我が家の猫2匹と4歳の娘は、さほど触れ合いもなく、なんとなく一緒に暮らしているだけ……というさみしい状況を度々お伝えしてきました。それが近頃、わずかに進展がありました。今回は、猫と娘の関係性の変化により、私と猫との距離もまた変わってきた、というお話です。

4歳児による「猫ちゃんにゴハンをあげるの!」

 日の出が少しずつ早まり、朝の冷え込みが緩んでくると、娘の目覚めも早まります。ちなみに猫は、年中さほど変わりません。「ママ―起きてー!」と娘が寝室で叫ぶと同時か、わずかに早いくらいのタイミングでサビ猫の「あんず」も起きてきて、寝室前にやってきて「ニャーニャー!」叫ぶという、4歳児と猫の大合唱で春先の朝は始まります。

 すると、娘が「猫ちゃんにゴハンあげるの!」と張り切ります。幼児の“お手伝い”に朝から付き合うのはなかなかのハードモード。気長に付き合っていたら、せっかくの早起きも台無しになります。

 そこで娘には、“カリカリを計量カップで事前に計ったものを皿に入れる”、“私がスプーンに乗せたウェットフードをカリカリに乗せる”、“猫の前にエサの皿を出す”、というメイン的な役割3つを担っていただき、進行していきます。

 猫のエサが入った皿を持った娘は「アン、アーン!」と、あんずを呼びます。いつもは「アンちゃん」と呼ぶくせに、エサを与える時はお姉さん気分なのでしょうか。

あんずに朝ゴハンをあげる娘

 そんなとき、あんずは「えっ、この子がゴハン出すの?アタシ、ママがいいんだけど」とでも言いたげに、私をチラチラ見ながらも、カリカリに乗ったウェットフードの食欲を誘う香りには勝てず、娘の後についていきます。

 娘のエサの出し方は独特で、「アンー!」と呼びながら、あんずに匂いをかがせるために、まずはキッチンから数歩のところで床に皿を置きます。あんずは、“娘が出した”ことと、“いつものエサ台ではない場所”であるため、すぐにはかぶりつかず、顔を近づけてクンクンと鼻を動かします。あんずのそんな様子に満足した娘は、また皿を持ってエサ台に置きに行くのです。一切教えていないのに、何を見本にしたのか謎な手法……。

今回、出番のないモモ(右)

 あんずは、娘がエサを出し始めた最初の頃こそ戸惑っていましたが、数日で慣れてきて、次第に“娘はただうるさく暴れているだけでなく、ゴハンも出せる人なんだ!”と、見直すようになったのか、娘のそばに寄ってきて、体をなでさせるようになりました。なんだかんだ言って、ゴハンって大切。常にというわけにはまだいかず、あんずの気分がいいときに限りますけれどね。

 ちなみに、キジトラ猫の「モモ」に関しては、もともと朝ゴハンの催促もせず、以前から常に甘えてくるわけでもないので、大きな変化はありません。

“ふみふみ”が大復活!

 娘になでられるのを嫌がっていたのが、近頃は“もっと撫でて”とばかりに「ニャァ―ン」と甘え声を出すようになってきたあんず。娘との距離が縮まってくると、私への態度も変わってきたんです。

0歳娘を抱っこする夫のひざに乗るあんず

 娘が生まれる前は、毎日毎日何分も飽きもせず、私のひざの上に乗り、前足で“ふみふみ”する甘えん坊だったあんず。それが、私のひざに常に娘が乗るようになってからは、もっぱら夫のひざに乗るようになり、私が「おいで」と言っても、娘がその場にいないときに限って3回に1回くらいしかひざに乗らなくなり、“ふみふみ”もほとんどしなくなっていました。

 それが、娘と少し仲良くなった最近では、毎日私のひざに乗って“ふみふみ”する甘えん坊に戻ったのです。やっぱり、ふみふみはカワイイ……。

私のひざに乗るあんず

 うれしく思いながらも、今まで我慢させていたことを実感し、あんずに申し訳ない気持ちになりました。

そして、エサ係はサボり期へ

 後日談として、数日間は早めに起きてエサをあげることができた娘ですが、新鮮さが薄れたのか、サボりがちになってきました。

「猫ちゃんにママがゴハンあげちゃうよ!」と呼ぶと「イヤだーダメー!」と飛び起きていたのが、「いいよぉ〜」と二度寝するように……。

 それでも、あんずの甘えは継続しているので、まあいっか、という気持ちでおります。

(次回は4月20日公開予定です)

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猫の1日、どう変わった? 飼い主がフルタイム出勤の過去と完全在宅ワークの今