愛知県西尾市にある「古民家カフェ空町&保護猫カフェ猫待ち」は、住宅街の地名〝空町〟から名付けられた。築90年で濃茶色の木造建築は瓦屋根と煙突が目印。

(末尾に写真特集があります)

 共同運営している平戸潤也さん(47歳)と榊原裕美さん(60歳)のお二人は、榊原さんが高校生まで住んでいた空き家を数年かけて改装し、コミュニティスペースを作るつもりだったという。子猫を拾ったことから猫問題に関わるようになり、TNR※や譲渡に取り組む中、保護猫カフェを併設して、2017年1月にオープンした。

保護猫カフェ経営者の榊原裕美さんと黒猫
経営者の榊原裕美さんは子どもの頃からの猫好き

 保護猫カフェは200円以上の寄付をカフェ内の募金箱にという良心的な設定で、時間制限もないが、大きいお札を入れてくれるお客さんも。フェアトレードのコーヒー・紅茶・ココアや西尾名産お抹茶も200円(税込)と低価格で提供。今はカフェ目的より保護猫目当ての人がほとんどだ。

 訪れた日には約20匹の猫たちが出迎えてくれた。猫との出会いを求めて半年通うお客さん、飼えないが、カフェの慣れない猫と遊んで人慣れにチャレンジするお客さん、と様々。

 譲渡後、ホームカミングとして猫と一緒にカフェに遊びに来たり、2匹目を求める飼い主さんも最近多い。保護猫を受け入れ、カフェで慣れさせ、譲渡していくサイクルだ。

猫と遊ぶ女子高校生たち
学校帰りに自転車で通う高校生たち

 今まで受け入れてきた猫は写真付きで丁寧にファイルされていて、4年間で631匹になるという。昨年は、受け入れ182匹、譲渡167匹、その他にTNRした猫は125匹。

 平戸さんは「猫の問題は実は人の問題でもあり、ここは猫と同時に人の居場所にもなっているんです」と語り、榊原さんは「猫と遊びたいだけでゆっくり過ごしてもらってかまいません。猫を保護する人、猫カフェで募金する人、猫を譲り受ける人、三者三様みんなで猫を救っている。猫が好きでかかわるだけで、猫問題の解決につながっているのです」と語る。

※TNRとは、野良猫を捕獲(Trap)し、不妊手術を施したうえで(Neuter)元の場所に戻し(Return)、1代限りの命を地域で見守る地域猫活動の一環。

(取材・原田佐登美)