香川真司はセレッソ大阪に帰ってくるのか――。近年、移籍市場が開くたびに大きなテーマとなっている。

 C大阪側のスタンスは明快だ。「セレッソから海外に行った選手が最後、セレッソで活躍して引退してもらえるのが一番」とのクラブ幹部のコメントにもあるように、本人の気持ち次第でいつでも迎え入れたい方針を示している。

 昨年にスペイン2部サラゴサを退団して以降、無所属の状態が続いていた際にも復帰を打診した。今季、元日本代表FW大久保嘉人が15年ぶりに復帰し、8月には元同代表MF乾貴士が10年ぶりに戻ってきたこともクラブの姿勢が如実に表われている。

 当然、ここで重要となるのは香川自身の意思だが、昨冬にC大阪からの打診が表面化すると「自分としてまだ欧州でやるべきことがある」とすぐにSNSで態度を表明した。海外でプレーを続けたい意向は見て取れるが、現在はギリシャ1部PAOKで構想外。加えて、復帰を後押しするかのような状況もできあがっている。今夏、C大阪の監督に小菊昭雄コーチが昇格したことだ。

 小菊監督がスカウト時代、当時高校2年生だった香川を入団へと導いたエピソードは有名。欧州で挑戦したい香川の気持ちも人一倍理解し、海外移籍後も連絡を取り合うなどサポートは続けていた。指揮官となった恩師のために、との感情が芽生えてもおかしくはない。

 さらに香川は、クラブの前身でもあるメーンスポンサー・ヤンマーのアンバサダーを務めている。C大阪で同職に就いているのは主将の元同代表MF清武弘嗣に乾と、いずれもチームの顔と言える選手だけ。クラブにとって「特別な存在」であり、ピッチ内外で与える影響も非常に大きいだろう。
 
 一方で、チーム内の戦力バランスという現実的な問題も浮かび上がってくる。以前、クラブ関係者との会話で印象的だったのが「いま真司が戻ってきたとしたら、若い選手にとっては(試合に出るのが)厳しくなるかもしれない」との言葉。

 小菊体制となって出場機会に恵まれずにいた若手が起用されるケースは増えてきたが、中盤、特に清武、乾、坂元達裕がいる2列目は主力と若手との差は激しく、定位置を奪うのは困難な状況となっている。

 ここに同じく2列目を主戦場とする香川が加われば魅力的ではあるが、将来を見据えたチーム編成を考えるのであれば危うくもある。獲得することで生まれる「メリット」と「不安要素」をクラブがどう捉えるかは注目したい。

 もちろんC大阪以外の選択肢も十分にあり得る。米MLSが関心を示していると海外メディアが報じれば、国内でも「良い選手」と熱視線を送るJクラブ関係者もいる。32歳を迎えたアタッカーの今冬の動向から目が離せない。

取材・文●種村 亮(報知新聞社)

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