第100回全国高校サッカー選手権は1月2日、首都圏各会場で3回戦の8試合を開催。東の横綱である青森山田は勢いに乗る阪南大高を下し、静岡学園は宮崎日大を相手に大勝を収めた。桐光学園、前橋育英、大津、東山、高川学園、関東一とともに準々決勝へ駒を進めている。

 初戦の大社戦で6発快勝を飾り、好スタートを切った青森山田は、2試合で11得点と圧倒的な攻撃力を誇る阪南大高と相まみえた。先手を取ったのは青森山田だ。前半15分、右サイドからの鋭いクロスが相手DFに当たってネットに吸い込まれ、ややラッキーな形で先制点を奪う。その後は阪南大高に中盤でボールを収められ、何度か危険なシーンを作られたが、丸山&三輪のCBペアが身体を張ってシュートブロック。無失点で前半を終える。

 苦しい時間帯を耐え凌ぐと、後半開始早々の3分に右CKから追加点。MF松木のクロスに、ニアに飛び込んだ丸山がヘディングでコースを変えると、山なりの軌道のボールがそのままファーサイドのネットに吸い込まれた。勢いに乗った青森山田は後半13分にも、スルーパスに抜け出したFW名須川がGKとの1対1を冷静に制し、リードを広げる。同20分に阪南大高のエースFW鈴木に1点を返されたものの、勝負所で本領を発揮した青森山田が3-1で大阪王者を下した。
 

 熊谷会場で行なわれた前橋育英と鹿島学園の実力校同士の対戦は、2-1で前橋育英に軍配が上がった。ポゼッションスタイルのサッカーを志向する両チームだが、先に主導権を握ったのは前橋育英。最終ラインからの丁寧なパスワークで再三チャンスを掴む。均衡が崩れたのは、後半17分。前橋育英は、右からのクロスに途中出場の2年生FW高足が頭で押し込み先制点を奪った。しかし、鹿島学園も同22分、敵陣ゴール前に押し込むと、こちらも2年生FWの林が混戦から左足でねじ込み同点に。

 終盤にもつれ込んだ試合は後半39分、前橋育英はカウンターから右サイドを破ると、最後は再び高足が左足で押し込み、ネットを揺らす。上州のタイガー軍団が残り1分に生まれた劇的な決勝点で、ベスト8進出を決めた。

 ふたたびゴールラッシュを決め込んだのが静岡学園だ。宮崎日大とのゲームは早々の前半9分に動く。MF菊池→MF松永と渡り、最後は清水内定のMF川谷のゴールで幸先良く先制。12分には右SB西村のスルーパスを受けた松永が、GKの鼻先でボールを浮かせて、追加点を奪った。その後も攻撃の手を緩めない王国の技巧派軍団は、32分に磐田内定のMF古川が得意のドリブル突破から驚愕の一撃を叩き込む。さらに33分に菊池、35分に川谷が加点し、前半アディショナルタイム2分にも松永がネットを揺らし、なんと6‐0で折り返す。

 後半はシュートミスもあってなかなか追加点を奪えなかったものの、終盤に2点を決めて終わってみれば8ゴール。3試合を戦って14得点・無失点と、見事なチームパフォーマンスで準々決勝に歩を進めた。
 帝京長岡対桐光学園の一戦は、PK戦の末に決着がついた。立ち上がりから、互いに素早い攻守の切り替えと高いインテンシティーを見せるなか、前半23分に帝京長岡が先制に成功。DF佐々木のクロスからMF武原がダイレクトで合わせてネットを揺らした。ビハインドを背負った桐光学園は、展開力に優れるボランチ山市を中心に、後半はさらに攻勢を強めて相手ゴールに迫っていく。そして同23分、セットプレーの流れからDF米山が右足シュートを流し込み、試合を振り出しに戻す。

 その後、両チームともそれぞれ決定機を得たがモノにすることができず、1-1のまま80分が終了。PK戦は1本ストップしたGK吉田の活躍もあり、5人全員成功した桐光学園に軍配が上がった。

