サークルの中の犬
サークルは犬の安全を守るために使おう

 子犬を迎えたときに、クレートやサークルをセットでそろえた飼い主さんは多いのでは?もしかしたら、犬にとってストレスなく、安全に使えていないかもしれません。「一日の大半をサークルに入れっぱなしにしたり、クレートに閉じ込めるのはかわいそうといった、誤った認識を持っている飼い主さんが多い気がします」と、JAHA家庭犬しつけインストラクターの岡田友里香先生。

 子犬の場合、クレートやサークルを上手に使えば、いたずら防止、要求ぼえ防止、トイレトレーニングなどに役立ちます。もちろん成犬や老犬の安全を確保するときにも便利。おすすめのレイアウトを実例写真から紹介しましょう。

  • (末尾に写真特集があります)

ハウス(クレート・ケージ)の選び方

 最初に犬が安心できるハウスを用意しましょう。できれば子犬のころにクレートやケージで寝る(落ち着く)習慣をつけておくのがおすすめです。

 サイズを選ぶときは、中で犬が立ったときに頭がつかえない、ふせたときにはみ出ない、Uターンできるといった条件を目安にサイズを決めれば、犬が窮屈な思いをせずにすみます。

クレート(ハードクレート)

クレートに入る犬
軽量で丈夫な犬のハウスに使えるクレート

 プラスチック製の本体にステンレス製の扉がついているのがクレート(ハードクレート)です。日常的に犬のハウスとして使えるうえ、中に犬を入れて持ち運べるキャリーにもなります。車での移動や災害時の避難所生活を送る際にも役立つ、必須アイテムです。

 布製で折りたためるソフトクレートもありますが、かんで穴をあけてしまう犬もいます。愛犬の性格を考えて選びましょう。

クレートの中の犬
クレートの中には犬が好きなベッドを入れる

 最初は犬がクレートへ自由に出入りできるように扉をはずしましょう。中にお気に入りのベッドを入れることで、犬が自分から寝場所として選んでくれることもあります。警戒心の強い犬は、中でごはんやおやつをあげてクレートに良い印象をもたせることから始めてみましょう。

ケージ

ケージに入る犬
ステンレス製の格子に囲われたケージ

 ステンレス製の小さいおりのようなケースがケージです。クレートと同じように、犬のハウスやキャリーとして使えますが、重いので持ち運びにはやや不便。使わないときには折りたためるので、収納がしやすいことは利点でしょう。最初にそろえるなら使い勝手のよいクレートの方がおすすめです。

 暑さに弱いフレンチ・ブルドッグなどの短頭種の犬や、体調をこまめに確認したい犬を入れるときは、クレートよりも通気性がよく、中が見やすいのはメリットです。ただし周囲が丸見えなので落ち着かず、要求ぼえをする犬もいるので、全体を覆うカバーをつけるのも一案です。

サークルの選び方

 犬の安全を確保した居住スペースをつくる囲いがサークルやフェンスです。持ち運びはできません。素材はステンレス製、木製、プラスチック製などさまざま。子犬のいたずらを予防し、トイレトレーニングにも使えます。

 上部が空いているタイプは掃除がしやすい半面、活発な犬は興奮してジャンプしたり脱走したりする可能性があるので、十分な高さがあるサークルを選びましょう。天井(ふた)付きのタイプは犬が落ち着きやすいのがメリット。上部が開閉できるタイプを選べば掃除をするときにも便利です。

犬と家庭に合うサークルのレイアウト

 サークルの大きさやレイアウトは、犬の年齢や大きさ、留守番時間の長さ、部屋の広さに応じて考えましょう。サークルは基本的に目を離すときに犬の安全を守るための道具です。狭いサークルの中に犬を長時間閉じ込めっぱなしにせず、安全管理をした部屋に出す時間をつくることが大切です。

 迎えてから数日経って子犬が環境に慣れたら、部屋に出す時間をどんどん増やしていきましょう。子犬の時期に家族とたくさん遊ぶ経験を積ませることが、子犬との良い関係づくりにも役立ちます。

