FC東京のファン・サポーターの注目のひとつが、松木玖生の今後の成長だろう。〝高校サッカー界のキング“の異名を取り、先の高校選手権で青森山田高の優勝に特大の貢献を果たした大物ルーキーは、FC東京在籍時の久保建英と同じくらい期待されている印象さえある。

 なので、良い機会だからと、FC東京の始動日(2022年1月16日)の囲み会見でアルベル・プッチ・オルトネダ監督に直接質問してみた。

「高校選手権の活躍、アルベル監督がバルサの下部組織で指導してきた実績の両方を踏まえて、松木選手をどう育てますか?」

 この問いに対し、アルベル監督は柔らかい表情を浮かべて次のように答えてくれた。

「今、彼はとても注目されています。まずは、そのプレッシャーから解放してあげることが今後の成長を考えれば重要です。我々はリアリスタ。現実を見ないといけない。逆に質問します。久保建英は良い選手ですか?」

 突然振られた質問に「あの年齢の割に良い選手だと思います」と著者が回答すると、アルベル監督はこう続けた。
 
「久保建英さえヨーロッパで活躍するのに苦労しています。松木選手が高校サッカー選手権で素晴らしい活躍したのは間違いありません。彼と同じ年代の大会で優秀な成績を収めたことは称賛に値します。一方で、同年代のヨーロッパのチーム、選手と戦った場合、どういう結果になるかは誰にも分かりませんが、良い結果を出すのはとても難しいでしょう。何が言いたいかというと、まずは地に足を付ける。18歳の選手が同年代のカテゴリーで日本国内の大会で素晴らしい活躍をしたことは、それ以上でもそれ以下でもありません。

彼とともに私ができるのは、良いプレーができるよう成長を促す。松木選手はまだ若いです。ストレスを与えず、順調に、謙虚に、成長する姿を見守ってほしい。試合で使われるかという点は関係なしに、温かい目で見守ってほしいです」

独自の回答を示したアルベル監督の下で松木がどう育つか、興味深く見守りたい。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集長)