現地時間12月22日に行なわれたスコットランド・リーグ第19節で、セルティックはセント・ミレンと0-0での引き分けに終わり、首位を走る宿敵レンジャーズとの勝点差は6に拡がった。

 アウェーゲームとはいえ、12チーム中9位に沈む相手だけに、勝点3獲得は義務とも言えたが、3日前にハイバーニアンを下してリーグカップを制した際のチームから7人もスタメンが入れ替わっており、連係に問題を抱えたチームは現地の複数メディアが「標準以下」と酷評したパフォーマンスに終始し、幾つか作ったチャンスは相手守備陣の好守に遭って活かすことはできなかった。

 セルティックの専門メディア『CQN』は8割以上のボールポゼッション、シュート数は相手の6倍以上となる31本(枠内8本)を記録しながらも、1つのゴールも奪えなかったチームに対して「創意工夫とフィニッシュのスキルを欠いた」と指摘するとともに、「古橋享梧のようなインスピレーションを与えられる選手を欠いた中で、霧雨の中、苛立ちの募る90分間を過ごすことになった」とも綴っている。

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 前述のハイバーニアン戦、古橋は素晴らしいトラップの後に狭いコースを突いた同点弾、さらにタイミングの良い飛び出しと相手GKの位置を考慮しての見事なループによる逆転ゴールを決め、アンジェ・ポステコグルー政権下のチームに最初のタイトルをもたらした現地メディアから「セルティックの新たなヒーロー」「ファンのお気に入り選手としての地位を確立した」などの賛辞を贈られた。

 今シーズン、ここまで公式戦16ゴールを決めている26歳の日本人ストライカーは、ハムストリングスの負傷が完治していない状態で(ハイバーニアン戦では怪我を押しての出場で大活躍したことでも株を上げた)、セント・ミレン戦では欠場が予想され、実力差を考えても問題はないと思われた。しかし結果は前述の通りであり、まさに古橋の不在がその要因であると言っても良かった。

 英国の日刊紙『Daily Mail』は「大幅に弱体化したチームとの対戦で、余裕を持って仕事(勝利)を成し遂げるための十分なチャンスを作ったが、嘲笑を浴びることとなった」「リーグ杯決勝の夜に味わった陶酔感は、あまりに速く消え去った」と、セルティックのパフォーマンスを酷評するとともに、「古橋の重要性が、別の形で強調された夜だった」と綴り、以下のように続けている。

「ポステコグルー監督は、ハムデンでの英雄的な行動の後、日本人選手を休ませるギャンブルに打って出、リエル・アバダをCFに起用したが、彼がスペースを見つけるに苦労し続け、采配は裏目に出た。他の選手も輝きを失っていた」

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 欠場によって、逆に存在感を強くすることになった古橋。まさに、セルティックにとって不可欠な存在であることが改めて示されることとなったが、スコットランド・リーグの日程が変更され、1月2日に行なわれる予定だったレンジャーズとの首位攻防戦が2月2日と丸1か月延期されたことが、セルティックにとって大きな問題を引き起こすことになると、多くの現地メディアが指摘している。

 というのも、この新たな日程はカタール・ワールドカップ・アジア最終予選のそれと重なっており、もし古橋が招集された場合、1月27日に中国戦、2月1日にはサウジアラビア戦が組まれており(いずれもホームゲーム)、レンジャーズ戦への出場は不可能となる。ちなみにセルティックでは、他にもMFの中心選手トム・ロギッチもオーストラリア代表選手ということで、日本と同じ日程でベトナム、オマーンと対戦する予定である。
 
 これについて、ポステコグルー監督はコロナのオミクロン株の感染拡大に対応した日程変更(ウィンターブレイクの前倒し)を歓迎し、主力2選手の離脱の可能性に対しても「招集されれば、彼らはそれに応じるだろう」と、これを受け入れることを示したが、それによる不利に対して手をこまねいて待っているつもりはないとして、宿敵相手の一戦での必勝を期している。

 セント・ミレン戦では古橋不在の状況でチームとしての不安を露呈したセルティックが、大一番で改善された姿を見せられるか。彼の動向を含めて、興味は尽きない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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