ブンデスリーガ1部は1月7日に後半戦がスタートし、2部も14日から再開した。本稿では、ドイツで奮闘する12人の日本人選手について、前半戦のパフォーマンスを100点満点で採点。まとめて紹介する。※個人及びチームの成績はすべて前半戦終了後のもの。

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【1部】
●原口元気(ウニオン・ベルリン)…80点(とてもよくやった)
17試合0得点・4アシスト

 移籍1年目からレギュラーとして活躍するのは簡単なことではない。しかも、ウルス・フィッシャー監督は非常に厳格で、要求しているパフォーマンスを発揮できない選手はすぐに代えられてしまう。ハードワークと戦術的規律の要求レベルはリーグ全体を見ても非常に高い。その要求をしっかりと満たし、加えて攻撃でもアクセントを加えられているから常時試合に出られるのだ。

 勢いだけではなく、効果的なポジショニングと身体の向きを意識しながらプレーをしているので、攻撃の流れを止めることなく関われている。4アシストはチームトップタイ。得点がないのが残念だが、いい形でシュートチャンスに絡んでいるので、後半戦はゴールシーンも見られるはずだ。

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●遠藤渓(ウニオン・ベルリン/MF)…30点(不満が残る)
2試合0得点・0アシスト

 出場は2試合でたった21分。完全移籍となり勝負の2年目と思われたが、ここまでは出場機会がほとんどないまま時間が過ぎている。同僚の原口が「監督は彼のことをすごく評価している。ただ、ウイングのポジションがない」と内情を教えてくれたことがあったが、たしかに攻撃的なアウトサイドのポジションがあったら、チーム内での立ち位置も変わるかもしれない。

 3₋5₋2が基本のチームで、インサイドハーフでプレーするにはインテンシティとハードワークが足らず、WBとしては1対1での守備に難がある。FWにはポストワークがしっかりできる選手が求められるため、どうしても序列が下がってしまう。現状では冬の市場でレンタル移籍という可能性もある。いずれにしてもまずはプレーできる環境に身を置くことが大切なのは言うまでもない。
 
●長谷部誠(フランクフルト/DF&MF)…80点(とてもよくやった)
9試合0得点0アシスト

 今月38歳になるブンデスリーガ最年長選手は、いまも成長を続けている。シーズン序盤はベンチ生活も続いていたが、チームの不振を助けるべくスタメンに復帰。若い選手に落ち着きをもたらし、確かな経験に裏打ちされた明確なプレーでチームを支えている。

 試合展開を読み切ったポジショニングとプレー選択の最適化はリーグでも屈指のレベルがある。オリバー・グラスナー監督が絶賛するように、前に出て相手の攻撃を食い止めたり、奪ったりするプレーの質が向上しているのは特筆すべき点だ。このベテランのボール奪取から素早い正確な縦パスでカウンターという確かな武器が生まれたことが、フランクフルトの前半戦終盤の快進撃に好影響を及ばしたのは間違いない。

●鎌田大地(フランクフルト/MF)…70点(よくやった)
16試合1得点・2アシスト

 チームの貴重なオーガナイザーとしての役割を全う。スペースをかぎ分けてチャンスを創出する感覚は抜群で、相手を自分にひきつけてのダイレクトパス、狭いエリアで相手のチャージを受けながらもスルスルと抜けてくるドリブル、相手守備裏スペースへの配給で、攻撃にリズムと勢いをもたらした。

 フランクフルトのビックチャンスの多くでこの日本代表MFが関与していることからも、どれだけ重要な存在かがよくわかる。また、今シーズンは守備も成長。足を止めることなく、素早く鋭いチェイシングで相手からボールを奪い返すシーンが増えているのは素晴らしい。ただ、リーグ戦1得点・2アシストは少し寂しい。5得点・12アシストをマークした昨シーズン並みの数字を残せれば、ステップアップも現実味を帯びてくるはずだ。
 
●浅野拓磨(ボーフム/FW)…60点(及第点の出来)
11試合0得点・1アシスト

 新型コロナウイルスの濃厚接触者として前半戦最後の3試合を欠場したのは残念だが、9節のフランクフルト戦から14節のアウグスブルク戦まで6試合連続スタメン出場とトーマス・ライス監督からの信頼を勝ち取ることはできた。攻め手の少ないボーフムにおいて、そのスピードとキープ力は確かな武器として機能している。

 もちろん1アシスト・無得点と攻撃的な選手にとっては納得のいく数字は残せてはいないことは本人もよくわかっている。「ブンデスではゴール取るのが非常に難しい」と課題を自認していた快足アタッカーが、得点を積み重ねられるようになれば、ボーフムの一部残留が近づくだろう。後半戦はより一層の爆発を期待したい。
 
●遠藤航(シュツットガルト/MF)…70点(よくやった)
17試合1得点・2アシスト

 東京五輪参戦による過密日程、そして前半戦を16位で折り返すなどチームが苦しい状況にいることもあり、昨シーズンほどのインパクトを残せているわけではない。ただ、時折疲れを感じさせるシーンはあるものの、それでもリーグ全体で見れば高いレベルのプレーを披露している。キャプテンとして必死に奮闘している点も評価したい。

 役割の変化にもうまく対応している。昨シーズンに得点源として活躍していたサシャ・カライジッチ、シラス・カトンバらが負傷で長期離脱している影響もあり、今季はここまでインサイドハーフでの起用が増えており、より攻撃的なプレーが要求されている。その中で、相手のプレッシャーを受けながらも勇敢にボールを引き出し、アタッキングサードでのチャンスメークに貢献。0-5で大敗した16節のバイエルン戦では、王者の圧力に飲み込まれた味方選手が次々にボールを失っていく中、しっかりとボールを収めて、時間とスペースを作って味方にパスを提供していたのがとても印象的だった。

