痩せたい。
体重を落としたい。

ダイエットの方法としてまず頭に浮かぶのは、カロリー制限や運動など。特に「摂取カロリーより消費カロリーが多ければ痩せる」という説は、なんとなく説得力があり、痩せるための「唯一絶対の真理」のように考えられている。しかし、これは本当なのだろうか?

『運動ゼロ空腹ゼロでもみるみる痩せる ガチ速“脂"ダイエット』(扶桑社刊)は、巷にはびこるダイエットにまつわる言説のウソを明らかにし、国内外の数々の研究や論文から、より健康的で、より効果的なダイエット法を導き出す。

一読して目につくのは「断糖高脂質食」「旧石器時代」など、見慣れない単語の数々。これらのワードはどうダイエットと結びつくのか。今回は著者であり、自身も2カ月で30キロの減量に成功した金森重樹さんにお話をうかがった。その後編をお届けする。

■ダイエットの新しいキーワード「断糖高脂質」の実践ポイント

――「断糖高脂質食」に切り替えると、どんな人でも減量できるのでしょうか。

金森:まず知っておくべきは、「食べた脂質がそのまま体脂肪としてつくわけではない」ということです。太る原因は脂肪ではないんです。

じゃあ、何が体脂肪になるかというと、糖なんですよ。食べた糖がインスリンのはたらきで体脂肪に変わるわけです。だから、痩せたいならまず摂取する糖を0にして、高脂質食に切り替える。これが基本になります。

ただ、これだけでは痩せない人もいるはずです。そういう人は体内でエネルギーの代謝がうまく回っていないんです。これは栄養不足に原因があって、過去に断食やダイエットをやっていた人に多いようです。

ビタミンB1やB2、B6、B12といったビタミンB群やビタミンC、ナイアシン、鉄、マグネシウムの一つでも欠けると、代謝がうまく回らずに太る原因になります。これらの栄養素は、「旧石器時代」の食事では完全に満ち足りていたものなのですが、現代の食生活では不足してしまうことも多い。だから、「断糖高脂質食」で痩せないという人は、サプリメントでこれらの栄養素を補う必要があります。

――「断糖高脂質食」に加えてサプリメントも必要なケースがあるんですね。

金森:それでも痩せない人は、おそらく体内の「オメガバランス」の調整ができていないのではないかと思います。

オメガバランスというのは体内の脂肪酸組成の中の「オメガ6」と「オメガ3」のバランスのことを指すのですが、骨髄主食だった旧石器時代は両者の割合が「1:1」で同じくらいでした。ただ、肉を食べていると「6:1」くらいでオメガ6が勝ってしまう。これも痩せない原因になります。

じゃあどうすればオメガ3とバランスが取れるかというと、カギになるのは魚の脂です。魚の脂に含まれるDHAやEPAを摂ることでオメガ6とのバランスをとることが必要なんです。

――また、断糖高脂質食に加えて「1日1.5食」を提唱されています。「1日3食」というのがなかば常識な中で、かなり異色なように見えます。

金森:そんなことはないですよ。同じ量でも、1日3回に分けて食べるのと、1回でドカ食いするんだったら、ドカ食いする方が圧倒的に健康で、体重も落ちやすいです。

インスリン抵抗性というものがあって、1日3食食べたり間食したりすると、だらだら1日中インスリンが出ている状態になって、インスリンが効きにくくなるんですね。これは肥満の原因にもなりますし、糖尿病にもなりやすい。

この本で提唱している1日1.5食は、たんぱく質を1日1回たべて、残りの0.5回は飲み物や脂質を摂取します。そうすると、食事と食事の間が空くので、インスリンが出ない時間を作れるんです。そうするとインスリン抵抗性はつきません。

――そのほかに1.5食生活のポイントはありますか?

金森:今お話しした「0.5回」の部分ですね。私はMCTオイルを入れた紅茶を摂るようにしているのですが、そうするとレプチンという満腹ホルモンが出るので、お腹が空かないんです。これは試してみていただきたいですね。

コーヒーでもいいのですが、コーヒーって意外と糖分が多くて、ブラックであっても紅茶の7倍あるので、断糖するなら断然紅茶です。

あとは、たんぱく質を摂る時、肉にコショウをかけたくなりますが、コショウもかなり糖分が多いので要注意です。だからステーキとコーヒーの組み合わせって太りやすいんですよ。

――「運動ゼロでも痩せる」とあります。運動はダイエットには必須なものだと思っていましたが、そんなことはないのでしょうか?

金森:旧石器時代にサバンナで暮らしていた頃の人間が運動するなんて、通常の狩猟採集以外は食肉目に追いかけられた時だけですよ。それを考えると、運動をするのは人の摂理に反するものです。運動しないと痩せないなどということはないですし、運動したから痩せるということもないですよ。運動したら当然お腹が空きますし、お腹が空いたら普段より余計に食べてしまう。それは痩せませんよね。

運動に限らず、この本では、旧石器時代の人間が置かれていた頃にやっていたことや食べていたものに反するものはできるだけ直すことを提唱しています。

――最後に、本書の内容を踏まえて「痩せたいのになかなか痩せられない人」「ダイエットが続かない人」にメッセージをお願いいたします。

金森:本当に痩せたいなら、テレビの健康番組なんて見ないで、「Google Scholar」で論文の一つでも読んで栄養の勉強でもしたほうがいいです。

これまでに刷り込まれてきた思い込みを捨てて、サプリメントを使って代謝しやすい体を作り、オメガバランスを調整して、食事を変えて、という、この本で紹介しているやり方を試してみていただきたいです。理屈さえわかれば僕がそうであるように365日外食でも痩せますから。

(新刊JP編集部)

金森重樹
東京大学法学部卒。企業グループオーナー。テレビで紹介されていたのをきっかけに、ふるさと納税の魅力に開眼。2014年度は200件以上、300万円以上をふるさと納税し、 食生活のすべてをまかなう「ふるさと納税の達人」。「徹底して理詰めで事に当たる」のがモットーで、長寿やダイエットに関心を持ち、わずか2か月で90kg→60kgの減量に成功。その理論の根幹を成す「断糖高脂質食」をはじめ、栄養学や文化人類学にまで領域を広め、「脂で痩せる」という独自メソッドのブラッシュアップに余念がない。