ラブラドル・レトリバー
14歳のレイ之助くん、お花が大好きな男の子でした

 いつか来るペットとのお別れの日――。経験された飼い主さんたちはどのような心境だったのでしょうか。

 2018年1月にラブラドル・レトリバーのレイ之助くん(享年15歳)をお見送りした由実さん。レイ之助くんは、亡くなる2年ほど前から老衰で全身機能が低下し、その後寝たきりとなりました。介護の末、レイ之助くんを看取ってから3年強、現在のお気持ちや当時の状況をお聞きしました。

(末尾に写真特集があります)

ずっと健康優良児だった愛犬

――レイ之助くんは持病などがあって亡くなったのでしょうか?

 いえ、亡くなる2年くらい前まで、健診やワクチン接種以外では病院にかかることがない、とても健康な子でした。

 亡くなる2年くらい前に「たくさん水を飲むな」と思い、病院で詳しく検査していただいたところ、肝臓の数値が著しく悪いことがわかりました。ただ、それも加齢による機能低下とのことでした。

――そうすると、老衰でなくなったということですか?

 そうですね。肝臓機能低下から始まり、糖尿病になり、最終的には老衰による多臓器不全ということでした。

 亡くなる1年くらいまえから歩けなくなり、介護生活が始まりました。

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12歳のレイ之助くん、病気知らずのおじいさんサンタ

歩けなくなってからは毎日カートでお出かけ

――レイ之助くんが歩けなくなってからはどのような日々でしたか?

 いわゆる介護生活がはじまりました。ありがたいことに亡くなるまで食欲があって食事はとれていたので、体重はあまり落ちず36キロありました。

 床ずれにならないように体勢を変えたり、尿が身体に着かないようにマナーパッドを使ったり。痴呆(ちほう)などはなかったので、排便は寝ながらも自力でしていました。

――歩けなくなってからもお散歩に連れて行かれていたのですか?

 週2回の病院、そして、天気のいい日はカートに乗せて、日々外に連れ出していました。お散歩がとても好きな子だったので……。

 外に出ると「毛艶がとてもきれいね、いつもたくさんなでてもらっているのね」と周りの知らない方からも、しょっちゅう声をかけていただき、よくしていただきました。

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寝たきりになる前、大好きだったお散歩がだんだんとしんどくなってきた頃

レイ之助が延命を望んだのかは今でもわからない

――当時を振り返って、今何か思うことはありますか?

 長生きしてもらいたかったので、家族で話し合って肝臓病の治療をすることにしました。その結果、薬をたくさん飲ませることになり、また途中からは糖尿病にもなったので、自宅で朝晩2回のインスリン注射をしていました。

 一度始めた以上は、亡くなるまで治療を続けることが飼い主のすべきことですが、そのことについてレイ之助はどうだったのかなあと、常に思っていました。飼い主は治療の道を選んだけれど、彼は何を望んでいたのか?

 レイ之助が生後3カ月の頃から、私たち家族はともに楽しい時間を過ごしてきました。彼も長く一緒にいたいと思ってくれていたとは思うのですが、歩けなくなって、介護されて、薬を飲み、注射をされて、「彼はどうだったのか?」「彼の尊厳を保てたのか?」と今でも答えはわかりません。

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レイ之助13歳。毎年、福は内のお豆を投げてもらえるのを真剣に待っていたそう

翌年に孫が誕生、名前はレイ之助から

――レイ之助くんが亡くなって、翌年にお孫さんがお生まれになったのですね。

 レイ之助が亡くなった翌年に孫が生まれて、孫にレイ之助を会わせてあげたかったな、と思いました。でも娘夫婦は「レイ之助の生まれ変わりだ」と言って、孫はレイ之助から一文字名前をもらいました。なんとなく性格も似ているんですよ。

 時間が経つなかで、孫ができたり、忙しくしたりして、悲しみは癒やされているのかもしれませんが、毎日レイ之助を忘れるという事はありませんし、記憶からなくなることもありません。今生きている娘や孫のことと同じように、今もレイ之助のことを思っています。頭の中にずっといます。

 人だったら高校生になる年ですからね、子どもみたいなものです。一生忘れることはないです。

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由実さんのお嬢さんの弟的存在だったレイ之助くん。レイ之助くんといっぱい笑って、いっぱい泣いて過ごした15年間

 レイ之助くんを亡くしてしばらくは犬を飼うことを考えられなかったそうですが、少し時間が経ち、また大型犬を飼うことを考えられるようになったそうです。

 しかし、盲導犬のセカンドキャリア犬や、保護犬の引き取りには年齢制限があり、引き取り手にはなれないという現実がありました。

 自分は飼えなくても、多くのわんちゃんたちが、「家族と最期まで一緒に幸せであってほしいと願っています」とお話してくださいました。

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看取りには慣れないし毎回悲しい、それでも共に暮らしたい 高齢の保護犬を家族に

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