●伊藤洋輝(シュツットガルト/DF)…90点(ほぼ申し分なし)
17試合1得点・0アシスト

 リーグ最優秀若手選手の一人に入るだけのインパクトを残している。難しい状況でも物怖じせず冷静さを失わずにプレーできる点は素晴らしい。当初は負傷欠場していた主力選手の穴埋め要員だったが、攻守両面におけるハイパフォーマンスの連続で監督の信頼をがっちりと掴んでみせた。

 1対1では激しく、状況に応じて的確にカバーに動くなどうまく対応している。攻撃面では確実な組み立てができる左利きのCBの存在は非常に大きい。中盤やFW陣に縦パスをあてるだけではなく、逆サイドの深いところへ飛ばすことができるダイアゴナルなサイドチェンジはチームの貴重な武器となっている。CBだけではなく左WBとしても経験を積んでおり、後半戦も主力としての活躍が期待される。

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●奥川雅也(ビーレフェルト/MF)…80点(とてもよくやった)
 16試合5得点・1アシスト

 リーグ5得点(後半戦初戦で6点目を奪取)は全体で13位だが、攻撃的MFとしてみると7ゴールのヨナス・ホフマンに次ぐ2位タイとなる。さらにチーム14得点のビーレフェルトにおける1ゴールの価値は、他クラブのそれとはわけが違う。多くはないチャンスをゴールに結びつけなければならないからだ。

 前半戦の終盤は、味方からのボールがいいタイミングで集まる頻度が増え、奥川経由で数多くのゴールチャンスが生まれている。左のアウトサイド、トップ下、ボランチ、インサイドハーフと様々なポジションで起用できる点も魅力的だ。どんな展開でも自分らしさを見失わずに、チームのために全力でプレーし続ける。降格圏の17位に沈むビーレフェルトにとって、残留への切り札といっても過言ではない存在だ。
 
【2部】
●板倉滉(シャルケ/DF)…80点(とてもよくやった)
15試合2得点・0アシスト

『Kicker』誌の2部リーグ前半戦ベストCBに選出されるなど、目の肥えたドイツの識者からも絶賛されている。いまや疑いのないシャルケの主軸だ。3バックの中央で守備組織をオーガナイズし、ピンチになりそうな場面では鋭い読みで相手の攻撃を次々と跳ね返していく姿は、頼もしいことこの上ない。

 ファンからも愛される存在で、タイミング抜群のスライディングタックルでカットするとスタジアムはどっと沸く。この日本代表DFが加入するまで不安定だった守備はギュッとしまった。攻撃でも存在感は絶大で、的確なビルドアップで好パスを配給するだけではなく、セットプレー時には得点源にも。18節のハンブルク戦では87分に同点ゴールを叩き込み、貴重な勝点1奪取の原動力となった。

●田中碧(デュッセルドルフ/MF)…50点(可もなく不可もなし)
13試合0得点・0アシスト

「1部昇格へ向けての切り札」という期待が大きかっただけに、ここまでのパフォーマンスに関して地元メディアやファンからの失望もやや大きいかもしれない。実際、試合の中で効果的にボールに絡める頻度はそこまで多くなく、ボールを受けて離すタイミングが味方選手とかみ合わないケースが少なくない。

 とはいえ、移籍1年目、しかも東京オリンピックの影響でプレシーズンにチームに合流できなかったことを考えると、致し方ない面もある。またボールが頭上を行き来する展開ばかりだとなかなか持ち味を出せないという事情もある。冬の準備期間にチームの約束事とその中で自身のパフォーマンスを発揮していくバランスを模索して、後半戦は主軸として引っ張る存在へと成長してほしい。
 
●アペルカンプ真大(デュッセルドルフ/MF)…50点(可もなく不可もなし)
11試合1得点・2アシスト

 チーム生え抜きで将来の主軸候補はファンからの信頼も厚い。昨シーズン終盤には4試合連続ゴールをマークし、新生ドイツU-21代表では10番を背負うなど、今シーズンは中心選手としての活躍が期待されていたが、ケガやコロナ感染の影響でスタメン出場は6試合どまり。1得点・2アシストという結果も含めて納得のいく成績ではないはずだ。

 デュッセルドルフはアタッキングサードでチャンスメークできる選手が必要なだけに、ゴールへの道を作り出すことができるこの21歳の復調は後半戦の巻き返しに向けて不可欠な要素。いち早くコンディションを取り戻し、またピッチ上で躍動する姿をファンは待ち望んでいる。

●室屋成(ハノーファー/DF)…60点(及第点の出来)
15試合0得点・3アシスト

 スピードを活かした突破力とクロスの精度は2部のSBの中でもトップレベルの評価を受けている。チーム14得点のハノーファーでSBながら3アシストというのは十分な評価に値するものだろう。一方で守備において1対1で守りきることを要求される場面が多く、チームが守備的な戦い方を選択する際にはスタメンから外れた試合も。代わりに出たSBがパスミスを連発し、攻撃時の貢献はほとんどなかったにもかかわらず、だ。

 この日本代表DFの競り合いにおける対応は、監督から信頼しきれないものがあったようだ。それでも、11節レーゲンスブルク戦からは8試合連続スタメン出場を果たし、攻守両面で堅実なプレーでチームに貢献している。2-1で勝利した17節インゴルシュタット戦では2アシストをマークした。

文●中野吉之伴

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