4月23日に行なわれた、エミレーツスタジアムでのアーセナル対マンチェスター・ユナイテッドを取材した。

 かつて、この2チームは、イングランドの「トップ2」に長らく君臨していた。だが、現在は4位の座を争っている。

 ユナイテッドのロイ・キーンとアーセナルのパトリック・ヴィエラがライバル心を剥き出しにして、ピッチで戦っていたのが懐かしい。サー・アレックス・ファーガソンとアーセン・ヴェンゲルの両指揮官も、ピッチの外で激しく衝突していた。

 プレミアリーグを制するためには、この相手を倒さなければならない――。その気持ちがよく表われていた。

 現在は、アーセナルは少し復調傾向にあるとはいえタイトルから遠ざかり、ユナイテッドは酷い時期を迎えている。雰囲気も随分と変わった。かつては選手とファンの間に憎しみ・緊張があったが、すっかりそれが和らいでいる。

ファーガソンやヴェンゲルの時代では決してなかっただろう悪質なタックルの後で、倒れた相手選手に手を差し伸べることさえある。

 この試合では、アーセナルのファンが、相手のエースであるクリスチアーノ・ロナウドに対し、背番号にちなんで7分に拍手を贈った。産まれたばかりの子どもを亡くしたからだ。これは素晴らしい振る舞いだった。だが、C・ロナウドが先制点を決めた時には、さすがに拍手はなかった。

【PHOTO】日本代表を応援する「美女サポーター」を厳選!
 故障離脱していた冨安健洋が不在の間、代役としてよくプレーしていたセドリク・ソアレスは、しかしこのゲームではとても頼りなく見えた。そのポルトガル代表に代わって試合終了間際に登場した冨安が、いきなり印象的なプレーを見せたのとは対照的だった。冨安がスタメン復帰するのも、時間の問題だろう。

 それにしても、冨安がピッチに入った際のファンの反応には驚かされた。凄まじい歓声と拍手を浴びたのだ。そして、いきなりボールを持って持ち上がると、C・ロナウドのファウルを誘発。世界最高の選手のひとりに、イエローカードを出させた。

 この一連のプレーにも、ファンは大声援。冨安はどれだけアーセナルのファンに好かれているのか。このシーンだけでも、それがよく伝わってきた。

 結局、試合はアーセナルが3-1で快勝。以前のライバル対決のように記憶に残るような試合ではなかったものの、4位を目指すガナーズにとっては会心の勝利だった。

取材・文●スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ)

【動画】ファンも大声援!途中出場から1分でC・ロナウドを翻弄→イエローカードを誘発する冨安

【画像】「ピッチに戻れてとても嬉しい」復帰した冨安が思いを綴った投