[天皇杯決勝]浦和2-1大分/12月19日/国立
 
【チーム採点・寸評】
浦和 6.5
 こんな劇的な勝利があるものか……。ひとつの重厚なドラマを見ているかのような感情を揺さぶられる戴冠劇だった。早い時間に先制し、追加点をなかなか奪えずにいると、試合終了間際に同点に追いつかれたのは反省材料である。それでもこれが浦和を離れる前のラストマッチだった槙野(83分から交代出場)が後半アディショナルタイムに勝ち越しゴール!! 「浦和の男だなと。浦和を築いてきた人が最後、決めるんだな」と江坂の言葉も印象的だった。引退する阿部や、チームを離れる宇賀神らも優勝で送り出した。
 
【浦和|採点・寸評】
 GK
1 西川周作 6
1失点していなければ「6.5」でも良かったパフォーマンス。後半の大分の猛攻にも冷静に対処し、ハイボールの処理も安定。失点後には槙野に「最後に持っていけ」と背中を押していたことも明かされた。
 
DF
2 酒井宏樹 6
持ち前のフィジカルの強さを生かして右サイドで攻守に関わる。早めに先制しただけに前への仕掛けよりバランスを取った印象だが、力強くプレーした。
 
4 岩波拓也 6
後半は大分に攻められる時間もあったが、相棒のショルツと協力して粘り強く対応。最終ラインをリードした。                                                              
28 アレクサンダー・ショルツ 6
強さと読みを利かせて岩波とともに大分の攻撃を跳ね返した。だからこそ終了間際の失点は悔しかったはず。

15 明本考浩 6
持ち前の攻撃力がより光ったのは試合終盤に2列目に移動してから。それでもSBとして左サイドをしっかり守り、前にも出た。
 
MF
17 伊藤敦樹 6
ボールを持てばタイミングよく周囲へ配球するなどリズムを作る。柴戸とのバランスも良く中盤を支えた。
 
18 小泉佳穂 6.5(83分OUT)
先制点の場面にも絡み、その後も江坂とポジションチェンジしながら攻撃を牽引。関根とともに推進力を生みだした。
 
【天皇杯決勝PHOTO】浦和2-1大分|“浦和の漢”有終の美!槙野の劇的AT決勝弾で浦和が3大会ぶり8度目の天皇杯制覇!
MF
29 柴戸 海 6
セカンドボールへの反応も良く、奪えばリズミカルに周囲へ。それでも後半は気持ちが乱高下したはず。終了間際にはペレイラに前に入られてヘッドでゴールを許すも、直後には鋭いミドルを放ち、槙野の決勝弾をお膳立てした。評価が難しいところ。
 
41 関根貴大 6.5(83分OUT)
巧みなステップでDFを交わしてクロス。江坂のゴールをアシストした。その後は良い形でボールを持てない時間もあったが、69分にも江坂のビッグチャンスを演出するなどドリブルは切れていた。試合後には先輩たちのバトンを受け継ぐ意思も示す。
 
FW
33 江坂 任 7
関根からのマイナスの折り返しを冷静に蹴り込んで先制点をマーク。要所でテクニックの高さを見せ、守備意識も。
 
7 キャスパー・ユンカー 6(72分OUT)
特にカウンターからゴールに迫る。相手の必死のディフェンスもあって良い形でシュートは打てなかったが、大分に圧力をかけた。
 
交代出場
DF
3 宇賀神友弥 6(72分 IN)
退団前のラストマッチに左SBとして途中出場。1-0とリードするなかでバランスを取ったが、逃げ切りとはいかず。それで最後まで戦い、試合後の感極まった姿が印象的。
 
MAN OF THE MATCH
DF
5 槙野智章 8(83分 IN)
宇賀神とともに浦和を離れる前の最後の一戦に臨む。交代直後には惜しいFKを放つ。5バックへの移行で最終ラインの中央に入るも失点。しかし、直後にはゴール前で柴戸のシュートにヘッドで合わせて決勝弾!! 浦和を優勝へ導き、サポーターには「今後も特に若い選手の背中を押してあげてください」とメッセージ。天皇杯の歴史に残るであろう、なかなか見られないパフォーマンス。出場時間は短いながら“印象点”も含めてMOMに選出した。
 
