前半の低調な戦いぶりではどうなることかと思いきや、伊東のゴールでどうにか勝点3を獲得したオマーン戦。同日にアウェーで中国と戦ったオーストラリアが引き分けたことで、日本はグループでサウジアラビアに次ぐ2位に浮上した。このオマーン戦での白星は、ここまで日本が苦戦してきた今予選の流れを変えるきっかけになるかもしれない。

 なにより2位に順位を上げたのが大きい。ライバルのオーストラリアに与えるショックはそれなりで、残り4試合のうち3ゲームをホームで戦えるメリットも計り知れない。そのホームゲームに全勝すれば、敵地でのオーストラリア戦は引き分けでも問題ないわけで、ある意味ゆとりが出たのはポジティブな材料だ。

 ワールドカップのアジア最終予選は結果がすべてであり、勝利した点には文句をつけるつもりはない。ただ、オマーン戦の内容を振り返ればいくつかの疑問が浮かび上がる。決して好調ではない大迫をなぜ終盤まで引っ張ったのか。勝点3が必要な試合でなぜ左サイドバックに交代枠を使ったのか(スタメンは中山でいい)。コンディションが良くなさそうな南野をいつまで先発させるのか。ざっと挙げれば、こうなる。

 オマーン戦の勝因は、粘り強い守備、さらには三笘と古橋のパフォーマンスといっていいだろう。「三笘と古橋」という点では森保監督の采配が当たったとの見方もできるが、それでもすっきりしないのは前半の戦い方に問題があったからだ。

 正直、4−3−3システムはそこまで上手く機能していない。良かったのはオーストラリア戦の前半だけで、ベトナム戦の前後半、オマーン戦の前半は褒められた戦いぶりではなかった。とりわけ心配なのはオマーン戦での柴崎の出来。守田に比べて行動半径が狭く、組み立ての局面でボールホルダーに対して顔を出す場面が少ない印象だった。守田がいないとこのシステムは厳しい、そういう感想を持たれた視聴者もいたのではないか。

 だからこそオマーン戦の後半途中から2トップに近い形に変更したのだろうが、残り4試合、森保監督にはより柔軟な采配が求められる。オマーン戦でスルーパスへの反応が鈍かった大迫、縦に入れていい局面でもバックパスを選択した長友、躍動感が感じられない南野を今後、それでもスタメンで使い続けるのか。
 
 特に気になるのは、Jリーグのオフ期間である1月、2月に行なわれる次のワールドカップ最終予選(1月27日の中国戦、2月1日のサウジアラビア戦。いずれもホーム)でも、おそらく試合勘が鈍っている大迫と長友をスタメン起用するのかという点だ。長距離移動があるとはいえ、その時期は欧州組のほうがコンディションは良いはずだから、今回の連戦で古橋、三笘、中山を一度は先発で使うべきだったと、勝手ながら思う。

 2位に浮上しただけでワールドカップの出場権を獲得したわけではない。マイナス分を取り返し、ようやくスタートラインに立った感じで、本当の戦いはむしろここからだ。大迫、南野、長友らに依存してきた森保監督が、今回の三笘や古橋、中山の活躍を踏まえて、どうメンバーを組むか。

 クラブで結果を残した選手を招集し、チームに組み込み、勝利に導くのが代表監督の仕事。クラブで出番に恵まれていない選手を呼んで、継続してスタメンで使い続けるのはナンセンスと感じるのは、果たして著者だけだろうか。

文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集長)

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