まったく偏食のない預かり中の老犬チョコ

 保護犬の預かりボランティアをする、インテリアデザイナーの小林マナです。犬や猫と暮らしやすい住空間をつくり、いまは保護猫1匹と、預かり犬2匹と生活をともにしています。第23回は「マイペースな老犬チョコ」をお伝えしていきます。

(末尾に写真特集があります)

マイペースな老犬チョコ

 子犬がやってきてからというもの、預かり中の老犬チョコの存在感が薄くなっているように思われたかもしれませんが、いやいやどうして、子犬たちとチョコはほとんど絡むことがなかったのです。でも、チョコはマイペースな生活を送っていました。

 子犬たちと一緒に、時々抱っこをしながらチョコを散歩へ連れて行きましたが、チョコは日に日に歩けなくなり、家の中でもあちこち歩いてはぶつかったり、転んだりするようになっていきました。

 老犬でも滑らずに歩ける床材を貼っていたのですが、それでも滑るようになってしまい、そこで、事務所の一部に囲いを作って、その中にタイルカーペットを敷き詰めました。そうすると、壁伝いにそろそろと歩けるようになりました。

事務所につくったチョコサーキットころんでもへっちゃら

背中の丸いおばあちゃんの受け身

 チョコはもともと飼われていた場所で、丸くなって寝ていることが多かったのか、背中が丸く、うちに来てからもいつも丸まって寝ていました。あるとき、そんな猫背が功を奏することがあることを知りました。なんとチョコは、ぶつかってもコロリンと柔道の受け身のようにどこにもぶつかることなく転べたのでした。

 愛嬌(あいきょう)のあるチョコは、脚が弱ってからもひょこひょこっとしたかつての歩き方は健在でした。そして、何なのでしょうか……、後ろを振り向くクセがあり、あたかも私を気遣ってくれているようでいつもほほ笑ましい気持ちになりました。

 チョコがいる場所は段ボールでカバーしてぶつかってもいいように、自然にくるりと回れるように。そして、はまって動けなくならないように、隙間を作らないようにしたら、ちゃんとグルグル歩き回ってくれるようになりました。 

段ボールで三角を作ってコーナーにはめるときれいに回ってくれるようになりました

ひたすら回り続けるチョコ

 最近、SNSなどで、老犬のグルグル回る徘徊(はいかい)行動が、「老犬のグル活」と言われるようになり一般的になってきたように思いますが、当時はあまり情報がなく、日々どんどん変わっていくチョコにひたすら驚きながら、合わせて調整していきました。

 そして意外なことに、預かった犬の中でチョコは4匹目の老犬でしたが、私はそれまで介護の経験がなかったのです。最初に預かった大型犬の

タケ
は、具合が悪くなってからあっという間に亡くなり、柴犬の
ココ
は譲渡先が見つかり、大型犬の
うえしたくん
もうちに来てからあっという間に亡くなってしまったのです。

 チョコは小さくておとなしい犬だし、グル活といってもゆっくりのろのろと歩いているし、私には介護の経験がなかったからこそ、どんどん老犬を預かっていけたんだなとあらためて気づきました。子犬と老犬……ちっとも仲良くしてくれなくて、それも驚いたことのひとつでした。

次回は「ドーちゃんのお見合い」の話をしたいと思います。

全然かまってくれない子犬たち

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臆病犬ドーちゃん頑張ろう! 兄弟が先に譲渡され散歩がままならなくなってしまった