[J1リーグ13節]鹿島4-1札幌/5月14日/県立カシマスタジアム

 前節、広島に0−3で完敗した鹿島がその悔しさを晴らす、今季最多の4ゴールで札幌に快勝した。

 とりわけ、6分に上田の先制弾が決まってからは文句なしの前半だった。

 GKも加わった相手のビルドアップに対して、鈴木のチェイシングで大きく蹴り出させると、自陣で三竿が奪い、安西、D・ピトゥカ、鈴木を経由して、D・ピトゥカのラストパスから和泉がシュートを放った12分の場面は、ヴァイラー監督が志向する「縦に速いサッカー」を体現しながら、流動的で相手に的を絞らせない指揮官の理想とするスタイルが表現できていた。

 その後、鈴木の2ゴールと、後半立ち上がりのA・カイキのヘディング弾で4点をリードした鹿島は次々とメンバーを交代させるが、そこから試合の様相が一変する。

 59分に関川、樋口、上田を下げ、キム・ミンテ、中村、J・アラーノを投入。さらに68分には鈴木に代え、染野を起用するが、直後の69分に札幌の菅に強烈なミドルシュートを決められると、その後も札幌の反撃を受ける。

「(鹿島の)鈴木や上田が我々のチームでプレーしていたら4-4、あるいは5-4になっていたかもしれない」

「青木は3回くらいほぼフリーな状態でゴール前に入っていったシーンがあった。それが決まっていたら…」

 そう敵将のペトロヴィッチ監督が表現する展開だった。
 
 前半から飛ばした影響で体力的に厳しい部分があったかもしれない。セーフティとも言える3点のリードがあったからかもしれない。相手がメンバーチェンジで戦い方を修正し、リスク覚悟で攻めてきた部分もあったかもしれない。

 それでも交代出場した選手たちには、ゲームの流れを変える活躍を期待したい。

 中村にはボールを保持し、自分たちの時間にする展開力を、キム・ミンテには相手の攻撃の芽を摘む対人の激しさを、染野、J・アラーノ、土居には上田&鈴木の2トップが担っていた前線からの圧力と、ゲームを終わらせる追加点を期待して指揮官は送り出したはずだ。

 試合後にヴァイラー監督は、「勝ったことは良かったし、内容的にも良かったと思うのですが、代わった選手がチーム状況をひどくしてはいけない」と、交代出場する選手たちに奮起を促し、こう続けた。

「選手の気持ちも分かりますし、そう簡単ではありません。ただ、チームとしての課題だと思うので、もっと良くしていかなければなりません」

 快勝しても反省を怠らない、今季から指揮を執る新監督の言葉に常勝軍団・鹿島らしさが滲み出ていた。

取材・文●渡邊裕樹(サッカーダイジェスト編集部)

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