[キリンチャレンジカップ/日本代表 4-1 パラグアイ代表/6月2日/札幌ドーム]
 
 人気、そして期待値は抜群だった。パラグアイ戦の71分、堂安律に代わってピッチに立った日本代表の久保建英は、この日最も大きな拍手で迎えられた。
 
 この試合は応援ハリセンボードが入場者特典として配られており、サポーターは声を出せない代わりにこのハリセンボードで反応。久保がボールを持ってば、大きな音が鳴り響いたものだった。
 
 試合前に数人のサポーターを取材した際、「好きな選手」を聞くと久保を挙げるファンが多数。「ボールを持つとワクワクする」、「20歳でもう3年もスペインで戦っているのは凄い」、「独特のオーラがある」、「東京オリンピックの涙を見て心を打たれた」という声が聞こえてきた。
 
 しかし、この日の久保は右ウイングに入り、約20分間の中で何度か仕掛けたものの大きな違いは生み出せず。74分に右サイド、87分には左サイドから切り込んだが、最後のクロスはいずれも相手DFにブロックされた。国際Aマッチでゴールもアシストもなかったのは、これで代表デビューから16試合連続だ。アタッカーとしては不名誉な記録を更新してしまった。
 
 つまり、日本代表における久保は、「人気や期待値」に対して「結果や実力」がかなり乖離した状態だと言っていい。「久保を活かせるような戦術になっていない」という声もあるが、代表チームでそんな特権を得られる選手はリオネル・メッシやクリスチアーノ・ロナウドなど世界中を探してもほんの一握りだ。
 
 しかもこのパラグアイ戦は、スタメンだった原口元気、堂安律、三笘薫、そして鎌田大地がゴールに絡む明確な結果を残してもいる。彼らはウイング、インサイドハーフ、トップ下などのポジションで、カタール・ワールドカップの登録メンバー入りを争っている直接のライバルたち。見事なチップキックで3点目を決めた三笘に至っては、これでAマッチ4試合で3ゴール・1アシストだ。
 
 久保のテクニックやクイックネス、そして戦術眼は、森保一監督やチームメイトたちが事あるごとに賞賛してきた。パラグアイ戦でもとくに87分のドリブルは、可能性を感じさせるプレーだった。しかし、アタッカーならばそれをゴールに直結させなければ意味がない。
 
 日本代表の6月シリーズは残り3試合(6日のブラジル戦、10日のガーナ戦、14日のチリorチュニジア戦)。久保のワールドカップ初出場は、ここで明確な結果を残せるか否かに懸かっているだろう。
 
取材・文●白鳥大知(ワールドサッカーダイジェスト編集部)

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