劇的な逆転勝ちだった。

 SC相模原は11月21日に行なわれたJ2リーグ第40節で愛媛FCと対戦。0-0で迎えた83分に先制を許すも、89分に相手のオウンゴールで同点に追いつくと、90+6分に中山雄希が逆転弾を流し込む。

 相模原はこの勝利で勝点を37に伸ばす。19位のツエーゲン金沢と同勝点だが、得失点差で上回り、残留圏の18位に浮上した。

 大きな勝点3を手にして、悲願の残留に向け、チームも勢いづいたはず。ただ、高木琢也監督は「まだ2試合残っている」と表情を引き締め、「素直には喜んでいない」と胸中を明かす。

 もちろん、選手たちの奮闘は称えている。「ああいう形での勝利を自分たちの力で成し遂げた。粘りは最後まで突き詰められる。それは良かった」とポジティブに捉える一方で、目を向けるのはチームが置かれた状況だ。

「今まで“余白”なんかない状態だったけど、それが少しできた。他力ではなく、自力で残留できるようになった。その部分のプレッシャーは表われてくると思う。だから、絶対的に優位というわけではない。

 ひょっとしたら、そのプレッシャーに負けるかもしれない。それは分からないけど、そこまでの考えを持っておかないと。そういう意味では、何があってもリスク管理はしていかないといけない」
 
 愛媛戦の勝利で生まれたアドバンテージが、ともすると自分たちの首をしめつける要因になるかもしれない。「それをプラスに出せればいいけど、マイナスに出る可能性もゼロではない」。指揮官は起こりうるすべての事象を想定しながら、ホーム最終戦となる次節の松本山雅FC戦に向けて準備を進める。

「結局は、ピッチで何をするかじゃないですか。愛媛戦では、僕もちょっといろいろと考えすぎて、良くなかったこともあった。原点というか、今までやってきた基本的なことを、松本戦でやるのがベストなのではないか、と。原点に立ち返るじゃないですけど、それが重要なんだろうなと思います」

 シーズン中、高木監督にオフはない。「チームが休みの時、僕は自分たちや相手の映像を見たり、分析用の映像を作ったり。それで終わっちゃいます」。――それじゃあ、いつ休むんですかと、しつこく食い下がれば、「休まないです」と即答された。

 自身の休息など、はなから考えてはいない。「ピッチの中での準備と、選手たちに何を植え付けられるか」。松本戦を前にしても、高木監督の日常は変わらない。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

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