三菱重工浦和レッズレディースとINAC神戸レオネッサ。WEリーグのファーストシーズン、前半戦最大の山場がやってきた。11月7日に行なわれる第8節で、浦和LがホームでINAC神戸と相まみえる。

 開幕前から優勝候補に挙げられた両チームは、4つ白星を並べたところまでは一緒だったが、その後、明暗が分かれた。直近2戦で連敗を喫した浦和Lに対し、INAC神戸は無失点を継続しながら6連勝。首位のINAC神戸と4位の浦和Lの勝点差は「6」にまで開いている。

 現在の差は、ディフェンスへの集中力にある。浦和Lはここまでの計6失点のうち、直近2戦で4失点を喫しているが、相手の攻撃に制限をかけてきた栗島朱里の不在の影響もあるか。失点シーン自体を切り取ると(2-1でベレーザに勝利した開幕戦はともかく残りの5失点は)、シュートを打たれる場面でプレッシャーをほとんどかけられていない。チーム全体に昨季のような攻守の素早い切り替えが求められるだろう。

 INAC神戸は、日テレ・東京ヴェルディベレーザから獲得した山下杏也加を中心に、ここまで失点ゼロ。星川敬監督が、プレシーズンマッチの4試合を守備の構築に充てた効果が、ハッキリと数字に出ている。三宅史織、西川彩華ら主軸に、若い選手をミックスしながら、接戦をモノにし続けてきた。ベレーザ戦を除けば、劣勢の時間は少なく、スコア以上の安定感がある。
 
 攻撃に目を転じれば、計12ゴールと得点数は変わらない。同じメンバーで継続している浦和Lが、連係ではやや上回る。昨季のINAC神戸戦でハットトリックを演じた得点女王・菅澤優衣香が徐々に調子を上げて、ここまで5ゴール。安藤梢、猶本光ら勝負所を心得た元欧州組に、前節から復帰した塩越柚歩と、ゴールを奪える選手は揃っている。“リードして、ゲームをコントロールする”INAC神戸の必勝パターンを崩せれば、メンタル的にも優位に立てるはずだ。

 INAC神戸は戦いながら、コンビネーションを構築している。攻守でハードワークができる成宮唯が、相手をかく乱し、そこで生じた隙を逃さない点取り屋が最前線に揃っている。東京五輪で2得点の田中美南。昨季の浦和L戦でもゴールを奪った浜野まいか。WEリーグのファーストゴールや、ベレーザ戦の決勝点など勝負強さは健在の髙瀬愛実らだ。ここ3試合は最少得点に終わっているが、ギアを上げてくるだろう。

 浦和Lにとっては、是が非でも勝点3を手にしたいホームゲーム。多くのサポーターの後押しは、浦和Lの選手たちに大きな力を与えるだろう。チーム一丸となって、逆転優勝へ大きな一歩を踏み出すか。それともINAC神戸が覇権交代をアピールするか。決戦は、浦和駒場スタジアムで14時にキックオフされる。

取材・文●西森彰(フリーライター)

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