MF
21 大久保智明 ―(83分 IN)
ジョーカーとしてピッチへ。しかし、90分には右サイドでマッチアップした下田にクロスを上げられ、ゴールを許してしまった。
 
監督
リカルド・ロドリゲス 6.5
より早く勝負を決めたかっただろうが、決勝戦は結果がすべて。槙野の投入も大当たりだった。
 
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
 
【チーム採点・寸評】
大分 6
準決勝の川崎戦同様に中盤をダイヤモンドにした4-4-2で臨むも、序盤は緊張があったか、ミスも見られ、早々にゴールを許してしまった。後半はトップ下に入っていた下田をボランチに下げて(小林裕とのダブルボランチ)ボールの出し入れで全体のリズムもアップ。ゴールを目指し続け、90分にペレイラのゴールで追いついた粘り強さはまさに見事である。最後に力尽きたが、この戦いが来季のJ2で生きるだろう。

【大分|採点・寸評】 
GK
1 高木 駿 6
前半はフィードが味方につながらない場面もあり、やや不安定。それでも後半には抜かれかけたシーンで江坂のシュートをビッグセーブするなどピンチを防いで反撃を待った。2失点しているだけに評価は難しいが……。

DF
3 三竿雄斗 5.5
前半は浦和のアタッカー陣の勢いに押されがちな印象で、前への効果的なパスも限られた。後半はよりファイトした。槙野の決勝弾の場面は横にいたが、反応するのは難しかっただろう。

14 エンリケ・トレヴィザン 5.5
こちらも前半はパスミスが見られるなど、らしくないパフォーマンス。それでも後半は持ち直して浦和の攻撃に対応した。「6」と迷う。
 
31 ペレイラ 6.5
全体の出来を鑑みれば、採点が高いと言われそうだが、一時、同点に追いついた90分のヘッド弾は鮮烈!! 勝負強さを発揮した。

MF
6 小林裕紀 5.5
最終ラインに落ちながらビルドアップの起点を担う。特に前半はもう少し効果的なボールを入れたかったか。後半は下田と連係して運んだ。
 
11 下田北斗 6.5
前半はプレーがやや雑になる部分もあったが、後半は活動をエリアを広げギアアップ。好クロスでペレイラのゴールをアシストするなど、反省点はあるだろうが、印象的な出来だった。
 
15 小出悠太 5.5(79分OUT)
右SBを担ったが、小泉や江坂の柔軟な動きに後手を踏む姿も見られた。後半はより前に出た。
 
MF
8 町田也真人 5.5
持ち前の嗅覚を生かし、惜しいシュートシーンを迎えるが決め切れず。中盤でもうひとテンポ上げたかった。

16 渡邉新太 5.5
町田とともにやや難しい任務を担い、精力的に走った。試合終盤に迎えたシュートチャンスは決めたかった。

FW
25 小林成豪 5.5(72分OUT)
ドリブルで敵陣を進むもフィニッシュには持ち込めず。相手エリア内で俊敏な動きも見せたがゴールにはつながらなかった。

13 伊佐耕平 5.5(79分OUT)
最前線でチャンスを作ろうと奮闘。しかし、ディフェンスでのタスクもこなしたとはいえ、シュート0本のまま交代となった。


 
交代出場
FW
10 野村直輝 5.5(72分IN)
1点ビハインドの状況でピッチへ。攻撃を加速させたかったが、なかなか良い形でパスが入らなかった。

FW
20 長沢 駿 ―(79分IN)
野村とともに攻撃の切り札として前線に投入される。クロスを呼び込んだが、自身にゴールは生まれず。

MF
7 松本 怜 ―(79分 IN)
右サイドからの攻撃の構築を狙った。前へ仕掛け、一度、惜しいチャンスにも絡んだ。

監督
片野坂知宏 6
同点に追いついたシーンは狙い通りだったはず。しかし、勝利は手にできず、欲を言えば前半の入りをよりピリッとさせたかったか。それでもチームを準優勝に導いた手腕は評価されるべきだろう。この試合でチームを離れ、来季のJ2での戦いは選手やスタッフらに託す。

※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を平均とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
 
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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