今季のCLについて語った宮澤ミシェル氏
今季のCLについて語った宮澤ミシェル氏
サッカー解説者・宮澤ミシェル氏の連載コラム『フットボールグルマン』第190回。

現役時代、Jリーグ創設期にジェフ市原(現在のジェフ千葉)でプレー、日本代表に招集されるなど日本サッカーの発展をつぶさに見てきた生き証人がこれまで経験したこと、現地で取材してきたインパクト大のエピソードを踏まえ、独自視点でサッカーシーンを語る――。

今回のテーマは、チャンピオンズ・リーグについて。いよいよラウンド16も始まり盛り上がりを見せる今季のチャンピオンズ・リーグ。ラウンド16の1stレグを終えての印象を宮澤ミシェルが語った。

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チャンピオンズリーグのラウンド16が、いよいよ幕を開けたね。今シーズンはWOWOWがCL決勝トーナメント全29試合を中継することになっていて、私も解説として携われるから、とても楽しみなんだ。

決勝トーナメント1回戦は2月17・18日と2月24・25日に1stレグが行なわれ、3月10・11日と17・18日の2ndレグの結果でベスト8進出のチームが決まる。

1stレグを見た印象だと、昨季優勝のバイエルン・ミュンヘンが今シーズンも中心になるんじゃないかという気がしているよ。

1回戦はラツィオの本拠地に乗り込んで4−1で勝利。ボール支配率はバイエルンが57%と押し込んだけど、シュート数ではラツィオ14本に対して、バイエルンは13本とほぼ互角だった。

だけど、開始9分にロベルト・レバンドスキが先制ゴールを奪ったバイエルンは、試合序盤に決めるべき人が決めたことで流れをつかみ、2点目で17歳のジャマル・ムシアラがクラブ最年少得点記録となる一撃を見舞ったことで完全に勢いに乗ったよな。

CLのアウェーゴールは2倍換算だから、バイエルンは実質的には8−1で勝利したようなもの。下駄を履くまで何が起きるかわからないのが勝負事とはいえ、さすがにこれはひっくり返されないはずだよ。

このバイエルンとともに本命視しているのがマンチェスター・シティ。アウェイでボルシアMGに2−0で危なげなく勝利した。ベルナルド・シルバ、ガブリエウ・ジェズスと、こちらも取るべき人がきっちりゴールを決めた。

シティは攻撃力もさることながら、守備がいいんだよな。ボルシアMG戦だけでなく、首位を走るプレミアリーグでもボール支配率が高いんだけど、失点が少ない理由はそれだけじゃなくて、相手のカウンター攻撃に対しての強さがある。

トーナメント勝負の場合、やっぱり勝ち抜くためのベースとなるのは守備力だからね。昨季まで3年連続でベスト8止まりだったけど、今シーズンはその壁を超えてくるんじゃないか。

バルセロナはカンプ・ノウでパリ・サンジェルマンに1−4の完敗。PKをメッシが決めて先制したものの、ムバッペにハットトリックを決められては勝てるわけがないよな。

両チームの対戦といえば、16−17シーズンの決勝T1回戦ではバルセロナが初戦を0−4で落としながらも、2ndレグでは6−1で勝利して、トータルスコア6−5の大逆転を演じた。ただ、あの時とはメッシも含めて状態が違うからね。

いまのバルサに敵地で大量点を奪って勝つことを期待するのは難しいと思う。ここでバルサにおけるメッシ時代は終わりを告げることになる気がしているよ。

スペイン勢でいうと、期待しているアトレティコ・マドリードがチェルシーとの初戦を0−1で落とした。要因のひとつには、新型コロナの影響で本拠地で戦えなかったことがあると思うよ。

スペインが敷くイギリスからの渡航制限によって、チェルシーはスペイン入国ができない。そのためアトレティコはルーマニアのブカレストにあるスタジアムで戦ったけど、11−12シーズンにELを制覇した時の決勝戦のスタジアムは、今回は微笑んでくれなかったな。

まあ、アトレティコはCL1回戦の前くらいから大不振に陥っていてチーム状態が悪かったからね。でも、2ndレグはチェルシーの本拠地だけど期待しているんだ。

なんせディエゴ・シメオネ監督はプレミア勢に滅法強いからね。去年もあの強かったリヴァプールを沈めたしな。ラ・リーガでメッシと得点王争いをしているルイス・スアレスが爆発するんじゃないか。

それと、バイエルンに大敗したラツィオは別としても、ユヴェントスはアウェーでポルトに1−2で敗れ、アタランタもホームでレアル・マドリードに0−1で敗戦。ユヴェントスはアウェーゴールを決めているから勝ち抜きの可能性は十分。イタリア勢が1チームもラウンド8に進まないなんてのは寂しすぎるから、2ndレグはイタリア勢にも注目しているよ。

始まったと思っていると、あっという間に決勝まで進んでいくチャンピオンズリーグ決勝トーナメント。ここから今シーズンのクライマックスに向かって欧州サッカーは加速していくから、振り切られないようにしっかり食らいついていきましょうね!

構成/津金壱郎 撮影/山本雷太