その場所を訪れるときは、頭のなかに世界地図を思い描いてほしい。


地図の中心にあるのは、太平洋を取り囲む火山帯「リング・オブ・ファイア(環太平洋火山帯)」と、その火山活動が生んだ多様な地形にさまざまな生き物が暮らす地域「リング・オブ・ライフ(環太平洋生命帯)」。地上8階建ての「海遊館」には、この“二つのリング”を巡る旅が待ち受けている。


海遊館

▲自然光が差し込む「タスマン海」では、カマイルカたちのダイナミックな遊泳を観察できる。


最上階から、螺旋状の順路を時計回りに下ってゆくと、各地の多様な自然環境や生命を再現する14の展示が現れる。カワムツなどの淡水魚が暮らす「日本の森」をスタートしたら、切りたった岩場の海にアシカが泳ぐ「モンタレー湾」を経て、人工降雪機を使って再現した雪の世界にペンギンたちが暮らす「南極大陸」へ。さらに、カマイルカがじゃれ合う「タスマン海」から「チリの岩礁地帯」を通って、光が届かない深海の世界を表現した「日本海溝」まで。


海遊館

▲カタクチイワシが回遊する「チリの岩礁地帯」は岩が主役。


海遊館

▲2018年に誕生した「海月銀河」は、浮遊感満点の新たな名物。


それぞれの自然環境を再現する展示は、変化に富んでいて見応え十分。時には水槽の奥に別の水槽が重なって見えることもあるが、これは海の世界のつながりを建築でも表現しているからだ。


同館のハイライトとなるのが、螺旋状の順路の中央部に設けられた「太平洋」だ。水量5,400tの巨大水槽を、ジンベエザメや、グルクマの群れなどが悠然と回遊する光景は圧倒的。特に水槽の最深部の4階から見上げる光景は、ため息が出るほど美しい。


海遊館

▲ジンベエザメの遊ちゃん


「水族館では、ジンベエザメなどの珍しい生き物に目を奪われる方が多いと思います。でも、これらの生き物の背景には、長い時間をかけて育まれてきた自然環境や無数の生命の営みがある。そんなつながりを感じていただけたら嬉しいですね」とは、同館広報チームマネージャーの村上寛之さん。


海遊館

▲ワモンアザラシのアラレちゃん


館全体で太平洋を取り巻く自然を表現する「海遊館」には、壮大で濃密な生命の物語が、ぎゅっと凝縮されている。

海遊館
住所:大阪府大阪市港区海岸通1-1-10
アクセス:大阪(伊丹)空港から車で約35分
営業時間:10:00〜20:00(時期により変動)
※現在は事前Web予約制のため要確認。
休日:不定休


(SKYWARD2020年8月号掲載)
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