(1)6時間前後の留守番が多い家庭の場合

犬用のサークル
クレートが入るサイズのサークルがおすすめ

 毎日6時間前後の留守番をさせる場合は、ハウス(クレート)とトイレトレーを端に置いて、中間に犬が遊ぶスペースができる大きさを目安に選びましょう。

(2)ほとんど留守番がない家庭の場合

犬用のクレートとトイレ
クレート(ハウス)とトイレを分けたレイアウト

 在宅の家族がいるなら、基本は犬を部屋で自由にさせて、目を離すときや寝かせるときにはクレートに入れましょう。犬にクレートで寝かせる習慣をつけやすいレイアウトです。小さいサークルの中にトイレのみ置いて、こまめに犬を連れていくことでトイレトレーニングもしやすくなります。

犬用のサークル
ベッドとトイレだけ入るコンパクトなサークル

 お部屋のスペースをあまり取らないコンパクトなサークルは、主に短時間の留守番や、夜だけ中で寝かせるときに使えます。犬の遊ぶ場所がないので、日中長時間入れておくのはNGです。

サークルに入る犬
留守番させる場合は、折りたたみ式サークルを使う

 犬を留守番させるときは、大きいサークル(フェンス)でクレートとトイレを囲めば安全なスペースがすぐに完成します。必要なときに使える折りたたみ式のサークルを用意しておきましょう。

(3)8時間以上の留守番が多い家庭の場合

サークルの中の犬
大きさを変えられるジョイント式サークルが便利

 留守番の時間が長い場合は、動き回れるスペースのある広めのサークルを用意しましょう。特に排泄(はいせつ)回数の多い子犬は、広めのトイレスペースをとることで留守中のトイレの失敗の予防にもなります。

(4)中・大型犬と暮らす家庭の場合

サークルの中の犬
木製の枠がついているサークルは比較的丈夫

 中、大型犬は子犬でもパワフルです。犬がサークルを飛び越えたり倒したりしないように、高さのある丈夫なサークルを選びましょう。

サークルを片付けて部屋で自由に過ごさせる方法

 サークルは場所をとるため、子犬が成長したら片付ける飼い主さんが大半。いきなり撤去して犬を部屋で自由にさせると、いたずらやトイレの失敗が起きる可能性があります。少しずつ手順を踏んで片付けるようにしましょう。

(1)まずはサークルの周りを大きいサークルで囲う

サークルの中の犬
少しずつ自由にできる範囲を広げていく

 小さいサークルの周りを大きいサークル(フェンス)で囲い、「庭付き一戸建て」のようなレイアウトにします。小さいサークル内のトイレに戻りたがらない犬も多いので、サークルの外に大きめのトイレも1個用意しておきましょう。この状態でトイレの失敗がなくなったら、犬を自由にさせる時間とスペースを増やしていきます。

サークルの中の犬
倒れにくいフェンスを選ぶと安心

サークルの中の犬
小型犬ならワイヤネットとつっぱり棒でもOK

サークルの中の犬
大型犬には丈夫な人用のベビーサークルも便利

(2) 最終的には部屋にある危険なものを囲う

室内で遊ぶ犬
コンセントなどの危険なところへ犬が近づけないようにガード

 犬にいたずらされそうなものは床に置かないようにし、コンセントがあるところなど危険な場所にはフェンスを立てて犬が近づけないようにします。安全管理を徹底することで、最終的には1日の大半を部屋で自由に過ごせるようになります。

 クレートやケージは、成犬になってからも家族の食事中や来客時などに活用しましょう。

 犬を閉じ込めるためにクレートやサークルを使っていると、犬は嫌な印象をもって入りたがらなくなります。外出前に犬をサークルに入れるために追いかけたり、おやつでクレートへの道を作って誘導したりと苦労している飼い主さんも。ハウスは留守番時だけでなく災害時にも役立つので、犬に良い印象をもたせるようにしましょう。