強いデザインに変更。さらにSUV風のファンクロスを追加したのも功を奏したようですね。

【注目4】三菱自動車 デリカミニ 22年11月4日に先行発表されたデリカミニは話題沸騰。1月13日から開催の「東京オートサロン2023」に出展されるという。チョー期待!!
【注目4】三菱自動車 デリカミニ 22年11月4日に先行発表されたデリカミニは話題沸騰。1月13日から開催の「東京オートサロン2023」に出展されるという。チョー期待!!

――ほかに今年注目すべき軽の新型は?

渡辺 今年初夏発売予定の三菱の軽、デリカミニですね。販売店には大きな反響が届いているそうです。

【注目5】ホンダ ZR-V ZR-Vのベースになっているのは現行シビック。すでに先行予約が始まっており受注は好調のようだ。価格294万9100〜411万9500円
【注目5】ホンダ ZR-V ZR-Vのベースになっているのは現行シビック。すでに先行予約が始まっており受注は好調のようだ。価格294万9100〜411万9500円

――続いてSUVの展望は?

渡辺 4月21日に販売開始となるホンダのミドルサイズSUVの新型ZR-Vは販売激戦区に投入される注目の一台。エンジンは2リットルのHEVと1.5リットルターボを用意。

ただ、ZR-Vのフロントマスクは個性的ですが、ボディの基本スタイルはオーソドックスで、ライバルと比べるとコンパクトに見えてしまう。そこが評価の分かれ目かと。

――注目の新型はまだある?

渡辺 上級ミニバンとして大人気のトヨタのアルファードがフルモデルチェンジを実施する可能性が高いです。同じくトヨタからクラウンのエステート/スポーツ/セダンが登場予定です。

さらにスバルはインプレッサ、スズキはスイフト、ダイハツはムーヴをフルモデルチェンジ予定。まだ詳しく言えませんが、今年はクルマ好きに喜ばれる新型も続々登場しますよ!

●渡辺陽一郎(わたなべ・よういちろう) 
カーライフジャーナリスト。自動車専門誌『月刊くるま選び』(アポロ出版)の編集長を10年務める。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

写真提供/トヨタ自動車 アウディジャパン ダイハツ工業 三菱自動車 本田技研工業