犬アトピー性皮膚炎
梅雨時は犬の皮膚をよく観察して

 病気やトラブルから犬や猫を守るため、飼い主さんにぜひ知っておいてほしい知識を、シリウス犬猫病院の院長、石村拓也獣医師が教えてくれます。連載12回目は犬アトピー性皮膚炎についてです。

犬アトピー性皮膚炎ってどんな病気?

 湿度と気温が上がって蒸し暑くなると、皮膚病で来院するわんちゃんが多くなります。梅雨〜夏にかけては、カビやハウスダストマイトの発生が増えるため、アトピー性皮膚炎のわんちゃんの症状は悪化することが多いのです。

 今回は梅雨時期に悪化することが多い“犬アトピー性皮膚炎”について紹介したいと思います。

 犬アトピー性皮膚炎は、ダニ(ハウスダストマイト)、カビ(真菌)、花粉などの環境アレルゲンに対する過剰な免疫反応によって起こる皮膚炎をいいます。

 発症には遺伝的な素因が関わっており、多くは3歳以下で発症し、強い痒みを伴います。

 痒みから患部を搔き壊してしまうことで、炎症や脱毛、色素沈着が生じます。耳や顔、足の先(指の間)、脇の下、おなか周り、足や尾っぽの付け根などに症状が現れやすいです。
  

犬アトピー性皮膚炎
足の裏にも皮膚病はできる

アトピーのわんちゃんは皮膚バリアー機能が低下している

 アトピーのわんちゃんの皮膚は、生まれつき“皮膚のバリアー機能が弱い”と言われています。

 “皮膚バリアー機能”とは外部の様々なアレルゲンや異物が皮膚の中に侵入するのを防いだり、体内の水分の蒸発を防いだりする働きのことです。このバリアー機能が低下するとアレルゲンが皮膚の中に侵入しやすく、さらに炎症を引き起こしやすくなります。

 皮膚バリアー機能が低下した皮膚では、アレルゲンが皮膚の中に侵入しやすく、結果アレルギー反応を引き起こしてしまうのです。

犬アトピー性皮膚炎
犬アトピー性皮膚炎の症状

犬アトピー性皮膚炎を起こしやすい犬種

 遺伝が関与するため、発症しやすい犬種がいます。

 日本では、

  • 柴犬
  • シーズー
  • ウェストハイランドホワイトテリア
  • ゴールデンレトリバー、ラブラドルレトリバー
  • ダックスフント
  • プードル
  • フレンチブルドック

などの犬種で多く見られます。

犬アトピー性皮膚炎
梅雨時、アトピー性皮膚炎やアレルギー性皮膚疾患を持っている犬の症状は悪化しやすい

梅雨時期は掃除と洗濯でカビの除去を!

 湿度が上がり、カビが増えやすくなるのが梅雨です。また、湿気によりダニも増えます。ダニやカビはかゆみの原因となることが多いので、この時期はまめに掃除機をかけましょう。

 環境の清掃や洗浄、ダニ駆除剤や防ダニ加工のベッド、アレルゲンが付着するのを防ぐ犬用の服、空気清浄器の使用などもおすすめです。

 カーペットやお布団はこまめな天日干しやクリーニングすることも良いですね。

まとめ

 湿度と気温が上がって蒸し暑くなる梅雨時期。アトピー性皮膚炎やアレルギー性皮膚疾患を持っている子は悪化することが多いです。

 特に、アトピーの好発犬種である柴犬などは換毛期と絡んで皮膚疾患が出やすい時期でもありますので気を付けていきましょう!

【前の回】

梅雨時に増える犬の外耳炎 夏に悪化して手術に至ることも!その前に気づいて