この日は何か様子がおかしい。と猫たちは察したように、1匹はキャットタワーに隠れ、もう1匹はベッドの下に籠城と。さてどうしたものか、お話しながら気長に待つことにしましょう。

(末尾に写真特集があります)

多頭は予想外! 愛護団体にレスキュー

 普段から「どこかに猫が落ちていないかなぁ」と歩いていたという猫好きの小島直子さん(46歳・東京都在住)。聞けば、友人の「子猫を保護した」とのSNS投稿に何度も触発され、自分でもその機会をうかがっていたというのです。

キジ白猫「ティム」

 そして昨年5月、通勤途中の商店街で親子猫を発見するのでした。そこにたまたま居合わせたご近所のおばあさんと「可愛いねぇ」としばしの談笑。そこから、このまま何もせずに放っておくと増えるよねーと、二人の意見が一致しました。

 実はこちらの商店街では過去に猫の愛護団体に協力を要請し、TNRを行った経緯があったとか。多頭はさすがに対処できない!と思った小島さんは商店街の方から当時の愛護団体の連絡先を聞き、自ら要請することに。

 猫を保護するにあたり、「譲渡先が決まっている」ことが団体の条件でしたが、すぐに小島さんの呼びかけに反応した友人・知人の4名の引き取り候補者が集まり、協力を得ることができ、6月に保護することに成功するのです。

キジ白猫「姫」

出戻り、そして自ら受け入れることに

「ティム」(オス)と「姫」(メス・10カ月)の兄妹猫の捕獲には小島さんも同行しました。その後、保護団体のシェルターで健康チェックをし、ティムともう一匹の兄弟猫はそれぞれトライアルに、姫は大部屋で慣れさせてから譲渡希望者の見学がスタートしました。

 2匹は別々の家でトライアルに行くも、ティムは先住猫とうまくいかず、人間にも噛み付くなど凶暴化。姫は昼はシャーシャー、夜は夜鳴きが治らず、初めて猫と暮らす男性希望者には荷が重かったようで、結局出戻りし、2匹は再会。

 そして、このまま2匹一緒にいた方がいいのではないか?と、直子さん自らが飼い主になることを決意し、すぐにペット可の物件を探し始めました。

キジ白猫「ティム」

 2匹のシャーシャー期や、姫の想像を超えた破壊力抜群の夜鳴きから同居が始まり、ストレスからかティムは胃腸炎で入院し、あとを追うように姫も体調を崩したのが昨年12月のこと。

 下痢や食欲不振が続き、ごはんを色々と試した牽制期を挟み、猫じゃらしでの遊び期を経て、今年、ついにティムが触らせてくれるようになったと小島さんの喜びもひとしおです。つま先歩き程度の一歩ずつで、お互いの信頼関係を築いて来た軌跡がここに。

キジ白猫「ティム」と「姫」

 ちょっとの進歩を喜び、膝のりや抱っこは後のお楽しみに。例えそれが叶わなくとも、猫は見ているだけで満足な存在だと小島さんは知り、「自分の考えを押し付けてはいけない」ことを学びました。

 今はオンライン会議中の画面に猫が登場するハプニングにも憧れつつ、彼らが自然とやってくるその日を信じて。

ティムと姫のInstagram:
@chibichankikichan
撮影テクニックの説明
テクニック1〜4【キャットウォークでまとめる】
いつもとは違う飼い主さんの行動を敏感に感じとるのが猫というもの。突然、他人が大きなカメラで狙ってもいい写真は撮れません。この日の兄妹猫はとても繊細で、天空から降りて来ることはありませんでした。
ならばストレスのかからないよう遠くから望遠レンズで撮影をはじめ、徐々に広角レンズで間合いを詰めて行く方法に。自分自身が動き、動きのある写真を表現しました。