日本代表がカタール・ワールドカップのグループステージ第3戦で対戦するのが、欧州の強豪スペインだ。EURO2008、2010年南アフリカW杯、EURO2012とメジャートーナメント3連覇を成し遂げ、東京オリンピックでも日本の前に立ちはだかった技巧派集団に、森保ジャパンはどう立ち向かうべきか。『ラジオ・マルカ』のルイス・ギジェルモ・モリネロ記者に訊いた。

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 カタール大会は、日本代表にとって7大会連続7回目のW杯の舞台となる。森保一監督が指揮官に就任してから間もなく4年が経過し、それだけその戦い方には監督の色というものがはっきり表れている。

 日本は得点源となるストライカーの不在という慢性的な課題を抱え、現代表も例外ではない。そんな中、森保監督は現実的なアプローチでチームの競争力を高めようとしている。とはいえその一方で、昨今、久保建英、鎌田大地、古橋亨梧、伊東純也、南野拓実、三苫薫ら年々、欧州でプレーする才能豊かな日本人アタッカーが増えている。

 彼らを融合して攻撃的なチームの構築することも可能なはずだが、森保監督にはそうした冒険心はないようだ。近年、アンドレス・イニエスタ、ダビド・ビジャ、フェルナンド・トーレスがJリーグでプレーし、その影響もあり日本には攻撃的なサッカーを好む素地が生まれているだけに、この指揮官の現実主義スタイルはなかなか受け入れられないのかもしれない。

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 一方、スペイン代表は、前述の3人が主力を担っていたルイス・アラゴネス時代のコンセプトを土台に進化を遂げている。ルイス・エンリケ監督の下で世代交代が敢行され、細部を見れば戦い方はアレンジされているが、昨年のEUROで実証したようにW杯でも上位進出が期待できるチームが完成しつつある。

 日本にとって希望は、スペインが強固な守備ブロックを敷いてくる相手を苦手にしていることだろう。戦い方次第では日本にもチャンスが出てくる。ポイントとなるのはその守備ブロックの位置だが、スペイン相手にラインを押し上げるのは簡単ではない。

 自ずと自陣ゴール前に釘付けになる時間帯が増えそうだが、現在の日本には幸い、吉田麻也、冨安健洋という国際経験豊富な2人のCBがいる。スペイン代表のアルバロ・モラタは一線級のストライカー特有の怖さはなく、対等に渡り合うことは可能なはずだ。むしろ日本にとって注意すべきは、得点力に磨きをかけるフェラン・トーレスと1対1の対応に難がある長友佑都のマッチアップが濃厚な左サイドの守備だろう。
 
 もっともスペインは、中盤に前線の破壊力不足を補って余りあるタレントが揃っている。その代表格が、大会期間中に20歳の誕生日を迎えるペドリで、森保監督にとってはこの若きプレーメーカーをどう抑えるかが重要なテーマとなりそうだ。アジア予選を含め就任以来、試してきたオプションを整理し、その中から最適解を見出さなければならない。

 その予選のターニングポイントとなったのは、4-3-3の採用だった。以前の日本(例えばアルベルト・ザッケローニ監督時代)は攻撃に比重をかけるあまり、中盤が間延びする傾向があったが、このシステム変更により、攻守のバランスは改善されている。

 その枚数が1枚増えてソリッドさが増した中盤のレギュラー格は、遠藤航、田中碧、守田英正の3選手だ。レガネスに在籍しているガク(柴崎岳)も控えるが、森保監督は、プレッシングの強度やハードワークを優先して人選を行なっている。

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 スペイン戦でも、その中盤トリオや原口元気らが持ち味とするエネルギーでセルヒオ・ブスケッツや前述のペドリを中心としたスペインのパスワークを封じることを主眼に置いて対策を立ててくるはずだ。逆に久保や鎌田といった選手はベンチスタートが濃厚だ。

“サムライ・ブルー”はバラエティに富んだ攻撃をするチームではない。しかし左サイドから切れ込んでゴールに絡むプレーを得意とする南野や自慢のスピードでサイドを切り裂く伊東らが織りなすカウンターで守備が強固とはいえないスペインを驚かせることはできるはずだ。

 もちろんW杯までまだ時間がある。久保、三苫、鎌田らが主役を張る可能性も残されているわけだ。しかしスペインとドイツと対戦することは、森保監督に守備的な戦い方という現在の“コンフォートゾーン”にとどまらせる理由にはなる。

文●ルイス・ギジェルモ・モリネロ(ラジオ・マルカ)
翻訳●下村正幸

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