「タケがどうやってフルタイムをプレーしたか分からない。今週はほとんど練習していなかったからね」

 ルイス・ガルシア・プラサ監督の試合後のこの言葉が、欠場者が続出するチームの厳しい状況を端的に示していた。

 実際、当のタケ・クボ(久保建英)も新型コロナウイルスに感染し、クリスマス休暇明け初戦のバルセロナ戦とコパ・デル・レイのエイバル戦を欠場。このレバンテ戦が2022年初出場となった。しかしマジョルカはここまで未勝利のレバンテに0−2で敗北。これでリーグ戦3連敗となった。

 先ほどタケはコロナに感染したと記したが、マジョルカは欠場理由を明らかにしていない。したがって憶測の域は出ないのだが、同様にこのレバンテ戦もイ・ガンインを含め3選手がコロナ陽性で欠場したと見られる。さらに怪我人、累積警告による出場停止者も抱え、まさに満身創痍の状態だった。

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 通常であれば、試運転の意味合いも込めてタケは後半途中に投入し、20〜25分間程度プレーさせるところだろう。しかしチームはグラナダとバルサと立て続けに敗れ、降格圏に接近している。そんな中で落とすことができない直接対決であり、無理を承知の上での起用となった。

 ポジションはフェル・ニーニョの背後のトップ下。カンテラ上がりのハビ・ジャバレス、アントニオ・サンチェスを左右に配するという布陣だった。ただやはり欠場者続出による影響は否めず、マジョルカは終始劣勢を強いられた。

 そんなチームにおいてタケは目立ったプレーを見せていた。敵陣を攻め込む機会が限られる中でも、ライン間を動き回りながら、チームの攻撃にダイナミズムをもたらした。とりわけ大きな武器になったのが中に切れ込むドリブルで、特に前半はジャブレスとともに相手守備陣の脅威になっていた。

 56分にルイス・ガルシア監督はアントニオ・サンチェスを下げてアマト・エヌディアイエを投入。セネガルのFWはトップ下に入り、タケは右サイドに移動した。その直後の62分には個人技を活かしドリブルでゴール前に進入しシュートを放つも、ふかしてしまいボールはクロスバーの上を越えた。

 タケは守備面でも献身性を発揮。決して万全なコンディションではない中、実際そのプレーにはいつものキレは影を潜めていたが、何とかしようという気持ちは見えた。

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 試合内容でレバンテが上回っていたのは確かだが、マジョルカは際どい判定にも泣かされた。68分のPKはアイトール・フェルナンデスがストップしたが、キッカーのブライアン・オリバンがボールを蹴った瞬間、その両足はゴールライン上に乗った状態になく、ルールブックに照らし合わせればやり直しを命じなければならなかった。

 極めつけは88分のプレーだ。タケが右足で狙い澄ましたシュートをゴール右隅に突き刺したが、不可解なオフサイド判定で取り消され、これまたなぜかVAR介入の対象にもならなかった。

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 今週末マジョルカはコパ・デル・レイのラウンド・オブ16でエスパニョールと対戦する。当初20日に予定されていたレアル・ソシエダ戦は延期され、22日のビジャレアル戦までラ・リーガの試合はない。

 後半戦はまだ始まったばかり。これから残留に向けて厳しい戦いになることは必至だ。この10日間をチームにとっては欠場者の復帰、タケにとってはコンディションの回復に充てて、より万全な状態で古巣のビジャレアル戦に臨みたい。

文●エレナ・ガルシア(ディアリオ・デ・マジョルカ紙マジョルカ番)
翻訳●下村正幸