 熊谷会場の第2試合は、佐賀東対大津の九州勢対決。先手を奪ったのは今季のプレミアリーグWEST3位の実力校、大津だった。再三攻め込みながらも得点を奪えずに迎えた前半28分、ゴール前でパスを収めた2年生FWの小林が鋭いターンから右足を振り抜き、叩き込んだ。後半も押し込みながら、なかなか追加点が生まれなかった大津だが、後半27分にセットプレーからFW高畑涼が押し込みネットを揺らす。待望の追加点をゲットした。

 大津は同31分にセットプレーから佐賀東のMF森田にこぼれ球を押し込まれ1点差とされるも、後半アディショナルタイムにカウンターから1年生MFの碇が押し込み3点目。終始主導権を握った大津が3-1で勝ち切った。
 

 高川学園vs仙台育英戦は最終盤にドラマが生まれた。前半はゴール前での攻防がそれほど多くなかった一方、両チームとも攻守両面で集中力の高いプレーを見せ、局面ごとのバトルは激しく、見応えるある戦いを繰り広げた。高川学園のMF林晴、仙台育英のMF島野と、それぞれ10番を背負う攻撃のキーマンが高い技術を駆使して存在感を放ったが、得点は生まれずスコアレスでハーフタイムを迎える。

 後半に入っても、両者譲らぬ展開のまま時計の針は進んでいく。林晴が際どいミドルを放てば、島野のヘディングシュートは相手GKの好守に阻まれる。0-0のまま後半アディショナルタイムに突入し、PK戦かと思われた後半40+3分、高川学園が得意のセットプレーを起点に、最後は途中出場のMF西澤が左足シュートを突き刺す。劇的な勝利で、高川学園が14大会ぶりの準々決勝に進出した。
 キックオフ直後から目まぐるしい展開となったのが、関東一vs矢板中央の一戦だ。前半5分に関東一がFW本間のシュートのこぼれ球をFW肥田野が決めて先制すると、22分に矢板中央は途中出場MF星の仕掛けからPKを奪取し、これをDF島崎がモノにして同点に追いつく。しかし関東一はその5分後、肥田野のループヘッドを相手GK藤井が弾いたところをMF若松が押し込んで、突き放した。

 矢板中央は後半6分にふたたび試合を振り出しに戻したが、決勝点を奪ったのは関東一。後半38分、肥田野の絶妙なパスに抜け出した本間が豪快ショットをねじ込み、死闘に終止符を打った。

 駒沢会場の第2試合では、機動力の長崎総科大附と堅守を誇る東山が激突。立ち上がりから攻守に切り替えが早いスピーディなゲーム展開となり、両チームとも球際で泥臭くをボールを奪い合う。拮抗した試合は、ようやく前半29分にゴールが生まれる。東山は自身のシュートのこぼれ球に鋭く反応したFW藤枝がハーフボレーで合わせ、豪快にゴールに蹴り込んだ。

 その後も互角の好バトルが繰り広げられ、試合は終盤へ。“次の1点”をもぎ取ったのは東山だった。後半23分、相手のパスをカットしたMF阪田が右サイドを突破して、強烈ミドルを放つ。これがポストを叩き、こぼれたところをFW芦谷が叩いてリードを広げた。終盤にも藤枝がこの日2点目を決めた東山が勝利し、初のベスト8進出を決めた。
 

 3回戦の全スコアと準々決勝のカードは以下のとおり。

◆3回戦(1月2日)の全結果
静岡学園(静岡) 8-0 宮崎日大(宮崎)
前橋育英(群馬) 2-1 鹿島学園(茨城)
桐光学園(神奈川) 1(5PK3)1 帝京長岡(新潟)
青森山田(青森) 3-1 阪南大高(大阪)
大津(熊本) 3-1 佐賀東(佐賀)
関東一(東京B) 3-2 矢板中央(栃木)
高川学園(山口) 1-0 仙台育英(宮城)
東山(京都) 3-0 長崎総科大附(長崎)

◆準々決勝(1月4日)の対戦カード
[等々力]
第1試合:青森山田(青森)vs東山(京都)
第2試合: 桐光学園(神奈川)vs高川学園(山口)
[フクアリ]
第1試合:前橋育英(群馬)vs大津(熊本)      
第2試合:静岡学園(静岡)vs関東一(東京B)

構成●サッカーダイジェストWeb編集部