ねこ

 1匹飼いの猫がシニアになり、あまり動かなくなると「仲間がいたら遊ぶかな」と思うことがあります。また、この先「猫が(年をとって)いなくなったらどうしよう」と不安になることも。私は3年前、両方の気持ちから、当時14歳のシニア猫の元に子猫を1匹だけ迎えました。昨年、sippo編集部のフクハラさん宅では11歳の猫のもとに子猫を2匹迎えたというので、話を聞き、ひとりっこシニア猫と新入り猫の数について、考えてみました。

(末尾に写真特集があります)

仲の良い姿に癒やされて

 17歳になった我が家のシニア猫イヌオは、近頃、食べる量が少し減ってきました。前より小さくなってきた体に、14歳下のはっぴー(愛称ふまたん)がよく寄り添っています。

「任せておけ、オレが守るから」という声が聞こえてきそうで、頼もしいです。

くっつく2匹の猫

 3年前の我が家の2匹は、600gと6㎏の体の差。今は6㎏と4㎏半。体の大きさが逆転しただけでなく、関係も変わりました。母子のような関係が、いつしか年の差のカップルのように。仲よい姿を見ていると癒やされます。

昔は1対1でシャーの応酬

「最初から仲良かったの?」とよく聞かれますが、出会った初日は“シャー(威嚇)”の応酬でした。先にイヌオが威嚇して、ケージ越しにはっぴーがシャー。イヌオが浴室にとじこもったので、ごはんを運んであげた記憶があります。

 でも3日もするとイヌオの方から近づいて、はっぴーのいるケージの前に転がり、シッポをぱたぱた振って遊ばせたのです。様子を見つつ、1週間後にケージから出しました。

「え、そばに行っていいの?どうしよう」とはっぴーがイヌオの周りをうろうろしていたので、ぽん、とイヌオの脇に置いてみました。すると、はっぴーはイヌオのおなかの匂いをくんくん。おっぱいを探すそぶりをみせ、お互いにシャーもせず、認めあったのでした。

2匹の猫

 イヌオは性質がマイルドで、メスで母性もあり、なじみも早かったのかと思います。

 箱入り熟女のイヌオは、若い男子を迎えて明らかに活性化。歩く速さも軽やかに。でもその後が大変!はっぴーは夜中でも走り回り、一緒に遊びたくてイヌオを起こすのです。数値などに変化はありませんでしたが、疲れたのか、イヌオの毛が少しはげました。

「子猫を2匹で迎えていたら子猫同士で遊んだかな。イヌオに負担もかからなかったかな」そんなことを思ったものでした。でも当時、それはかなわなかったこと。

 はっぴーは4きょうだいで、兄猫は先住猫のいる家に1匹でもらわれ、姉妹猫は2匹一緒に別の家にもらわれました。私が譲渡会ではっぴーを初めて見た時、すでにきょうだいの行く先が決まっていて、“2匹一緒に”という選択肢はなかったのです、

「はっぴーの遊び相手にどこかからもう1匹、子猫をもらうのはどうか」と後日はっぴーの保護主に相談したこともじつはあるのですが、「はっぴーともイヌオとも相性が合わなかったら?一人暮しで3匹は大変だし……」と言われ、それもそうだと思い直しました。

女の子猫を2匹一緒に

 sippo編集部のフクハラさんから、「子猫を2匹迎えた」と聞いたのは、昨年5月後半でした。フクハラ家には11歳の“箱入りひとり息子”らんくんがいます。そこにチビちゃんが2匹も来たと聞いて、がぜん興味を持ち、様子を教えてもらいました。

迎えたきっかけは?

