災害が起きたらペットをどこに避難させるか――。犬のための「動物避難所」を立ち上げる準備が、岐阜市内で進んでいる。飼い主には、日ごろのしつけや避難先を確保しておくなどの備えが求められるという。

 1月下旬。岐阜県岐阜市岩地2丁目にあるNPO法人「人と動物の共生センター」の事務所で、動物避難所を立ち上げる訓練があった。

「この後、電気も水も止まります」

 関係者や地域住民ら約20人が参加し、事務所が停電、断水した想定で、室内にランプをともした。

 倉庫から犬のケージを出して並べたり、受付に書類を用意して、飼い犬の餌やワクチン接種の状況を飼い主に書いてもらったり。訓練は昨夏に続いて2回目で、マニュアルに沿って手順を確かめた。

 飼い犬を連れて参加した地域の男性(64)は「うちの犬はケージの中で過ごすことに慣れていない。預けられる訓練をしておかないといけない」と話した。

 事務所は普段から犬のしつけ教室やペットホテルなどを開いており、災害時は犬のための動物避難所にする。最長で2カ月間、40頭を受け入れる予定だ。訓練には県外の住民も参加し、災害時は互いに助け合いたいという。

 同センターは今後、飼い主が事前登録する仕組みも検討する。飼い主には親類や知人宅など、ほかの預け先を探す努力もしてもらいたいという。奥田順之理事長(34)は「住み慣れた環境で過ごせるように、自宅の防災対策を進めることも大切。飼い主に災害時の選択肢を増やしておいてもらいたい」と話す。

ペットの迷子対策や、愛犬のしつけも大切

 狂犬病予防法に基づく県内の犬の登録数は、2018年度に12万2651頭。災害に備えて県はペットを対象にした「県被災動物救援計画」を作り、飼い主や獣医師会、市町村などの日ごろの役割を示している。

 県生活衛生課の担当者は「災害時はペットが迷子になるかもしれない。迷子札やマイクロチップを装着してほしい」と話す。犬の場合は、「待て」「お座り」「伏せ」などの基本的なしつけをするほか、ケージを嫌がったり、人を怖がったりしないようにしておくことも大切だという。
(高木文子)