この6月、韓国で日本を代表する2つのアニメ映画が再上映されるという。スタジオジブリの代表作である『となりのトトロ』と『魔女の宅急便』がそれだ。

まず『となりのトトロ』のデジタルリマスター版が6月6日から再上映された。

韓国最大のポータルサイトNAVERの映画セクションにも、10点中9.23点という評価点がつけられていて、ジブリ作品の中でもベスト5に入るような高評価を得ている『トトロ』だけに、SNSでは「トトロを大スクリーンで見られるなんて嬉しすぎる」「絶対観に行くぞ!」という喜びの声も多く見受けられて、なぜか心が和んだ。

ちなみに日本では1988年に公開された『トトロ』だが、韓国では日本大衆文化解放(1998年)から約3年後の2001年に初めて劇場公開されている。

ただ、韓国の知人から聞いた話によると、『トトロ』は劇場公開前からすでに有名だったとか。日本のサブカルチャーを密かに楽しんでいたファンの間では、闇のルートを通じて鑑賞済みだったというのだから面白い。

今回の再上映で劇場に足を運ぶファンの中には、その当時のマニアもいるかもしれない。

一方、『魔女の宅急便』は「誕生(日本での劇場公開)30周年」を記念して、デジタルリマスター版が6月26日から韓国で再上映される。

韓国初上映は2007年。12年ぶりの劇場公開だが、紹介したいのは日本と韓国ではタイトルに違いがあったことだ。

というのも、そもそも『魔女の宅急便』の韓国公開時のタイトル候補は、「魔女の宅配」だったという。韓国では「宅急便」よりも「テッペ(宅配)」という言葉が普及しているため、そのタイトルが候補に挙がったそうだが、宅配の語源は日本語という理由で却下され、最終的に『魔女配達婦キキ』になったとされている。

韓国で『キャプテン翼』を凌ぐ人気を誇ったアニメ『蹴球王シュットリ』も、実は日本アニメ『燃えろ!トップストライカー』というタイトルだったが、それに近い変更が『魔女の宅急便』にもあったわけだ。

ただ、そんな理不尽なタイトル変更も昔のこと。ここ数年、『君の名は。』『聲の形』のような日本のアニメ映画が韓国でも次々と公開されて脚光を浴びている。

そんななかでも多くのファンに愛され続け根強い人気を誇るジブリ作品。2014年に『ハウルの動く城』、2015年に『千と千尋の神隠し』が再上映されているが、今回は『となりのトトロ』と『魔女の宅急便』が再上映されることからも、韓国におけるジブリ作品の人気の高さが伺えるだろう。

同時に『Love Letter』『いま、会いにゆきます』『誰も知らない』といった過去に人気を博した日本映画が韓国で次々と再上映されたり、リメイクされている。

政治的に何かと冷え込んでいる日韓関係だが、そんななかでも大衆文化交流はしっかりと根を張って続いていることに安心した気持ちにもなる。

スタジオジブリでは今、宮崎駿監督の新作長編『君たちはどう生きるか』の制作が進んでいるという。

韓国のジブリ・ファンたちはきっと、久しぶりに過去作品を見返して思い出に浸りつつ、新作の完成を心待ちにしているに違いない。

(文=慎 武宏)