「家族みんな猫好きで、“もう1匹迎えたいね”と少し前から話していたんです。らんくんがあんまりおじいちゃんになってからだと、新たに迎えるのは可哀想だし、おじさん猫が若い女の子の猫と一緒に暮らすと若返るというでしょ(笑)。コロナの自粛期、保護猫カフェのねこかつに相談し、写真で見ていたお目当ての子猫に会いにいきました」

2匹の子猫

 沖縄野良猫TNRプロジェクトとして東京に来た猫家族のうち、キジ白とユニークな模様の姉妹。「どちらか1匹」のつもりが、家族の好みが分かれて、またねこかつの代表梅田さんに『2匹一緒だと遊びますよ』といわれて、じゃあ2匹でトライアルということに。

 沖縄のシーサーからしい、さあと名付けた2匹。肝心のらんくんの反応が気になります。

「『聞いてないよ』という感じで、“シャー”をしました。シャーを聞くのは11年で初めて。ケージを用意して、僕らがいる時にだけ子猫をリビングに出したけど、3日目にらんくんが下痢をして、ストレスもあるかなということで、病院で抗生剤や整腸剤をもらいました」

 その後もらんくんは、子猫がそばに近寄ろうとすると、シャーを繰り返したしたそう。

らんくんの声に異変

 10日ほどすると、らんくんの声がかすれてきました。食欲も減って水も飲まず、やがて声も鳴こうとするのに聞こえなくなり、また病院に。何と、慣れないシャーのしすぎで「のどを酷使した可能性がある」というので、炎症を抑える薬をあげたそうです。

 らんくんには腸の持病がありましたが、のどの炎症を抑える薬と同じなので、少し量を増やしてあげたら、声がまた出るようになったといいます。

 フクハラさんいわく「らんくんは豆腐メンタル」。特にデリケートな男子だったようですが、先住猫の声が出なくなった例を聞くのは、私も初めてでした。

モリモリ元気な子猫たち

 フクハラさん自身、久々に子猫と生活して、その圧倒的なエネルギーに驚いたようです。

「しいちゃんも、さあちゃんも、モリモリ食べて、モリモリうんこする。オレは家のうんこの全責任をおっていたので大変でした(笑)。とにかく子猫は天真爛漫で超元気。身体能力がすごくて走り回って、キッチンに乗って。子猫が2匹だと2倍のエネルギーなので……」

 とはいえ、2匹同時にらんくんに突進していくようなことはなく、2匹できゃぴきゃぴ遊ぶ姿を、「げ、元気だな」と、らんくんはぼうぜんと見ていたようです。

 子猫たちは常に一緒。もともと仲のよい姉妹だし、新環境で自然とくっついたのですね。

 昨年8月(迎えて3カ月頃)には“仲良し3匹”の写真が初めて撮れたそうで、その後もインスタに、時々3ショットが登場しています。

3匹の猫

 らんくんは、2匹を離れて見る→2匹がセットで家にいるんだと慣れていく→自分のペースで2匹と距離を縮めていった、のでしょう。

 近頃のらんくんは?

「今も時々2匹にシャーするし、攻撃をしかけることも。でもシスターズのことはもちろん認めていると思う。結果的に“らんくんにとってよかった”と思えたらいいなあ……」

結局どちらを迎えても

 迎えるなら1匹か2匹か。これはタイミングやご縁、家族構成などにも関係するでしょう。

 迎えるのが2匹だと最初のにぎやかさは倍かもしれないけど、子猫同士で遊べば、先住の負担は確かに軽いのかもしれません。

 とはいうものの、1匹で子猫を迎えると、先住猫にダイレクトに向かっていくだけでなく、人間にもダイレクトに甘えることがあるのかもしれません。うちではそうでした。

 はっぴーはイヌオ以上に私を“母親代わり”とし、3歳の今も抱きついて指しゃぶりをします。もしきょうだいで迎えていたら、見られなかった光景なの“かも“しれません。

 とにかく、新たな子が来て戸惑うのは、当たり前の反応なのです。1匹、2匹、どちらを迎えるにしてもまずは先住猫を優先し、慎重に、見守っていくことが大事なのでしょう。

 我が家では3年の間にイヌオの老いがゆるゆる進みましたが、年下ボーイフレンドのはっぴーの支えもあり、顔が年齢より若々しいといわれます。迎えてよかった、と心から思います。

 しいちゃんもさあちゃんも、まだ1歳足らず。らんくんが高齢化するのもこれから。

 らんくんがこの先どちらかとすごく親しくなったり、2匹の年下ガールフレンドに世話をかいがいしくされたりと、うれしい変化が次々見られるかもしれないですね。

 3匹の幸せを、遠くから見守りたいと思います。